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第四話 『転入生は・・・』

俺は『異常』に気づいた。


「なんで………これしかいないんだ」


明らかに生徒の数が少ない。

教室に居るのは、3人。

今来た俺と瑞希、それにクラスメイトの美倉絵美理(みくらえみり)だけだ。

な〜んてな。

確かに生徒の数は少ないが、別に異常じゃぁないだろ。

たまたま遅いか………。まぁ、何だろうと美倉に聞けばいいんだしな。

なんて考えている所へ美倉は話しかけてきた。


「あっ、瑞希と空じゃん。空今日は早いね。ところで、二人は職員室の前通らなかったの?」

「なんで朝からそんな縁起の悪いとこ通らなきゃいけないんだ」

「うん、すごく同意する。てことは通らなかったんだね」

「で、職員室でなんかやってるのか?抜き打ちの通った者順テストとか」


軽く笑い口調で言ってみた。

普通に考えて何もなかったらこんな話題は振られない。

まぁ、たいしたことじゃないだろうけどさ。


「あぁ、やっぱこの人数は気になった?原因は転入生だってさ。それも超美少女。だからこれしか居ないみたい」

「お前は行かないのか?みんなが行くほどの美少女なんだろ?」

「あぁ、あたしそういうのパス。興味ないから」

「まぁ、だろうな」

「それに、うちのクラスらしいよ。だったら見に行かなくても見られるじゃん」

「うちのクラス?人数的に3組じゃないのか?」


うちの学校は人数が一番少ないクラスに転入生を入れるようになっている。

もともと少ない3組は、生徒が2人も転校したから一番少なく、転入生は3組のはずだった。


「わかんないけど私が聞いた話だとうちのクラスらしいよ」

「ふ〜ん。まぁ、どうでもいいけど」


転入生か………。

まさか、ね。

マンガじゃないんだからさ。

だいたいそんな美少女って程じゃなかったはずだ。

それにあれは夢だったんだ。日にちだって戻ってるんだし、間違いない。

なんて考えながら話していたら、予鈴が鳴り、転入生を見に行ったらしい生徒が一気に戻ってきた。

その中の一人、栖那が俺に話しかけてきた。


「んお、空?予鈴前からいるなんてなんかあったのか?」


まったく、どいつもこいつも………。

俺が早く来ると皆そう思うのか?

言っとくが俺は遅刻をしたことはないぞ。


「わかってるよ。でもお前いつもギリギリじゃん」


そう言われると言い返せない自分が悲しい。


「てか転入生の話聞いたか?すっっっっげぇ美少女だったぞ」


なんだそのタメは。

そんなに『っ』をつけなくても美倉から聞いたさ。まぁ、お前には縁がないだろ。


「なっ、俺だって頑張ればなぁ………」


なら、頑張ってくれ。

まぁ、モテルやつは頑張んなくてもモテルだろうがな。

そんなことより、今、俺が確認したいのは


「転入生がうちのクラスってのは本当か?なんで3組じゃないんだ?」

「結構知ってんなぁ………。なんか『前の学校で4組だったからどうしても4組がいい』ってその転入生が言ったらしいぞ」

「なんだそりゃ」

「知らねぇよ。俺だって聞いた話だから、事実かどうかも怪しいしな」

「ふ〜ん。あっ、そろそろ時間だな」

「ん?あぁ、もうそんな時間か」


俺たち担任は絶対に遅刻しない。

しかもスポーツ系の(確かラグビー)タイプの人間で怒らすと怖い。

おこると怖いくせに、短気。なんて迷惑な。


ガラガラ


景気よく、扉が開く音がする。そして、それと同時に本鈴が鳴る。

もしかしたら本鈴が鳴ってから扉が開いたのかもしれない。

つまり同時ってことね。


「席着けぇ。って着いてるか。んじゃあHR始めるぞぉ」


みんな担任の、チャイムと同時に突入攻撃に慣れたようで、席に座っているようだった。


「んじゃあ、みんな知ってると思うが大事な連絡がある」


『来た!』みないな顔を生徒のほとんどがしている。

栖那がムカつく顔をしている。体育のサッカーの時間にスライディングしようなんて思ってないぜ。ホントに。


「あー、みんな知ってるか………。まぁ、いいか。知っての通り転入生だ。入ってくれ」


『知っての通り転入生』って適当だな……。

なんて思っていたら本鈴後、二度目の音が教室に響いた。


ガラガラ


その音の後に教室に入ってきたのは言うまでもなく転入生だ。

そして黒板に自分の名前を書いた後、生徒側を向いて、自己紹介。まぁ、基本だね。


「今日からこの学校でお世話になる長谷部紅美(はせべくみ)です。よろしくお願いします」


俺のこの落ち着き具合で分かってくれるだろうか?

やはりというか、当然というか、あの女ではないようだ。

だが、俺は1つ気になる。そこまで美人には見えない。

いや、可愛くないって訳じゃないんだが………。

なんて言うか、生徒のほとんどが見に行くほどじゃぁないかと思える。

人違いって訳じゃぁなさそうだ。周りの生徒の顔がそう言っている。


「あー、席はあそこの休みの生徒の席に座ってくれ。明日には席を用意しておく。それと、わからないことがあったら言ってくれ。まぁ、うちの学校は何も特別のことはないけどな」


そう言って担任は軽く笑った。

普通最初に用意しておくだろ。まぁ、これが担任曰く、ラグビークオリティだな。

かなりいらないクオリティだ。

ちなみに、当然ながら転入生の席は俺の隣なんかじゃあない。

俺の席の近くは間違いなく満席だ。誰も入りようがないね。まぁ、多少残念なのはこの際忘れよう。

てか、今うちの担任、学校にケチつけなかったか?


「あー、それとだなぁ………。あー、………お前ら聞け、成績落とすぞ」


担任岡部のこの一言で教室は静まり返る。後半のそのセリフは教師としてどうなんだ?


「実は転入生はもう一人いるんだが………。あー、確かトラブルで遅れるそうだ。来たら紹介するから、そのことも頭に入れておくように」


生徒がそうとう驚いているようだ(当然俺も、な)。

それもそうか、美少女転入生(正直俺はそう思ってないが)が来たと思ったら、まだいるなんて、これはたとえ孔子だろうと取り乱すさ。


「あー、時間だ、HR終わりぃ。各自、次の授業の準備を怠らないように。以上、号令」


クラス委員の号令が言い終わったところで転入生、長谷部紅美を多数の生徒が取り囲んだ。

あ、誤解を生まないように言っておくが、別に襲うわけじゃない。

お決まりの質問攻めだろう。

人数がやたらと多いと思ったら、他のクラスの連中までいやがるぜ。ご苦労なこった。

俺は………寝る。早く起きたせいでやたらと眠い。

そして、俺が夢の中に突入するには、そう時間がかからなかった。




さて、転入生です

そしてまさかの無関係


でも、もう一人いるみたいですけど


いや、でも正直完全に無関係だと進まないですけどネ



さて

それではこれからも『死神見習い中☆』をよろしくお願いします


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