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竜は静かに暮らしたい  作者: イエス・ノー
三章 旅
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後始末

反乱を起こした貴族が捕まるまで数日かかった。


待つ間にリリアの毒薬の効果がきれたので回復させる。ずっと動いていなかったため筋力が低下しているようだ。

リハビリは少しずつ行うとして、捕まった貴族は全員収容所にいるらしく辺境伯と皇帝も収容所へ入れることになった。


リハビリも兼ねてリリアの案内で収容所へ歩いていく。

見た目は石造りでいかにも収容所な感じで、中は廊下にそって鉄格子がはめられた牢屋がいくつもあった。


重犯罪人が収容される地下へ行く。

地下は薄暗くてジメジメしており、ところどころに苔が生えている。


一番奥まで行くと貴族たちが狭い部屋の中に押し込められていた。

彼らは私たちを見た瞬間叫びだした。


「ここからだせ!」


「貴族になんて扱いだ!」


「頭が高いぞ!」


「我らには帝国の後ろ盾がある!」


「その後ろ盾とはこいつか?」


公爵と皇帝を見せる。


「へ、陛下!?何をしているのです!?」


「いろいろあって私が支配している。牢屋に入れたら解くから安心しろ」


牢屋の扉を開けて放り込む。

開けた瞬間に逃げようとする者もいたが全部押し返した。


『支配解除』


「!?な、なんだここは!?」


「!き。貴様!神である余になにをする!」


「黙れ。お前らは神でも貴族でもない。死刑囚だ」


死刑囚といった瞬間、彼らは静まった。

が、すぐにまた騒ぎ出す。


「死刑囚だと!?そんな嘘に引っかかるわけないだろう!」


「そうだ!まだ裁判もしていない!それに証拠もない!」


「証拠ならある」


公爵に質問するときに録音しておいた内容を流す。


「なにかあるか?全員外患誘致または外患援助で死刑だ」


「え、援助で死刑はないだろう!」


「確かに外患援助の刑罰は死刑または無期もしくは二年以上の懲役だね。でもね、情状酌量の余地もないから最低でも無期だね。王国に問題があるから起こしたとかも通じないから」


今度こそ黙る。


あ、そうだ。


「リリア、襲撃者のことも聞くか?」


「ええ、聞いておきましょう。殺人か殺人未遂の凶悪犯ですので」


とりあえず全員支配する。


「今回の反乱に関わった者の名前を言え」


「はい。クルク・キャラ率いる『黒い爪』のメンバー全員です」


「だそうだ」


「暗部に伝えておきます。では裁判をしましょう」


支配を解いたあと裁判所へ連れて行った。


言うまでもないが全員死刑だった。孫が出る幕もなかった。


もちろん貴族どもはいろいろと喚き散らして控訴だ上告だと言っていたが王都の裁判が行われた裁判所が最高裁判所だったし、もし裁判を行ったのが高等裁判所だったとしても却下されていただろう。


後日、城の襲撃者たちは殺人または殺人未遂、過去にも様々な犯罪を起こしていたのでリーダーや幹部は死刑で手下たちは無期や懲役の判決が下された。


「あとは後始末だが、城を修復するのが先だな」


城は燃え尽きて残ったのは黒く焦げた瓦礫だけだ。


「魔法で直せばいいのでは?」


「これだけのものを完全に直すのは難しい。それにこういうのは国民にやらせるべきだ」


「ええ。大規模な改修工事で入れないとでも思って、しばらくは王族の屋敷で仕事をしましょう」


その後、国中から大勢の人が集まって予想外の早さで修復されていった。飾りなどはせず修復だけなら四か月ほどで終わるらしい。


魔法でも使っているのか、石材などが浮いて城を形作っていくのはなかなかファンタジーだった。


-------------------------


「国の直轄地にした反乱を起こした貴族の領地だが、そろそろ他の貴族に任せた方がいいな。管理費が嵩張る。それに裏社会のボスに近かった『黒い爪』が消えたことで裏社会で勢力争いが起きてるから何らかの事件が起きそうだな。あの情報屋に詳しく聞くか。あとは・・・」


城が修復されるのに四か月、そこから内装を整え、被害者の弔いと新たな近衛騎士団の編成や執事、侍女の募集などがすべて落ち着くまで三ヶ月かかった。


ちなみに私は反乱の鎮圧に多大な貢献をしたとして白金貨三百枚と『調律者』の称号をもらえた。なぜ『調律者』なのか分からないが。


今は手伝いとして城で行政の仕事をしているのだが、いまだに反乱のせいで仕事量が多くなっている。領地がもらえると言っても辺境のため欲しがる貴族があまりおらず、国の直轄地となっているため王都の行政に加えて辺境の行政までしなければならない。


前世の国会の時期に比べればはるかにマシなのだが。給料もかなりいいし。


「あの、辺境の領地をすべてもらう代わりに辺境伯の爵位が欲しいほしいという貴族がいますが、どうしますか?」


まだ若い青年が声をかけてきた。顔立ちが整っているからモテるだろう。

この青年は要領がよく仕事もできるので信頼している。


「その貴族の爵位と名前は?」


「マッシュルーム伯爵です」


名前で笑ってはいけない。

この伯爵は田舎の領主だが内政手腕がよく領民や国からも信頼されているので渡しても問題ない。

しかし・・・。


「反乱のせいで辺境伯は厳しい審査を通らないといけないからな。一回リリア女王に相談しないと決められないからしばらく待ってくれと伝えておいてくれ」


「分かりました」


区切りのいいところで書類仕事をいったん終わらせてリリアの元へ行く。


-------------------------


「失礼する」


「どうかしましたか、竜様?」


「マッシュルーム伯爵があの辺境の領地をすべてもらう代わりに辺境伯へ陞爵してほしいとのことだ」


「マッシュルーム伯爵ですか・・・彼なら信用できるので、一年間領地の管理を任せて上手く行きそうであれば領地の譲渡と辺境伯へ陞爵しましょうか」


「分かった」


「ところで竜様」


「なんだ?」


「学園に興味はありませんか?」


学園?

これで三章は終わりです。

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