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今川転生伝 〜41歳のおっさんだけど異界に転生したので、れっつ☆えんじょい。なのじゃ〜  作者: テト式
第5章 日焼けの跡がジンジンしますが、とりあえず活動を開始します。
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73話 貴族の考える事はわからない!


 私はメリア・アゼダハラ。少し前まで貧困街にいた。


 本当はメリアじゃない。でも拾われた時に捨てろって言われた。


 まぁ現に売られたんだけどね。半年分の金と酒樽で。


 結果的に言えば、私は売られて正解だったのかもしれない。


 それからというものの、黒エルフのメイドから「貴方は捨てられたんだ、売られたのよ」等と言葉責めを食らう等をされたけど、飯は美味いし寝床はふかふかだし、風呂はほぼ毎日入れるわ、実は太らせて喰う気なんじゃないかと思うくらいに、良い生活をしてる。


 まぁその分、勉強がキツいし、何故か体を鍛える為だと素手で殴る真似だの槍だの棒だので殴る訓練をさせられる。


 貴族って普通剣使うんじゃないの?? 良く知らないけど。


 特にお嬢様……オドレイ様は背中に変な剣(刀というらしい)を背負ってるんだし、それの訓練とかしなくていいのかと聞いてみたら


 「これはあんまり使った事ないから気にしなくていいのじゃ」

 だと。


 食わせてもらってる身分だけど、随分と変な貴族だと思う。


 そういや、私のダチが一時期居なくなったと思ったら表通りのこじんまりとした飯屋の店員になってたけど、なんとオドレイ様が手掛けた店らしい。


 城で余った残飯を再調理して客に喰わせる、中々ケチくさい商売らしい。

 正確には、オドレイ様の魚の糞になってる緑の女が経営している事になってる。


 私、あいつ嫌い。


 まぁでも、見るからにカタギの子だから一応好きにはなれると思う……というか黒エルフのメイドは何者? 明らかにカタギじゃない。噂の死神の医者が本当に居るとしたらあんな感じなんだろう。


 と、ここまで言ったはいいけど、そんなオドレイ様と緑の子、ヤバイ黒エルフメイドは普段は学園の方に住んでいるらしい。

 今は冬休みらしいので、そのオドレイ様の婚約者のマウテリッツ様の屋敷に泊っているらしい。

 私も普段はそこの奥深くの部屋を宛がわれている。


 明らかにこの部屋。愛人だの攫った女を監禁したり軟禁したりする部屋でしょ!ここ!!

 家具だの装飾で辛うじて普通の部屋を演出しているけど、窓が1つもない事からそういう用途の部屋なんだろうなと思う。


 と思っていたら本当にそうらしい。中古で買ったら図面にない部屋があったから調べたらここがあったそうな。

 マウテリッツ様はそう笑いながら言う。ちなみに前の持ち主には『そういう噂』はないとの事だから安心するといいとも笑っていた。


 これだから貴族ってのは……と思う。



 まぁそんなわけで私はいわゆる貴族様の生活って奴を学んでる。


 いやぁ貴族のご飯すごいね。


 うちのあの親父、ああ見えて船乗りだったからレモンの汁をかけてる食事が多かった。

 というか、肉にはレモン汁を掛けるものだと思っていたからレモン汁を掛けない肉料理は初めて食べたかもしれない。

 その話をしたらやっぱり驚かれた。けどあの黒エルフは


 「なるほど。それは壊血病予防の為の食事ですね。船乗りは当たり前のようにとる風習です」

 と言っていた。


 カイケツ病、解決病? よくわからないけど、歯がもげて血が止まらなくなる病気を防ぐ為らしい。


 親父の話だと、大昔の船乗りの船長がレモンが大好きでいつも樽単位で船に積んでいたが、ある日嵐に会って漂流してしまったそうな。長い間船の上での生活でさぞ病気が酷かったであろうと思われていたが、救助された時には腹が減っていた以外は特に病気もなく比較的元気だったそうな。当然、飯にレモンの汁を掛けていたからである。

 これを受けて船乗りたちはレモンをこぞって持ち込んで飯にレモン汁をかけだしたそうな。


 あ、飯っていっても陸みたいな米じゃなくて焼き固めたビスケットとか揚げ物とかそういうのな。


 「なるほどのう。通りでレモンに関する物語や菓子が多いのかじゃ」


 オドレイ様はそう言って納得する。

 オドレイ様の口調がおかしい気がするがテルティバ地方の方言らしい。あまりその事で弄ると黒エルフメイドに口の穴を増やされてしまう。

 

 それにしても、オドレイ様とマウテリッツ様の関係は……ラブラブ度合いは凄まじい。

 もう結婚しちゃえよと言いたい。いや、結婚予定なんだけど。


 マウテリッツ様の顔は……その、あまりいい方じゃない。

 どちらかというと街の酒場でいそうな酔っ払い……どころか貧困街スラムに居そうなゴロツキの類だ。


 でも、そこはやっぱり貴族なんだなと思う。ゴロツキとは根本的に何かが違う。

 

 少なくとも、私の買い取りの時にしっかり対価(半年分の資金と酒樽1つを『しっかりした対価』と呼ぶかは別とする)を払っているのを見るに、いわゆる悪い貴族みたいな力で好き勝手する奴とも違う。


 「筋は通すさ。それが俺の流儀だ」


 そう、どこか悲しそうな顔で語るマウテリッツ様。




 その顔から一変して、急にオドレイ様を愛する顔に変わるのだから、やはり貴族の考える事はわからない。


 明日もオドレイ様の影人かげびとになる勉強が始まる。


 つづく。

ずいぶんと遅くなってすみませんでした。


次回から新章開始です

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