67.卑怯と言われようとも
お久しぶりです。
改稿が終わったので、今日から不定期で投稿を再開しようと思います。
だいぶ変わったところはありますが、基本的な流れは変わってないはずです。
待っていただいた方はありがとうございました!
『どこにいった!?』
『あの一瞬で消えた!?』
レクトが消えたその様子を、試験監督のロディとオーラは上空から見ていた。
「今年も例年通り始まったな、集団での1人狙いが。」
「そうですね〜、あんな魔法を見せられたらそうしたくもなりますよね〜。」
「毎年一回はあるが……やはり見てて気分のいいものではないな。」
そんな話をしていると、遠くで1人の受験生がいきなり倒れ、そこから赤髪の少年が現れる。
「風盾、風動。
この受験生もかなり強いはずなんだが……確か、レクトと言ったか。
あの透明化がかなり凶悪だな。」
「そうですね〜、あの透明化はおそらく魔道具によるものでしょうけど〜、うまく使いこなしてますね〜。」
倒れた受験生に保護魔法をかけて、風魔法で結界外に出しながら呟いたオーラの発言に、ロディもコクコクと頷く。
「いくら魔道具に制約やデメリットがあっても、このままでは試験が成り立たないな。
透明化の代償となればかなりの物を支払っているはずなのだが……」
「やっぱり来年から実技では魔道具を禁止したほうが良さそうですね〜。」
そんは話をしていると、何人かが結界の隅にいたレクトに気が付き、魔法を放つ。
しかしレクトはそれを風魔法で受け流し、3人の腹に正確に風球を当てて、いとも簡単に3人の意識を奪った。
「風盾、風動。
とはいえ、魔法のコントロールが上手いのは事実だな。
ロディ、試験終了まであと何分だ?」
「あと10分ちょっとってところです〜。」
残っている受験者達は残り100人くらい。
レクトは初手は潜伏を選択していたため、このまま的が壊せなければ評価はもちろん最低になる。
「今は木などの障害物を使ってうまく避けているようだが、果たしてそれがいつまで続くのかだな。」
「そうですね〜。」
2人はまだ気づいていなかった。
すでに受験者達は、レクトの手のひらの上にいるということを。
**
(……これ、作戦って言っていいの?)
[対複数において、人の心理を利用することは当然のことだと考えます。]
今、僕はフィールドの端っこで、僕を倒したかどうかで疑心暗鬼になっている集団の動向を見守っている。
(まあいいか。
いくら卑怯だって言われても、先にチーミングをしたのはあっちだしね!)
僕は今、少しムカついている。
この魔力泥棒の杖のこともそうだが、映した魔力壁、風跳、幻鏡のコンボでなんとか脱出してきたあの戦場では、戦いが起こるどころか僕を先に倒そうと捜索隊が組まれているのだ。
(これはどうなの?とさっきまでは思っていたけど……そんなに僕を倒したいなら、正面から受けて立ってあげるよ。)
僕は隠れていた木の上に器用に登ると、時間をかけるフリをしながら火槍を映し出す。
それを草が生い茂る地面にぶつけると、たちまち火の手が広がり始めた。
「さらにこの木だけは燃えないように、映鏡!」
映し出したのは風刃。
その刃は綺麗に木の周りにある草を全て切り裂き、綺麗な黄緑の草地だったはずの場所は、茶色い地面の平地になった。
「これで草に燃え広がることもないし……始めようか。
風刃!」
僕はその魔法を、ひたすら唱え続ける。
すると的は壊れ、受験者達も次々と脱落していく。
僕がやっていることは簡単。
ただ植物へ燃え広がる火で壁を作り、その火がこちらにこないように工夫して、後は上から射程の長い風刃で、試験の的と火の壁を突破しそうな受験者をスナイプしているだけだ。
たまにここまで届く魔法が飛んでくるが、基礎魔法である魔力壁を使って防いで、また風刃を撃ち続ける。
もはや試験場は襲いくる火の手によって阿鼻叫喚の地獄と化しており、試験はまともに成り立っていない。
結局そんなことを繰り返しているうちに試験終了時刻となり、試験は終了した。
話の流れをかなり変えたところです。
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