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黎剣のゼスト  作者: 幻人
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第4話 悪しき学者 <End 花婿>



 レグリア王国。ハンガリー地方の北、旧都ブタペストの近郊。

 大きな街道を豪勢な馬車が走っている。馬車の客車には2人の男性が乗っている。

 男の1人は騎士でもう1人は彼の従者だ。騎士は窓を眺めている。


「はぁー…… 何で今年はこんなに忙しいんだ?

 収穫祭と建国祭はいつもの事だが、結婚式に国際軍事会議。

 身体がマジ持たないっすよ」


「仕方ありませんよ。旦那様は自由騎士の1人なんですからね。

 これくらいの事で根を上げてもらっては困ります」


「分かっているよ。でもなぁ…… 実家に顔を出すのだけは、嫌なんだよ」


 騎士は顎に手を当て不満な顔をしている。


「お兄様達の事ですか?」


「……あぁ。大体俺は結婚なんてしたくなかったのにさ」


 騎士はもうじき結婚する予定だ。しかし、彼はノリ気では無かった。

 騎士は駄々をこねている子供のような態度を取っている。


「何をおっしゃいますか! 旦那様に後継ぎを作る為に

 せっかく陛下が紹介してくれた縁談なんですから

 今更ワガママ言わないください」 


 騎士は窓から目を離し従者に喰ってかかる。


「だってさ、結婚って普通当人同士で決める事じゃないの?

 なのに俺の了解取らないで勝手に縁談とか決めちゃうし。

 結婚って、人生の墓場って呼ばれてるんだよん? 俺まだ死にたくないんだけど」


「だいじょーぶですから! 相手の方を見たらその考えも変わりますってぇ」


「そう言うもんなの?」


「はい。恋とはそういうものですよ」


「恋ねぇ……」

 

 騎士は再び目線を窓に戻す。窓の外にはレグリアの街並みが広がっている。


「ドラクロの花嫁かぁ…… ソニアの友人だったりするのかなぁ」


「世間は狭いですからねぇ。案外そうだったりするのかもしれません」


 騎士は何かを思い詰めている。


「ソニアのヤツ、今頃どうしているんだろう……」


「気になるのですか?」


「まぁ幼馴染だからな」


 騎士は窓から離れ腕を組んで目をつぶる。目を開くと騎士は寂しい顔をした。


「あれから2年か…… 立ち直っていればいいけど」



アップ遅れて申し訳ありません。

9月末〆の新人賞へ送る作品執筆の為

次話は10月以降になるかもしれません。

でも時間があれば書いていきます。

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