日律帝國最後の反抗22
mitotayo
お久しぶりです。まず、投稿期間が大きく空いてしまい申し訳ありませんでした。諸事情、特に学業に関する事で精一杯で、しばらく執筆活動から離れておりました。これからも投稿期間が空いてしまうことがあると思いますがご了承頂けるとありがたいです。
〈二十六話 誰のための戦争か〉
「由美子ちゃんの家は確かここら辺だったと思うけど……」
俺は綾香に先導されて、昨日までは静かな住宅街だったであろう焼け野原を進んでいた。今歩いている道も足の踏み場もないほど焼け崩れた家屋の瓦礫が散乱している。
「……ここ辺りもほとんど壊滅だな」
「おかしいね、東奏の中心地から少し離れてるのに」
「……そうだな」
道中、瓦礫の中でしゃがんで何かを拾っている人を何人も見かけた。恐らく身内や知り合いの骨を拾っているのだろう。空襲の中、逃げ遅れた人達がたどる末路を俺は痛いほど理解している。俺も経験者だから。
──俺があと1機でも多く落とせていたら助かったかもしれないんだよな……。
その屈んで俯いている背中は泣いているようにも見えて俺の胸を一層強く締め付ける。不甲斐なさと自己嫌悪で今すぐにでも死んでしまいたくなる。
「武くん、気にしたらだめだよ」
「……ん?」
綾香が不意に立ち止まって振り返る。
「また、自分のせいでって思ってるでしょ」
「……まぁね」
綾香はわざとらしくため息をついた。
「あーあ、折角恥ずかしい思いしてぎゅーってしてあげたのになー」
そう言いながら綾香はまた歩き始めた。
「効果なしかぁ」
「いやあの……」
「私の抱擁じゃ満足できないってか!?」
「……そんなことはない、よ?」
俺は綾香の勢いに完全に押されていると感じながら綾香を宥める。
「これはしょうがないっていうか、どうしてもそう思っちゃうんだよ」
俺は綾香の目を見て言った。綾香も俺の目を見ているけどなんか目が怖いように思える。
「ぷいっ」
数秒の沈黙の後、綾香は急に不機嫌そうな顔をしてそっぽを向いた。
「え……?」
「武くんのばか」
そう言ってまた歩き始める。
「えぇ……」
俺は理由が分からないまま綾香について行った。
「ここ」
暫く歩くと綾香が不機嫌そうな声でそう言った。
「流石にここまでは火は回ってなかったみたい」
少し上り坂になっている道を歩いてきたからか、綾香は普段より暑そうにハンカチを取り出して汗を拭った。7月31日の午前11時、もう8月に差し掛かるこの夏はいつもより日差しが強く感じる。
「由美子ちゃんは家に帰ってるの?」
「今朝防空壕から出る時に家に戻るって言ってたから居るんじゃない?」
話しかけてみれば投げやりな言葉が返ってくる。……ちょっと傷つく。
「由美子ちゃん居るー?」
綾香は目の前にある玄関の扉を叩きながら呼びかけた。数秒の沈黙の後、扉の奥でドタドタと足音がして勢いよく扉が開かれた。
「あやかお姉ちゃん!」
由美子ちゃんは以前と変わらずとても元気そうだった。
「こんにちは」
「こんにちはー!」
挨拶をすれば無邪気な声で挨拶が返ってくる。
「あのね!あやかお姉ちゃんのお父さんがね、私のお母さん見つけてくれたの!」
由美子ちゃんはこの上なく嬉しそうに報告してきた。無邪気な子供は見てて癒やされる。
「そうなの?よかったねぇ」
綾香もどこか安堵した様子で由美子ちゃんに笑いかけた。
「それでね!今からあやかお姉ちゃんのお父さんがお母さんに会わせてくれるって!」
「そうなの……ん?」
綾香は由美子ちゃんの言葉に何か引っ掛かったような顔をした。
「その言い方だと由美子ちゃんは綾香のお父さんに会ったの?」
俺も由美子ちゃんの言い方に疑問を感じて声を掛けた。
「うん!なんなら今家に上がってもらってるよ!」
「……えぇ!?」
「由美子ちゃん、そろそろ行こ……綾香?」
綾香が驚きの声を上げると同時に綾香の父親、和重さんが奥から現れた。
「お父さん!?」
「和重さん!?」
俺と綾香は同時に叫んだ。
「何だ白石くん。こういう時はお義父さんって呼ぶものだぞ?」
和重さんが真面目な顔でそう言った。何言ってんのこの人。
「なんでお父さんが由美子ちゃんの家知ってるの!?」
綾香は驚いているのか怒っているのかよく分からない勢いで和重さんに詰め寄る。
「何でって言われても」
「お母さんと知り合いなんだもんねー!」
「えぇ!?」
由美子ちゃんはまたしても重大な発言をさらっと言ってのけた。
「若い頃のお見合いでここまで縁があるとはなぁ」
「お見合い!?」
綾香はどんどん混乱していってるようだ。そんな綾香も可愛い。
「おっ、今白石くん綾香に見入ってたね?」
「あ、ばれました?」
「武くん!?」
まさか和重さんに見られてたとは思いもしなかった。
「綾香は可愛いな、とでも思っていたんじゃないか?」
「あ、分かります?」
「思ってたの!?」
綾香が素っ頓狂な声をあげる。
「あー!あやかお姉ちゃん顔まっかー!」
「由美子ちゃん!」
阿鼻叫喚、とは少し違うかもしれないけどすぐには収拾がつきそうにはなかった。
「えーっと、お父さんと由美子ちゃんのお母さんがお見合いしたの?」
「した」
「えーっと、じゃあ由美子ちゃんと私は姉妹?」
「それは違うね」
「え?じゃあ、由美子ちゃんは誰の子供?」
「由美子のお母さん、沙都子だな」
「だよね……。ん?」
数分が経ち、少し落ち着いた綾香は和重さんと話してる。和重さんと由美子ちゃんが重大な事をいきなり沢山言うから混乱しちゃってるじゃん。
「ねぇねぇ、たけるお兄ちゃん」
「由美子ちゃん。どうしたの?」
トテトテと由美子ちゃんが近づいてきて話しかけてきた。
「あのね、私の勘違いかもしれないんだけどね?」
由美子ちゃんはどこか悲しそうな顔をして口を開いた。
「あやかお姉ちゃんのお父さん、何か隠してると思うの」
「隠してる?」
「うん……」
隠し事、確かに小さい子供はそういう事に敏感と何処かで聞いたことがある。
「それは由美子ちゃんに関係あること?」
「あると思う」
俺は考えた。和重さんが人に隠し事をするとは思えないし、ましては由美子ちゃんに隠すことなんてないと思うんだけど……。
「じゃあ、由美子ちゃんは和重さんが何を隠してると思う?」
そう問いかけると由美子ちゃんは唸りながら考え込んで、ふと顔を上げた。
「お母さんのこと、かも」
なーんか恋愛事情を書くって難しいですね。私自身性別は男なので恋愛とかってよく分からないんです。言い方は悪いですけど、女心を全く理解できないんです。ただでさえ現実でも恋愛は難しいのに、文字にして表現するのはとても難易度が高いです……。今も恋愛とか人間関係に関しての設定とか表現はおかしいくなってないかなと不安なままです。




