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第6話

―コールドウェル辺境伯領 リハンメル 冒険者ギルド―


「只今戻りました!」


 イリアさんとともに受付に向かう。


「お帰りなさい!ギルバートさん。イリアさん。

 少し遅かったですが何かトラブルなどはありましたか?」

「えぇ、スカルドラゴンに遭遇したわ」

「えぇ?!」


 受付のお姉さんが目を丸くして驚く。


「…すみません。つい、大きな声を出してしまって…。

 怪我などはありませんか?

 あと、どちらの方角に逃げて行ったかを教えていただけますか?」

「怪我はないわ。

 あと、倒したから討伐隊の編成は不要よ」

「倒した?!」


 受付のお姉さんが目を丸くして驚く。


「えぇ、ギルバートと私でね」

「…ちなみに討伐証明になる部位などはありますか?」

「ありますよ」


 そう言ってスカルドラゴンの爪、尻尾の尖端、牙、魔石を出す。

 受付のお姉さんは驚いて固まっている。


「……えーっと、ギルドマスターに確認を取って来ますね」

「わかりました」


 そう言って受付のお姉さんはそう言って裏に行った。


「…なぁ、聞き間違いじゃなきゃスカルドラゴンを討伐したとか言ってなかったか?」

「いや、聞き間違いじゃねぇ。

 しかし、あの|イリア・グリムヴァルド《トップエース》とはいえ、単独で倒せるようなモンスターじゃないだろ…?」

「ってことは、あの新人(ギルバート)もそれなりの実力があるってことか?」

「魔石を割ったと思ったら今度はSSランクモンスターかよ…。どんだけ規格外なんだ…?」


 先程から後ろでなにかひそひそと話し声が聞こえるが、よく聞き取れない。

 あと、イリアさんがなぜか少し誇らしそうにしている。


―――――――


 少しロビーで待っていると、奥からギルドマスターが出てきた。


「スカルドラゴンに遭遇したんだって?

 いやぁ…大変だったろう?」

「えぇ、でもギルバートが予想以上に優秀で助かったわ」


 こうして実力を褒められるのは素直に嬉しいな。

 

「ともあれ、2人共に無事で良かった。討伐経緯を詳しく聞かせてくれないか?」

「あなたから説明したら?」

「僕ですか?」


 イリアさんがいきなり説明役を任せてくる。

 どういう意図だろうか?


「今回の功労者なんだから、あなたがふさわしいわよ」

「ほう?それは興味深い……ぜひとも聞きたいね」

「あはは、と言っても細部はよくわからないので補足してもらうことになりますが…」

「そのくらいは想定済みだから遠慮は不要よ」

「わかりました。ではお話しします」


 そう言って、俺は戦闘の流れを話した。

 途中途中で補足や予測などを挟みながら、説明は順調に進んだ。


―――――――


 一通り話し終えた後、ギルドマスターは口を開いた。


「ふむ…つまりは君がトドメを刺したと?」

「そういう形にはなりますかね」

「すごいじゃないか!」


 ギルドマスターはとても嬉しそうな顔で拍手をしてきた。


「うちのトップエースの窮地を救うだけでなく、トドメまで刺してくれるとは…君には感謝してもしきれないよ」

「そこまで褒めていただけるとは…ありがとうございます」

「俺が見込んだ以上の実力だ。

 これならこの地域は将来安泰だな!」


 ギルドマスターは豪快に笑う。


「ありがたいですが、流石に買いかぶり過ぎですって…」

「…そんなことないわよ。私が認めたぐらいなんだから、少しは自信を持ちなさい?」


 イリアさんが少し恥ずかしそうに言ってくる。

 それを見たギルドマスターはなにかニヤニヤしているがなんだろうか?


「まぁ、2人共お疲れ様。討伐した報酬は出しておくから、後はゆっくりしてくれ」

「いいんですか?ありがとうございます」

「このくらい当然さ」


 まさか討伐報酬が出るとは。

 討伐依頼など出ていないだろうに、ありがたい話だ。


「あっそうだ。マスター、ちょっといいかしら?」

「なんだい?」

「私、ギルバートとパーティを組むことにしたから。今来てる勧誘は断っておいてもらえるかしら?」


 イリアさんの発言を聞いたギルドマスターは少し驚いたような顔をした。

 が、すぐに平常心を取り戻す。


「あぁ、後で受付にも私が伝えておこう。

 しかし…万年ソロだったイリア君を落とすなんて、君も中々やり手だな?」


 ギルドマスターが何やら含みを持たせて言ってくるがよくわからない。

 落とすって何のことだろうか。


「ちょっと、そんなんじゃないから…!」


 イリアさんは顔を真っ赤にして否定している。

 なんだか可愛い。


「さて、俺は仕事があるからそろそろ戻るとするよ。

 2人共、今日はゆっくりと休暇を取るといい」


 そう言ってギルドマスターはギルドの奥へと戻っていく。


「な、なぁ…あのイリア・グリムヴァルドがパーティを組むって聞こえたぞ…?」

「マスター以外には冷たい態度だと有名なあの氷姫が…?」

「あぁ、しかも相手はあの新人(ギルバート)だ」

「……本当、規格外にも程があるだろ…」


 なにか騒がしいがなんだろうか。

 まぁ、気にするほどの事でもないだろう。


「ギルバート、行くわよ」

「どこにです?」

「報酬受け取りよ」

「わかりました!」


 俺は、イリアさんと共に受付へと向かった。

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