表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日常の章  作者: しば
PR
2/13

退避


「本当にすまなかった…!」

章の前で深々と頭を下げる堅固。

いまにも取っ組み合いを始めそうな章と愛は、店中の注目を集めていた。それを見かねた堅固が、章を連れて一時退避を計ったのである。

「顔あげてくれよ」

確かに愛の態度はとても初対面の相手に対するものとは思えなかったが、このまま堅固に頭をさげさせているのは大人気ないと思ったのだ。

「俺あいつになんか怒らせるようなことしたか?俺と話してるときだけまるで別人だぜ」

「愛のああいう性格を知ってて紹介した俺が全面的に悪いんだが…昔から初対面の人間には壁をつくってしまう奴なんだよ」

「でも楓とは特にぎくしゃくはしてなかった気がするぞ?」

「基本的に男性不信なところがあるからなあ。中学三年間同じクラスで過ごしてきたが、まともに口をきいてくれたのは2年も冬という頃だった」

「そいつぁ難儀だな…」

とても人付き合いに向いた性格とは思えない。おそらく堅固と愛の過去には数知れぬ苦労話があるのだろう。

「友達も多くはなかったし、歯に衣着せぬ物言いで周りに敵をつくることもよくあった。高校では、人間関係が一新されるだろう?この機会に周りと上手くやれるようになってほしくて、お前に紹介したんだが…完全に裏目にでてしまったな」

そういった堅固は、寂しそうな表情をしていた。


「よし、始めるとしようぜ、佐伯愛デレ化計画を」

「協力、してくれるのか?」

「俺のときみたいに、喧嘩をとめてくれるやつがいつもいるとは限らねえだろ?何か起こってからじゃ遅いからな」

「ありがとう。恩に着る」

正直な所、章は初め愛をどうにかしてやろうという気持ちではなかった。出会い頭に罵倒してきた人間に気を遣ってやるほど、章は懐が広くない。

だが、堅固がここまで真剣に心配しているのだ。きっと話の通じないヤツじゃない。



「まずは仲直りからだよな」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ