表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/12

賑やかな食卓

ご飯作ってくれる方が欲しいです(笑

「どうぞ。コーヒーとシュークリームです」

コンコンと控えめなノックの後、部屋に入ってきた瑠香は

ブレザーを脱いだ制服姿のまま手に人数分のコーヒーそしてシュークリーム

を載せたお盆を手にしていた。

部屋に広がるかぐわしい香りから察するにインスタントのコーヒーではなく

ちゃんと豆を挽いて淹れてくれたのだろう。

「ミルクとお砂糖必要な方はどうぞ」

敏哉の部屋にある小さなテーブルにすべてを置き客人たちににこやかな笑顔を向けた。

「あ・・・・」

瑠香を見て岡見が目を見開き驚いたような表情をした。

「驚いたろ?さっき言っていた瑠香ちゃん。な?アイドル並みだろ?」

望月が何故か得意げに岡見を小突いた。

「あ・・えと、初めまして。

 八雲先輩の後輩。岡見です」

「初めまして。妹の瑠香です」

二人で何故かたどたどしく自己紹介をしあった。

瑠香は『アイドル並み』なんて言われ照れているのか頬を上気させており、

岡見は照れているそぶりを見せながらもちらちらと瑠香を観察しているようだった。

アイドル並み・・確かにその言葉に遜色ないように思えた。

白い肌に真っ黒なストレートヘアは校則で決まっているのだろうか?

両耳の下で二つに束ねられており清潔な印象を与え、

目鼻立ちは兄の敏哉と並び非常に整っており、特に目は兄のそれよりもぱっちりと大きくアーモンド型に見開かれていた。

小柄な身体は華奢で緑のタータンチェック柄のプリーツスカートと灰色のベストそして

赤いリボンといった有名女子高の制服が実によく似合っていた。

「あ・・の・・・みなさんもしも良かったら夕食召し上がっていきませんか?」

恥ずかしそうにうつむきながら瑠香は立ち上がり部屋を出て行く間際にそう言った。

「あ・・・どうする?最近ずっと二人だけの食事で結構さびしいんだよね。

 良かったら食べていく?」

望月も岡見も一人暮らしなので時間に余裕があるのならば

食べていってもらうのも悪くないだろう。

「俺食べたい!」

望月は元気に手を挙げた。

「あ、じゃあ俺もお言葉に甘えて」

後輩である岡見は気を使ってか望月に同意をする形で控えめに手を挙げた。

「わかりました。

 じゃあ皆さんの分作りますね。

 大人数で食卓囲むの久しぶりなので楽しみです」

瑠香はうれしそうな笑みを見せ部屋を出て行った。

「やりー。瑠香ちゃんの手料理が食べられる」

望月はお気楽に喜び

「あの・・大丈夫ですか?迷惑じゃないですか?」

岡見は気を使って敏哉に尋ねた。

「いいよ。

 ウチ母親なくしているし今父親は出張中だから

最近一人か二人でご飯食べているからみんなでご飯って

結構ありがたいんだよね」

先ほど言ったことをまた繰り返した。

「そうなんですか?じゃあ喜んで」

ありがとうございます。と岡見は頭を下げた。

「いいよ。別に。瑠香もきっと大人数分作るほうが楽しいだろうしね」


「一人暮らしなのでこんなちゃんとした家庭料理久しぶりです」

岡見はうれしそうにブリ大根をつつき

「うまーいっ!俺お稲荷さん大好きなんだよぉ〜嬉しいなぁ」

とばくばくと食べる望月。

「喜んでいただけるとすごくうれしいです。沢山食べて下さいね」

頬を上気させながらゆっくりと箸を進める瑠香、と至極平和な食卓となった。

メニューはブリ大根に手羽先のあぶり焼き、そして生野菜のサラダとお稲荷さん・・・

ブリ大根は臭みをとるためにブリは予め茹で、一度茹で汁を捨ててから大根と圧力鍋で

煮込んであるしお稲荷さんの中はちゃんと具から作った五目ごはんといった

手の込んだメニューだった。

やはり大人数の食卓がうれしいのだろう。

いつもそれなりに凝った料理を作ってくれるが今日はいつもよりもかなり豪華だ。

「すげー八雲いいなぁ毎日ウマい料理食えて」

出されたビールをぷはーっと飲み干し豪快に望月が笑った。

「じゃあたまに食いに来いよ」

「え!?いいんですか?」

岡見も便乗して身を乗り出すと「お前が来ると俺の分が減るっっ」とか言いながら

望月が岡見を制する・・・漫才のような賑やかな食卓、

これはこれでたまには楽しいかもしれない。

敏哉は二人の掛け合いと、瑠香の笑顔を見ながらぼんやり考えた。

穏やかな日常の奥底には色々なモノが眠ってます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ