第003話 『正々堂々と正面から暗殺してやる』
よろしくお願いします
突入する準備は、終わった。ならば後は、戦って勝敗を決するしかない。
「では、起動するかの」
腕環と足環に精神を集中させる。するとそれらは、形状を変えた。それは、獣の腕と足の様だった。だがその色は、白銀の色をしていた。レティシアのは、特に差はない様に見えるが、禍々しい雰囲気は伝わってくる。
そうして二人は、扉を開けた。
足を踏み入れて少し進むと、魔法陣は輝き始めた。
現れたのは、鎧武者だった。黒い鎧を身に纏い、片手ずつに巨大な斧を持っていた。役者は、全員揃った。ならば、あとは戦うだけだ。
「突撃じゃー!」
こうして、戦いの火蓋は切って落とされた。
♦ ♦ ♦ ♦
レナはその身に任せ、敵に突撃した。対する鎧は、それを迎え撃った。
「あら、私も忘れてもらっては困りますよ」
だが、その前にレティシアによる火球が鎧に直撃する。鎧からしてみれば、敵が来たかと思ったら目の前が煙で覆われたしまった。ならば、次の鎧の攻撃は予想がつく。
大振りに振り回すことだった。
だがレナは、その時には既に背後にいた。そしてその拳は、鎧の背後に直撃した。
「予想よりも少し硬いのぅ」
スキルなしでこの感触、あまり好ましくない。
「ならば、スキル込みでより攻撃すればよい!」
レナは、スキルを加えて追撃をする。
鎧は困惑していた。いきなり攻撃力が上がり、そして見え辛くなっていたからだ。ちなみにこの現象には、当然理由がある。それは、スキル『暗殺拳』とプレイヤースキルである。暗殺拳は、当たる拳を認識できなければダメージは2倍になるスキルだ。それに加えてレナは、相手の認識から外れるように動いてたからだ。だが実際は、かなり難しい。
その鎧は、段々と傷が増えていった。そして鎧は勝てないと悟った。ならば狙うのは,着々とダメージを与える後衛だ。
鎧はレティシアの方に向かって行って、斧を振るった。
だが、
「甘いですわ!」
レティシアは相手の懐に入って、攻撃を受け流した。そしてそのまま、相手を壁へ投げた。その時、鎧は困惑した表情をしていた。
「主に教えて貰ってた投げ技が役に立ちました」
そうゆう事らしい。
鎧は再度攻撃しようと動こうとすると、目の前を影が覆った。その正体は、レナだ。鎧は最後の抵抗に不十分な体制から斧を振るった。 だがそれよりもレナの方が速かった。
「チェストー!」
鎧はその衝撃と壁と今までの傷により、
ガシャン!
砕け散ったのだった。
ありがとうございました。