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Legend Race Online(リメイク版)  作者: ルルカナート/リムス
9/10

第9話 荒稼ぎ

遅くなりました。

楽しんでいただけたら幸いです。

誤字の報告ありがとうございました。


 わたしは露店をでて商店街エリアの中央にいるNPCに話しかけ露店を開くために100メルを支払い商店街エリアの一角に露店を開きポーションとりあえず前に作っていた10本を並べた。




コロナさんにポーションを見せた結果回復量が20%以上のポーションは150メル・それ以下のポーションは120メルで販売してはどうかとアドバイスをいただいた。

 本来ポーションは100メルで取引されるそうなのだが一部のプレイヤーによる買い占めが行われており物品が不足したりプレイヤーによって高値で転売されているそうなのでこれくらいの価格なら買ってくれる人がいるのではないかということだった。



調合でポーションを作りながらお客さんを待っていたのだが、知名度が低いお店なのでなかなか食いついてもらえずお客さんが来ない時間がしばらく続いた。


 プレイヤーが作った装備や消耗品などは転売を防止するため作った時に制作者の名前が表示される。そして銘表示された商品は生産者プレイヤー以外の人は他人に売ることができなくなる。


 また、製作者はプレイヤーネームを匿名で隠すこともできる。匿名で隠しても製作者以外の人が販売することができない。わたしは名前を匿名で隠し商売をしていた。


どのくらいたっただろうか、ポーションづくりに熱中し始めたころお店に人影が差した。



「お姉ちゃ~ん!何してるの?」


露店に尋ねてきたのは妹のサナだった。サナの装備は少し重そうな金属製の鎧であり鎧の色は白でありよく似合っていた。



「なにって自分で作ったポーションを売ってお金稼ぎ?」


「なんで疑問形?」


「だってまだ一つも売れていないから・・・。というかサナはそんな重そうな鎧を着てよく動けるね。」


「まあ装備軽量化スキルのおかげでそんなに重くはないよだいぶ重さが軽減されてるからね、後最初にもらえる『奇跡の鈴』ってアイテムのおかげで優先度の高いMINDのポイントを全て優先度の低いSTRに振り分けているからってのもあるんだけどね。」


「優先度って何?」


「優先度はレベルアップしたときに一番伸びの良いスキルの事だよ。『奇跡の鈴』は一番優先度の高いステータスのポイントを優先度の低いステータスポイントと入れ替えることが出来るできるアイテムだよ。」


「優先度が同じだった場合は?」


「その時はプレイヤーが選択できるよ。因みに『奇跡の鈴』はレベル10までしか使えないよ。まあそもそも使う人は数少ないけど・・・。」


「どうして?」


「だってわざわざ優先度の高いステータスポイントを他に振る理由がないもん、その種族にあった戦い方をすればいいだけだしさ。」



確かにサナの言うとおりだ、わざわざ自分の種族の苦手とするところに高いステータスを振る必要はないそれにプレーヤーにはSTPも与えられているのだからそちらを振り分ければ済む話なのだ。


あれでもサナは「奇跡の鈴」を使っているっと言っていたなぜだろう?



「ねえ、サナはどうして奇跡の鈴を使っているの?」


「私はβのときもエルフでやってたんだけどその時STPだけじゃSTRのポイントが足りなくて困ったから今回は最初にこのアイテムでポイントを振ろうと考えたんだよ。」



どうやらサナはβの時の経験を生かして「奇跡の鈴」を使っているようだゲームの事を真剣に考えるのはいいがそれを現実世界でも生かしてほしいものだ。



「ところでサナは此処で何やってるの?パーティーメンバーのみなさんは?」


「うん?私?私は狩りの休憩とポーションの補充かな。パーティーメンバーの人とは別行動中だよ、この後合流予定だけどね。」



 サナはどうやら友達とパーティーを組んで狩りに行っていたが、回復アイテムが足りなくなって補充しに来たようだった。友達とは一旦分かれて別々の露店を回っているそうだ。



「そんなにポーション使うの?」


「うん、回復魔法で回復もできるけど今はMP回復アイテムを入手できないからポーションがないと長い時間の狩りができないの。」


「そっか、じゃあ需要が高いうちに売った方がいいのかな?」


「じゃあお姉ちゃん、ポーションあるだけ売ってくれない?」


「え、全部?」


「うん、ぜ・ん・ぶ♡」



(全部かぁそれは結構きついかな、まあまた作ればいいんだけどさぁ、一人の人にたくさん売るのは好きじゃないんだけどサナならいいか。)



「じゃあ、今回だけ特別に全部売ってあげるよ。」


「ありがとう、お姉ちゃん。」


「ただし、ちゃんとパーティーメンバーで分けるんだよ。」


「は~い」



わたしはそう言うと置いてある20本の他にストレージからさっき作った20本を取り出して露店に並べた。



「わたしが今売れるのはこのぐらいかな?」


「こんなにたくさん?」


「まあ、わたしは素材さえあればいつでも作れるからね」


「じゃあ1本200メルで買い取るから、40コで8000メルでいい?」


「え?200メルでいいの?わたしは150メルで売ろうとしてたのに。」


「うん、普通こんなにまとめて買うことができないから200メルでいいよ。」



わたしはサナにポーション40本を渡し8000メルを受け取った。



「ありがとうお姉ちゃん。」


「あ、そうだサナ、1つ聞きたいことがあるんだけどいい?」


「いいよ。なに?」


「今日広場の方がいつもよりにぎやかだったけど何かあったの?」


「ああ、それなら珍しい種族の人が見つかったみたいだよ。」


「珍しい種族?」



(なんだろう?もしかしてわたしみたいなユニーク種族の人が見つかったのかなあ。)



「うん、歌姫ディーバっていう種族なんだけど、なれた人が少ない種族みたいだよ。」


「そうなんだ。」



(どうやらユニーク種族ではないみたいだけど少ないってことはかなりレアな種族だよね。)



「種族の特徴は歌で味方を強化したり、楽器の演奏で回復したりできることかな。」


「ってことは支援型の種族?」


「そうみたいだね。詳しい話知らないけど<固有スキル>の影響で歌や演奏などの支援魔法が強化されている代わりに攻撃魔法が弱体化してるみたいだね。」


「じゃあ、ソロじゃなくてパーティー向きかな?でも攻撃が弱体化するならどこのパーティーも欲しがらないんじゃない?」



わたしは疑問に思ったことをサナに聞いてみたところその返答はすぐに返ってきた。



「ううん、そうでもないんだよ。歌姫は攻撃魔法が弱体化するけど支援能力が上がって私達がかける支援魔法より効果が高く持続時間が長いんだよ。おまけに歌唱スキルを持ってるとMPが減りにくくなるし、歌ってる間ずっと効果がさらに上がるから。狩り効率が良くなるって大人気だよ。」


「そうなんだ。」



わたしとサナはその後少し雑談しフィールド攻略のアドバイスをもらい別れた。



 わたしはサナが帰った後ポーションを作るため西の森へ行き材料を採取してポーションをできるだけ作りそれを露店で売る行為を続けていた。その間に戦闘も少しやっていたのでおそらくスキルレベルが上がっているだろう。



 西の森で採取、ポーションを作る、ポーションを売る。その行為を4日ほどやっていると次第に買ってくれるお客さんが増えてきたり何度も買いに並んでくれる人がいた。


 最初はポーションを150メルで売ろうとしていたがそれだと安すぎると多くの人が言ってくれたので、通常ポーションを150メル・回復度が高いポーションはポーションを200~250メルで売っていた。



また途中からポーション回復度が40%近くの現在判明している中でも一番高い回復追加効果のポーションを作ることが出来た。はじめはまぐれで制作できる程度だったのだが、3日目以降は狙って安定した量を作ることが出来たので、販売を開始した。


値段は今までのポーションより高い400メルで販売していた。

 

この時、他プレイヤーの間では効果の高いポーションを売ってくれる美少女の噂がLROの中で流れお客さんを大量に増やしていたことをルカは知らなかった。またひそかにファンクラブまで結成されようとしていた。



 4日間の総売り上げと狩りでの稼ぎは、ポーションの販売個数が300個200メルで販売していたポーションが200個250メルのポーションが150個400メルで販売していたポーションを70個売ることが出来た。


4日間の総売上は150万メルを超える金額になっていた。最初は80万メルを超えたあたりで辞めようとしたのだが、多くのプレイヤーに辞めないでくれと言われてしまい泣く泣く続けていたらいつの間にかこんなに稼いでいたというわけだ。

正直この大金は身に余るので現在は使い道を考えている。

 

因みにこの時トッププレイヤーはルカのポーションのおかけで効率よくレベル上げを行ったり、フィールドボスに挑んで経験を積んだりしているのであった。

 



だが、正式サービス開始からおよそ1週間が経過したがどのパーティーもまだエリアボスを倒すことができず。第二の町ターニスに進めていなかった。




サナ「お姉ちゃんなんで露店閉じちゃったの?」

ルカ「必要金額を稼ぐことが出来たからねもともとはもう少し早くに辞めるつもりだったけど」

サナ「次はいつ露店を開くの?」

ルカ「さぁ?」

サナ「さぁって」

ルカ「結構稼いだから当分は開くつもりはないよ」

サナ「また今度開いてよね、今度は私のパーティーメンバーも連れて行くから」

ルカ「まあ気が向いたらね」

皆「次回もお楽しみに」



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