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第二十六話:予知夢を見マッスル

第二十六話

 神埼シンシア、それは俺のばあちゃんの名前である。ハーフらしいがどこの国の血が混じっているのかは知らないし、興味もない。

 俺と死神、そして黒金さんと白銀で亡霊となったばあちゃんとたたかった。死闘だったと正直に言ってよかった。結果がすべてと思う人もいるだろうから過程なんてすっとばして結果から言おう。



 犠牲を払って俺たちは勝利をつかんだのである。



「いやぁ、睦月さん、私の筋肉パンチをお見せしたかったと思いマッスル」

「いやいや、白銀よ、わたしのボディービルバスターのほうが目に焼きつきやすいとおもいマッチョ」

 犠牲は非常に大きいもので、白銀は二メートルを超えるマッスルに、そして黒金さんも白銀のように二メートルを超えるまっちょになってしまった。あと、各自語尾に『マッスル』か『マッチョ』を付けるようになったのである。

「若様、これは一体どうしたんですか」

 家に帰りついた俺たちを見て睦月は若干引いていた。

「呪いだよ、ばあちゃんお得意の。サージさんはばあちゃんと相打ちになるような感じで連れて行った」

「ぎ、犠牲は大きかったんですね」

 俺の後ろにいる二人の筋肉を見上げながら彼女はため息をついていた。

「ふむぅ、これまで魔法やらなんやらに頼ってきたがこれからはこの筋肉一つで、押し寄せる敵をねじふせたいと思いマッチョ」

「それはいい考えですね。私も同感しマッスル」

 しゃべりながらポーズをとっているこの二人。どうしたら戻すことができるのだろうか。

「と、ともかく、家に入ってください。若様たちの疲れをいやすために様々な料理を作っていますから」

「はっはっは、それは嬉しい限りですね。私の筋肉もプロテインの補給を求めていマッスル」

「わたしもだ、白銀よっ」

 一歩歩くごとに大地が悲鳴を上げている気がしてならない。地響きだってしているし。



―――――――――



「なぜだ、なぜこの白米にはプロティーンがかかっていないのだっ。メイドよっ、お前は蒼疾にこのようなそっけないものを食べさせようとしていたのか」

「よ、よらないでくださいっ。そこまで筋肉付くと気持ち悪いですから」

「む、それは聞き捨てなりませんね、睦月さん。黒金さんの筋肉、そして私の筋肉を愚弄すると大胸筋で押しつぶしますよ」

「お、恐ろしい宴だな」

「若様、若様助けてくださいっ」

 二人の筋肉に挟まれて哀れな吸血鬼が俺に助けを求めていた。

「その辺にしておいてくださいよ、黒金さん。そんで白銀。あまり近づくと睦月が怖がりますから」

「それは心外だな。ああ、なるほど。わたしに抱きしめられたいがためにそうやって気を引こうとしているのか」

 黒金さんがいいそうだけど、今の黒金さんに絶対に言われたくないようなことを言われてしまった。

 じりじりと俺に近づくと一気に俺を抱きしめた。

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ」

「わ、若様ぁぁぁ」

「はっはっは、どうだ、わたしの胸に抱きしめられてうれしいだろう」

「あ、ずるいですよ、黒金さんっ。私も抱きしめマッスル」

「ぎゃああああああああ」



――――――――



「という理由で黒金さんと白銀は家にいるように」

 俺はサージさんの隣でそう言った。

「む、そんな夢を信じるのか」

「ま、マッチョになるわけないじゃないですかっ」

「とっても刺激的な夢なのね。でも、予知夢って意外とあるものよ」

 くすっと笑っているサージさんは置いておこう。変に構うと面倒なことになるし。

「でも、若様一人で不安だと思います」

「ダメ、絶対に来ないでっ。もうマッスルとか絶対にいやだから」

「むぅ、蒼疾がそういうのなら仕方ないな」

 黒金さんは引きさがってくれたのだが白銀はあきらめていない表情をしていた。

「せっかく黒金さんから魔法を習ったのにっ」

「あのな、身を守るために習っただけだろ。危ないから来るなよ。それに、一応説得しに行くんだから」

 そういうと三人は首をかしげ、サージさんは首を振った。

「無駄よ、説得できるような耳を持ってないわ」

「まぁ、ワンマン経営者みたいな性格しているのは認めますけど、一応俺はあの人の孫ですから」

「ふふ、どうかしらねぇ。ま、そろそろ行こうかしら」

「じゃ、行ってくるから」

「マッチョになって帰ってくればいいんですよ」

「若様、ご武運を」

「気をつけてな」

 不敵に笑うサージさん。そして、俺は墓地に旅立つことにしたのだった。


新たに評価をしてくれる方がいたようですね、ありがとうございます。しかし、今回の話で評価をもらえないのなら打ち止めですね。筋肉ネタ、大好きな人がいそうなものですが・・・。夢はでっかくボディービルダー、ふりかけ代わりのプロテイン。まぁ、筋肉見てうっとりする人はちょっと危ない人に見えて仕方がありませんけどね。

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