第010話 『ダイナミック外出』
よろしくお願いします
レナ達が寝静まった時と同時刻。見張り役の人達は、暇そうにしていた。
「あぁ~、暇だなぁ~」
「おい、警戒を怠るなよ」
「大丈夫ですって、どうせこの辺りはゴブリンしかいないですって」
「万が一というものもある」
そうこう話し合っている男達だが、不思議と油断はない。表情もからかって、苦言を言い合っている感じだ。さすがに夜中の見張り役を任されているだけのことはある。
「何ですか、この声?」
「どうした?」
「いや、唸り声が聞こえたような……」
「俺には、聞こえてなかったが」
二人の男は辺りを探してみると、大きな黒いオーガがいた。だがついさっきまでは、そこには何もいなかった。そこの場所では黒いオーガ以外、何も変わっていない。
そして黒いオーガは、こちらに向かってきた。
「おい、急いで報告をしろ!」
「無理です、アイツの方が断然…………グァ」
だが報告に向かうより前にソイツは、見張り役の一人を叩きのめした。そしてその目は、もう一人の方を向いた。まるで次は、お前だというように。
「敵が来たぞーーーーーーーー! ガァ!」
だがその男は、一矢報いた。叩きのめされる前に、勝てないだろう敵が来たことを伝えることが出来たからだ。
しかし世の中には、こんなことわざがある。
『現実は、無情である』
♦ ♦ ♦ ♦
人々の悲鳴が辺りに響く中、レナ達はよそよそと起きた。
「何じゃ、この悲鳴はのぅ」
「何かあったのでしょうか?」
「一旦、外へ出て、確認してみるぞよ」
「了解しました」
レナ達は窓からダイナミック外出をした訳だが、そこに広がっていたのは人が大量に倒れていた。倒れている人達を見ていると、気絶しているだけで誰も死んでいなかった。
周囲の倒れている人達を見ていると、見たことある人がよろよろと歩いてきた。
「あっ、アンタ達、大丈夫だったかい?」
「さっきまで寝ていたぐらいに大丈夫だったぞよ」
その言葉を聞いたユーラは、大丈夫だった事に喜べばいいのか、さっきまで寝ていた事に呆れればいいか悩んだ顔をしていた。
「それで何かあったかの?」
「逃げなさい」
「何じゃと?」
「アイツが来る前に……」
森に居た時は、そこそこなモンスターは居なかった。今、現状で一番可能性が高いのは、だれかが呼んだことになる。
(まぁ、童の『気配感知』をすり抜けるとなると、苦戦するじゃろうなぁ)
そんな奴と戦うには、もう少しこの体での戦闘経験が欲しいところだ。
「そういえばじゃが、さっきから居る奴は何じゃ?」
「えっ、きゃぁーー!」
そこにいたのは、大きな黒いオーガだった。
ありがとうございました。




