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そして二人は

月が明るく照らすバラ園で、私たちは見つめ合うように佇んでいた。


「よくわかったな、どうしてわかったんだ?」


「さっき会場ですれ違った時・・・先生の香りがしたから・・・」


「香り・・・?うーん今日も特に香水とかはつけてないんだけどな」


私は困ったように微笑みを浮かべると、彼の青い瞳を見つめた。


「エリック、学生がこのパーティーに参加するのは早すぎるんじゃないか?」


「せん・・・」


また先生と呼ぼうとする彼に、私は口もとに人差し指を当てると、


「私が先生だってバレるのは困るんだ、アレックスと呼んでくれ。」


エリックはなぜか慌てた様子で私から視線を逸らせると、顔を赤らめながら深く頷いた。


ふと彼の背後から、こちらに近づいてくる人影が見えた。

エリックの肩越しに、こちらに歩いてきている人影をじっと見つめると、先ほどパーティー会場で話しかけてきた仮面をつけた男がそこにいた。


まずい・・・。

私は咄嗟にエリックの手をとると、こちらに向かってくる男に、エリックの存在をアピールするように、エリックの腰へ手を添え、体を寄せた。


「今いいとこなの、邪魔しないでくれる?」


私をじっと見つめる男に、艷やかな微笑みを浮かべた。

すると男は苦悶の表情を浮かべた後、何か言いたそうな様子を見せるも、渋々といった様子で踵を返した。


ふぅ、よかった。

抱いていた腰の手を緩め、エリックから離れようとすると、彼が私の腰に回していた手に力が入った。

うん?どうしたんだ?

見上げるように彼に視線を向けると、真剣な眼差しをした青い瞳と視線が絡んだ。


「あー、いきなりごめんな。ちょっと会いたくない人が居てさ」


私は誤魔化すように笑った。


「アレックス・・・・さん」


「うん?どうしたんだ?」


エリックと見つめあっていると、彼の顔が徐に近づき、気がつくと口を塞がれていた。


私は突然の事に、慌てて彼の胸を強くおすがビクともしない。

必死にキスから逃れようと身をよじるが彼から逃げることは叶わなかった。

次第に彼は私を逃がさないようにと、抱きしめる力が強くなるにつれて、口づけが深くなっていった。


「うぅ、うふぅ・・・っ」


少し離れた唇の隙間から勢いよく空気を吸い込むと、また口を塞がれた。


「やぁっ、まっ・・・ふぅっ」


開いた唇の隙間から彼の舌が滑り込み、甘い快感が私を襲った。


「うぅふ、うぅ・・・っはぁっ・・・」


「はぁっ・・せん・・せい・・」


ようやく解放されると、私は彼の胸を強く押し返し、深く息を吸い込んだ。

はぁ、はぁ、さ・・んけつ・・・。

彼は腰を抱いている手を緩めることなく、情熱的な瞳で私をじっと見つめていた。


「アレックスが女性でよかった・・・・」


わけのわからない一言に彼を訝し気に見上げていると、エリックは私を強く抱きよせた。

そして彼は徐に私の耳元へ唇を寄せると、


「アレックス、俺はあなたが好きだ。」


突然の告白に思考がついていかない。

隙?鋤?スキ・・・?

彼の言葉を理解すると、次第に頬に熱を持っていくのを感じた。

私は慌てて彼から逃れようと足掻くと、ようやく彼から距離を取ることに成功した。


「ちょっ、ちょっと待て!どうしたんだいきなり!?」


「俺はずっとあなたを見てた。」


「いやいや!ちょっとまて。落ち行け!」


「俺は冷静だよ。ふふ、アレックス・・顔が真っ赤だ。」


真っ赤になっていると言われ、恥ずかしさのあまり慌てて顔を隠そうと手で覆うと、彼は軽々と私の両手首を掴み、顔を寄せた。


「隠さないで、照れたアレックスの姿はとってもかわいい。」


彼は私の手を捕えると、また唇を重ねた。


「ふぅ、・・・・まって・・・ダメ・・・はぁっ」


強い感覚に次第に足の力が抜けていくと、彼はまた私を捕まえるように腰へと手を回した。

深くなる口づけに思考が停止し、快楽に身を任せてしまいそうになるのをグッとこらえると、私は必死に彼から距離を取ろうと抵抗したする。


「ダッダメだ・・・、私は先生で君は生徒じゃないか」


「俺が生徒じゃなくなればいいの?」


「いやっ、そういうわけじゃない!」


「ねぇ・・・アレックス?俺の事が嫌い?」


「嫌いじゃないが・・・いやっちょっとまてって」


また私へ近寄ってくるエリックに戸惑いながら後退っていると、脚に先ほど座っていたベンチがあたった。

エリックは私をそのままベンチへ優しく押し倒すと、逃がさないとでも言うように強く抑え込んだ。


「アレックス、俺の婚約者になって」


また近づいてくるエリックの顔を両手で押しとどめながら、必死に抗議の声を上げた。


「待てって!私はもう20歳だ。君は17歳だろう?こんなおばさんはダメだろう!」


「年齢なんて関係ないよ。俺はあなたがいいんだ。あなただけがほしい。」


彼の真っすぐな言葉にまた私の熱が上がっていく。


「あなたの唇はとても甘いもっとちょうだい・・・病みつきになる。」


「エリック!・・・・っふぅ」


私の抗議の言葉は、また彼の口づけにふさがれてしまった。




そうしてあれよあれよという間に、気がつけば私は第二王子エリックの婚約者になっていた。

まさかエリックが第二王子なんて想像もしていなかった・・・。


紆余曲折がありながらも、エリックが学園卒業するとすぐに、私と彼との結婚式が執り行われた。

ウエディングドレスを着た私は呆然と教会を眺めていると、愛おしそうに私を見つめるエリックと視線が絡み合った。

もう逃げられないな・・・。

そう悟ると、私は彼の手をとりバージンロードをゆっくりと歩いていった。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。


最後はバッサリと終わらせてしまいましたが、もう一人の男との出会い・過去編や、香りについて、学園での三角関係等の紆余曲折はR18の方で連載していく予定です。

興味のある方はそちらも読んでいただけると嬉しいです。

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