54話 海に行く支度をするのじゃ!
さてそれからしばし状況確認の為にヴィヴィアーヌやサシャと会話をする事となった。
聞けば現世においてもこの歳あたりには女子のような格好をするのが風習であるらしい。
前世では幼い男子に女子の姿をさせる女装の風習はある。
現世では前世よりも医療や薬が発達しているものの、やはり子供が死ぬ場合が多い。だから大病もなく元気に育った私とクラリエルとヴィヴィアーヌは凄いのである。
そんな訳なので女装をさせて病魔から守るという風習がここにもあるのである。
なんというか。その。血が繋がっているのだが、その……
前世だったら稚児にしたい。と感じてしまった。
いや、実際サシャは6歳なので稚児なのであるが、前世においての稚児は剃髪しない少年修行僧という意味にも使われる。ちなみに禅においては喝食ともいう。
うん。要するに、自分が男だったら小姓もとい従者兼護衛にして甘い夜を過ごしたい。そういう事である。
いや、それなら以前、学園内でクラリエルと話していた男子学生と同じ処遇なのだが、しかしてサシャの場合はその体的に小姓にしたいというよりも稚児にしたいと思ってしまうのである。やはりそれはサシャが稚児であるからだと思う。
さて、久しぶりに色々と熱く語ってしまった。
その後、どうにか潮浴もとい海水浴の話に移る事ができ、ヴィヴィアーヌとサシャの二人がついて行くこととなった。
その際に、母上が顔を突っ込み、護衛や支度のメイド達や食事の為の料理人達等、様々な職種の者が必要であると聞かされた。
結局人数は50人程になる。泳ぐのは私を入れて、クラリエルにオレイユ。ヴィヴィアーヌ、サシャ、オデッタ、ヴァレリー氏、木幡三城殿の8人……否ヴィヴィアーヌ以降プラス2になるので18人程。マウテリッツ殿を入れれば20人超えそうである。
当日は晴天を選んで行くので、泳ぐ者以外にも従者たちの具合が悪くならないか心配である。倒られるとこちらも中々大変であるからである。
さて、そうこうしている内にそろそろ夕食の時間である。以前にもちょくちょく帰って来たので夕食を食べる機会はあったが、夏休み期間とあればいつもより楽しみなのである。
つづく
稚児とは幼い子供の意味ですが、仏教においては少年修行僧という意味があったそうです。
そして、男しかいないお寺で二人きり…何も起こらない筈もなく…と言った感じです。
ショタや男の娘が居れば、そりゃ。うん…
そんな訳で次回は1週間後の3月17日の予定です