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僕ラノ戦争  作者: 影都 千虎
開戦
25/104

4.嘘誠院音無

 目を覚ますと、そこはベッドの上だった。

「…………?」

 なんか違うな。何か違和感があるような気がする。なんかもっと大事な……。

「……ッ!? 痛ァッ!?」

 とりあえず起き上がろうとしたのだけれど、あまりの激痛に沈んだ。痛い痛い痛い痛い何これ超痛いお腹痛いひきつるように痛い死にそうなくらい痛い。

 泣きそうだ。起き抜けなのに。

「何暴れてんだテメェ!」

 何も出来ずベッドへ沈んだ僕に追い討ちをかけるような怒号が響き渡る。暴れてないんですけど!

「……ったく、やっとお目覚めか」

「オハヨウゴザイマス」

「もう夜だけどな」

「……コンバンハ」

 呆れ顔の小坂くんが言う。呆れというか、諦めというか、それはもう百八十度変わってバカにしてるそれだった。なんで僕がそんな顔をされなきゃならないんだ。

「腹に風穴深さ一センチ程度の切り傷多数五センチ程度の刺し傷四ヶ所打撲多数出血多量で意識不明状態が丸二日……これでよく生きてたな、お前」

「……おぉ……」

 早口でなんか言われたけど、多分それは僕の怪我についてだろう。よく生きてたなってことは相当ひどかったんだなぁ。

「あのクソ女はチャイナ娘がぶっ飛ばしてくれて、お前の手当てに使う特殊な薬草は女装男が調達してきてくれたから後でちゃんと礼を言っとけよ」

「あ、はい……って、二人とも戻ってき……ッ!?」

「黙れ、騒ぐな」

「……ハイ」

 驚きのあまり声を上げると、僕の顔の数センチ横にメスが突き刺さった。ついでに小坂君の鋭い視線が僕に突き刺さってる。謝るのでお願いだからダーツの要領でメスを投げないで下さい。

「つーか、チャイナ娘があのクソ女をぶっ飛ばしたときはお前まだ意識あったろ。チャイナ娘と会話してるんだし」

「え? 僕仙人さんと会話しましたっけ?」

「…………」

 そんな目で見られましても。記憶にないものは記憶にない。アリスさんと戦ってたってところまでしか覚えてない。……まあいいか。全部どうにかなったから僕はこうして治療を受けて生き延びることができたんだと思うし。

 そんなことより、もっと大事なことがある。

「……お腹すいたなぁ……」

「次に言うことがそれかよ!?」

 小坂君に激しく突っ込まれてしまった。でもお腹が空きすぎてぎゅるぎゅる鳴ってるし。

 なんて思っていたら玄関が激しく開かれる音がして、僕の部屋の扉も思いきり開かれた。家が壊れるかと思った。

「たっだいまー! 気流りん只今生還しましたーッ! あ、ワト無君お目覚めなんだね! おっはよー!」

 ワト無って誰だ。なにがどうしてそうなった。

「もう夜だからお早くないだろ」

「えぇー? 起きたんだからおはよーでいいんだよ」

 突っ込みどころはそこじゃない。

「で? 小坂くん、ご飯は?」

「そうですよ。なんか食べ物をください。ほら、僕動けないし」

「お前らなぁ……」

 呆れたように小坂君はため息をつく。でも諦めたのか、何かを作りに台所へ向かってくれるようだ。

「ん? 小坂くん、そっちじゃないよ」

「……あ?」

「台所今使えないんだから」

「ああ、そうだったな。悪い音無、ちょっと時間かかるが、俺の家で作ってくるから待っててくれ」

 部屋を出て右に行こうとした小坂君を引き留めると、気流子さんはそんなことを言う。そして小坂君は言われるがままに反対を向いて玄関に向かう。いや、待て待て待て待て。

「どっ、どういうことですか! 台所が使えないって!!」

 僕の台所になにがあった。

「んー? んー……色々あってボッコボコに……」

「ボッコボコ!? 台所が!?」

「シンクとかちょいちょい割れてるよな……深めに」

「深めに割れる!?」

「割れるっていうか、斬れたって感じだよね。斬っちゃったんだけど」

「斬っちゃった!? シンクを!?」

「コンロも斬れてるぞ」

「ファッ!?」

 驚きすぎて言葉にならなかったし、叫びすぎて激痛が走った。いや、待って。本当に何がどうしてそうなったのか教えてくれ。僕が寝ている間に何が起きたんだ。

「いや……なんだ、その……悪かった。今後は二度とチャイナ娘を台所には立たせねぇから……な?」

「『な?』じゃないですよもぉぉぉぉッ!!」

 どうしてくれるんだよ今後の僕の食生活! っていうかやっぱり犯人は馬鹿力か! 脳みそが筋肉で出来ているとは思ってたけど!!

「お楽しみのところ悪いんだけど、ごめん、ちょっと診てくれない?」

「先帰ってんじゃねぇですだよ気流子! お主が犯人なんだからお主が何とかしろですだ!」

「いや、偉そうに言うけど運んでるの僕……」

「変態は黙れですだ」

 そこへ更にぞろぞろと帰宅して騒がしくなる僕の家。

「あ、音無君起きたんだね」

「おっとなしーっ! ごめんね、僕がこんな状況じゃなかったら今すぐ抱擁をしてるところなんだけどこんなお荷物のせいで音声のみなんだけど心はちゃんと音無のことを抱き締めて」

「き、気持ち悪いです……」

 猫さん、葉折くん、仙人さん、それなら見知らぬ黒髪の女の子と、葉折くんに担がれた白っぽい水色っぽい髪の女の人と、焦げ茶色の髪の男の子。誰だよ後半三人。っていうか猫さん猫じゃなくなってるし!

 それに、仙人さんは助けてくれたらしいからいいとして、葉折くんはいつ帰ってきたんだよ。で、やっぱりその三人は誰だよ。なんで当たり前のように僕の家につれてきてるんだよ。あれ? ここの家主僕だよね?

「……誰だ、その二人」

「拾ってきたですだ!」

 小坂君も知らないのかよ!

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