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今川転生伝 〜41歳のおっさんだけど異界に転生したので、れっつ☆えんじょい。なのじゃ〜  作者: テト式
第3章 学園は恋をする場所ではありませんっ!
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49話 クシャミが止まらないのじヤアッックションン!!


 「オドレイ様の身体の様子が変ですって?」


 「はいっ。鼻や喉が痛くてクシャミが止まらなくて、あのっ」


 別室で料理の確認をしていた私に、クラリエルが血相を変えてやってきた。


 「落ち着いてください。クラリエル様。意識はあるんですか?脈はあるんですか?」


 「えっ。あ、はいっ。意識どころか普通に動けるんですが、でも、何かがおかしいんですっ」


 しかし何かがおかしい。


 聞けば、先ほどから喉や鼻に痛みがあり、クシャミが止まらないと言う症状が出ているとの事だが、そのような症状は聞いた事がない。


 「とにかく、すぐそちらへ行きます」


 「ごめんなさい。上手く説明できずに……」


 クラリエルが大変申し訳なさそうに頭を下げる。


 「いえ、通常の人が病状をうまく説明できないのはよくある事です」


 そう言ってオドレイ様の処へ急ぐ。


 幸い、既に料理はできていて、最早毒見の段階であった為に簡単に席を外す事ができた。



 ———————————————————————————



 「お〝お〝、オレイユカッシュンンン!!!」


 出会い頭にクシャミが起こる。幸い本人もつばが飛ばないように顔を伏せる。


 オドレイ様は席ではなく、近くのソファで休まれている。近くで蠣崎国からの留学生が顔を青くしながら就いている。


 幸い、特に泡を吹いて倒れたとかそういう訳ではない為、ちょっと気分が悪いから休んでいる。というていでいる為、他の人間は大テーブルで食事をしている。呑気なものである。



 「……声が変ですね。クシャミもずっとこの調子ですか?」


 冷静に、状況を確認する。


 「は、はい。先ほどからクシャミが止まらず……」


 留学生はそう告げる。


 これは……。と考えてしまう。


 「……オドレイ様は何かを口にしましたか?」


 「いえ、何も。料理が運ばれる前にこのように……」


 「木幡殿の言う通りじゃ。私は何もッックッシュンンンン!! ……食べておらん」


 オドレイ様はクシャミをしつつも答える。


 「ただ、蕎麦の実を触って弄っただけじヤックションンンン!!アーキツイノジャ」


 「蕎麦の実? 先ほど確認したあの植物の種の事ですか?」


 「はい、その植物の種です」


 私の問いには留学生が答える。それと同時にクラリエルが小さな袋を差し出してくれた。


 袋を受け取り、再び中身を検める。


 「……先ほどの種ですね」


 先ほどと同じ種である。試しに食べてみる。……やはり美味しくない。


 なんでもこれを砕いて粉にして麺状にした物を食すらしい。というか、現在厨房で茹でているらしい。


 美味とされているが本当に美味しいか甚だ疑問である。否、パスタのような物であるなら、今の私は小麦を舐めて美味しくないと言ってるに過ぎないのでどうなるかは分からない。


 いけない。いつもの悪い癖で脱線してしまった。


 「あの、オドレイ様。他に症状は?」


 「ィッックション!! 喉が……イガイガするし、このように何やら声が風邪を引いたようにゼェゼェと掠れるような声になっておるのじゃッックションン!!!」

 

 くしゃみをしながら答えるオドレイ様、苦しそうである。


 「……あのオドレイ様。先ほどから腕が痒そうですが」


 「え?」


 どうやら無意識のうちに腕を掻いていたようである。


 その光景に思い当たる件が一つだけある。



 「オドレイ様、失礼しますっ」


 即座にオドレイ様の腕の服を捲る。




 「酷い……!!!!?」


 捲った瞬間、悲鳴にも似た声が皆からこぼれる。


 オドレイ様の腕には、皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がる症状、通称ジンマ疹が出ていた。


 


 つづく。

注意・蕎麦アレルギーの描写に一部誤りがあります(くしゃみの症状は出ないようです)が、作中の行動からこのような描写になった事をここで謝らせて頂きます。


蕎麦アレルギーについての正しい詳しい情報はこちらの方を参照いただければ幸いです。

ttp://byoutaieiyou.e840.net/20090704.html


次回は13日を予定しています。

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