表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
果てなき航路を進む為に  作者: 高災禍=1
5/23

第005話 『タダで助けるわけにはいかない』

よろしくお願いします

 冒険者達は、戸惑っていた。薬草の採取の帰りにいきなりゴブリンに襲われたからだ。そして奇襲された一人の壁役が大きな傷を負って、戦線が瓦解した。他にもまた奇襲されるか分からない為、迂闊に動けない。最悪の場合には、壁役を見捨てて逃げる必要もある。


 「俺を置いて先に行け!」

 「傷を負ったお前を置いていけるか!」


 今現在此処に居るのは、剣士と壁役、あと魔法使いと弓使いの4人組とゴブリンが数十匹。ゴブリンには奇襲役が数匹居る可能性があるので、冒険者達の生存は絶望的だ。


 「ここでお前を置いて行けない、これはお前以外のパーティーの総意だ!」


 このパーティーは、此処で死ぬ気らしい。しかし、みんなで生き残ろうとする気もあるらしい。


 「意見を変える気は……無さそうだな」

 「あぁ、みんな覚悟を決めた」


 その時、


                ガサッ。


 冒険者達とゴブリンの群れの間の木が揺れた。


 「な、奇襲か!」

 「ギギャ?」


 ゴブリン達にも心当たりはないらしい。そうしてその木から、人影が現れた。


 「さぁ冒険者達よ、助けて欲しければ童の頼みを叶えて貰うぞよ」


 その人影は、和服を着た少女だった。冒険者達と歳がそう変わらなさそうに見えた。とても荒事に向かなさそうだ。それを見た冒険者達は、声を荒げた。


 「おいそこの女子、死にたくないなら早く逃げろ!」


 だがその少女は、呆れ呆れに言った。


 「童の話を聞いてたかの、助けは要るかと聞いたはずじゃが……」


 その時、少女の背後からゴブリンが襲って来た。恐らく、奇襲用のゴブリン達だろう。そのゴブリン達は、成功した顔をしていた。


 「あっ、危ない!」


 冒険者達のその言葉は、もう遅かった。何故なら、



   襲って来たゴブリン達の頭が無くなっていたからだ。



 「こんなもの、奇襲に入らないぞよ」


 その少女は、片手を振るった。そしてゴブリン達のだろう、血油が飛んだ。


 「さてもう一度聞くぞよ冒険者達、


                童の願いを聞く代わりに助けは要るかの?」


 その問いにリーダーの少年は即答した。


 「俺達に出来る事はするから、助けてくれーー!」


 少女は笑って、こう言った。


 「契約成立じゃ」


 そう答えた後にもう一人の人影が姿を現した。その人物は、黒いメイド服を着ていた。


 「はよ、あいつらを狩るぞよ」

 「了解しました」


 こうしてゴブリン達は、数分も経たずに全滅した。その姿を見ていた冒険者達は、こう思った。


 あんな人達は、何を頼むつもりだろうと。


 そんな言葉を思った直後、背筋が寒く感じた。





 


 ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ