表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『平成ギャルが公爵令嬢に転生したら、貴族社会がマジでだるすぎた件』  作者: qp46


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/26

3話 盛れてない社交会

「リリアナ。今夜の社交会には必ず出席しなさい」


朝食の席。


お父様――アルヴェイン公爵は、紅茶を置きながら静かに告げた。


「えぇ〜……」


しまった、と思った時には遅かった。


向かいに座るお父様の眉がぴくりと動く。


「……今、“えぇ〜”と言ったか?」


「い、いいえお父様♡」


にこっ。


反射的に笑顔を作る。


隣に立つ執事長が、すっと目を細めた。


怖い。


絶対なんか思ってる。


最近ずっとこんな感じだ。


たぶん、“娘が急に変になった”と思われてる。


でも仕方ない。


だって中身、平成ギャルだし。


「王都でも有名な夜会だ。各家の令嬢も多く参加する」


「はぁい……」


「粗相のないように」


「りょ――」


危ない。


「了解いたしましたわ」


ギリセーフ。


執事長の視線がさらに鋭くなった気がした。



その日の夕方。


私は大量の侍女たちに囲まれていた。


「リリアナ様、こちらのドレスはいかがでしょう!」


「髪は編み込みを中心に――」


「宝石はこちらを!」


「香油も準備しております!」


次々と準備が進んでいく。


さすが公爵令嬢。


扱いが完全に着せ替え人形である。


数十分後。


鏡の前に座った私は、完成した姿を見て思った。


……いや。


普通に。


めちゃくちゃ可愛い。


白銀の髪。


整いすぎた顔。


透き通る肌。


ドレスも高そう。


たぶんこの世界でもトップクラス。


でも。


「……盛れてない」


「「「……はい?」」」


侍女たちが固まった。


「なんか足りないんだって!」


「た、足りない……ですか?」


私は机の引き出しをごそごそ漁る。


そして。


「あった」


取り出したのは、前回試作した“つけま”。


侍女たちがざわつく。


「そ、それは……?」


「盛れる神アイテム」


「か、神……!?」


「いや気分的な?」


とりあえず鏡へ向き直る。


慎重につけまを装着。


右。


左。


角度調整。


よし。


私はゆっくり顔を上げた。


沈黙。


侍女たちの目が見開かれる。


「リリアナ様……」


「目力が……増している……!?」


「強い……!」


「吸い込まれそうです……!」


ふっ。


勝った。


「これが平成の力よ」


「へいせい……?」



夜。


王都の社交会。


巨大なシャンデリア。


豪華な音楽。


着飾った貴族たち。


私は内心めちゃくちゃ帰りたかった。


でも、公爵令嬢として参加しないわけにはいかない。


「アルヴェイン公爵家、ご令嬢リリアナ様、ご到着です」


扉が開く。


視線が集まる。


そして。


「……っ」


空気が止まった。


え、なに。


怖い。


やっぱ盛りすぎた?


男性貴族たちがざわつく。


「なんだ……あの目は」

「まるで魔法のような……」

「吸い込まれそうだ……」


一方。


令嬢たちの視線は完全に別方向だった。


「まつ毛……?」

「どうなっていますの……?」

「何か付いている……?」


その時。


一人の令嬢が、おそるおそる近づいてきた。


「リリアナ様……」


「ん?」


「その……目の上に虫が……」


「えっ!? 虫!?」


私は慌てて目元を押さえた。


「やだやだやだ! どこ!?」


焦って鏡を見る。


その拍子に。


ぽろっ。


黒い毛束が落ちた。


数秒の沈黙。


「あ」


私はそれを拾い上げる。


「……つけまじゃん」


「つ、つけま……?」


「これ?」


私は令嬢たちへ見せる。


「盛れる神アイテム」


「神……!」


「だから気分的にだって」


周囲の令嬢たちがじりじり近づいてくる。


興味津々だ。


私は近くの令嬢へ手を伸ばした。


「ちょ、目閉じて」


「は、はいっ」


「動かないでよ? ズレるから」


丁寧につけまを貼る。


そして。


「はい完成」


「え……?」


令嬢が鏡を見る。


次の瞬間。


「……っ!!」


ぱっと表情が変わった。


「め、目が……!」


「でしょ?」


私はにやっと笑う。


「かわいくなった」


その瞬間だった。


「わ、私にも!」

「その“つけま”を!」

「どこで売っていますの!?」


令嬢たちが一斉に押し寄せてくる。


ちょ、近い近い近い。


遠くで執事長が頭を抱えていた。


お父様はワイングラスを片手に、静かに呟く。


「……リリアナは、一体どこへ向かっているんだ」


(やば)


(バズった)

後書き


第3話でした!


ついに異世界へ“つけま”が上陸しました。

そして社交界が盛れました。


たぶん歴史書には残りません。


ちなみに作者はつけまの知識ほぼありません。

「盛れるらしい」という平成のイメージだけで書いてます。


なので細かい部分は、

「異世界だからちょっと違うんだな」

と思ってください。


あと今回から、

執事長がちょっと苦労人ポジになってきました。


作者的にかなり好きです。


次回は、

「つけま」が王都で変な流行り方をするかもしれません。


感想・ブックマーク・評価などいただけると励みになります!


それではまた次回!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ