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『平成ギャルが公爵令嬢に転生したら、貴族社会がマジでだるすぎた  作者: qp46


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1/4

プロローグ ──マジ無理なんですけど!

「りなー! プリ撮るなら早くー!」


「待って待って! 今カラコンズレた!」


 放課後の渋谷。

 ネオン、雑踏、笑い声。


 星宮りな、十八歳。

 どこにでもいる――いや、本人曰く“そこそこ盛れてる”平成ギャルである。


「今日さ、マジだるかったんだけど」


「わかる〜。センコー説教長すぎ」


「しかも雨で前髪終わったし」


 友達と笑いながら歩く帰り道。

 いつも通りの、何も変わらない一日。


 ……のはずだった。


「――え?」


 視界の端。


 赤信号を無視して突っ込んでくる大型トラック。


 クラクション。


 悲鳴。


 一瞬だけ、世界がスローモーションになる。


「ちょっ――」


 誰かにぶつかられた。


 身体が浮く。


 アスファルトが近づく。


 その瞬間、りなが最後に思ったのは――


(スマホ割れるの、マジ無理……)


 だった。


   ◇◇◇


 ――ふわり。


 柔らかな感触。


「……ん」


 りなはゆっくり目を開けた。


 天井が、白い。


「……病院?」


 いや、違う。


 シャンデリア。

 やたら広い部屋。

 意味わからんくらい豪華な家具。


「……は?」


 身体を起こす。


 さらり、と長い金髪が肩から流れ落ちた。


「…………は???」


 慌てて鏡を見る。


 そこに映っていたのは――


 透き通るような白い肌。

 宝石みたいな青い瞳。

 ふわふわの金髪縦ロール。


 どう見ても、外国のお姫様みたいな美少女だった。


「え、誰!?!?」


 叫んだ瞬間。


 バン! と勢いよく扉が開く。


「お嬢様!!」


 メイド服の女性が飛び込んできた。


「よ、良かった……! 三日も目を覚まされなかったので……!」


「……三日?」


「はい、階段から落ちられてからずっと……」


 りなの脳が停止する。


 階段?

 お嬢様?

 縦ロール?


 情報量が多すぎる。


「……いや待って」


 りなは震える声で言った。


「ここどこ?」


 メイドが固まった。


「どこ、とは……アルヴェイン公爵家ですが……」


「……こうしゃく?」


「お嬢様……?」


 りなはもう一度鏡を見る。


 完璧美少女。

 豪華な部屋。

 知らない世界。


 そして。


 脳内に、知らない記憶が流れ込んできた。


 レティシア・アルヴェイン。


 公爵令嬢。


 社交界では“氷の令嬢”と恐れられる存在。


 婚約者あり。


 性格最悪。


 友達ゼロ。


「…………」


 数秒の沈黙。


 そして、りなは心の底からこう思った。


「マジ無理なんですけど!!!」

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