合流
それからギルドを後にしたケントたちは、そのままハルヴァンの家へと上がっていく。
「うわーい! 懐かしの我が家です!」
半年振りの自宅を前にして、ソニアは嬉しそうに小躍りしながら家の中に駆けていく。それに続くように、ケントたちもまた中へと入っていった。
「ハルヴァン兄、早速ご飯にしましょう!」
「今帰ってきたばっかだってのに、何言ってやがんだ。折角また会えたんだし、まずはお喋りといこうぜ?」
相変わらず騒々しい妹の姿に苦笑しつつ、ハルヴァンはテーブルの前にある椅子に座る。そしてケントたちも、石床に敷かれているカーペットの上に腰を下ろして話を始めた。
「にしても、あれからもう半年か。時が経つのは早えもんだな」
「そうですねえ。ハルヴァン兄も、ワタシがいなくなって寂しかったですよね? ワタシを思って、枕を濡らしたりしてませんでしたか?」
「ああ。家中静かで、泣けるくらい快適だったな。こんなことなら、もっと早くお前を冒険者にしておけば良かったぜ」
「何をー!」
兄妹でひとしきり軽口を叩きあったところで、ハルヴァンはマヤに顔を向ける。彼女はケントたちが半年前にノトスに来た時にはまだいなかったため、一度挨拶を交わしておこうと考えていた。
「ところで、そっちの嬢ちゃんとは初めましてだな。俺はハルヴァン。もう分かってるだろうが、こいつの兄だ。よろしく頼むぜ」
「うん! 私はマヤ。皆とは王都で知り合って、それから一緒に行動するようになったの。よろしくね、ハルヴァンさん!」
ハルヴァンの挨拶に、マヤは子供らしい明るい笑顔を浮かべて返答する。そうして互いに自己紹介を終えたところで、ハルヴァンは再びケントたちに向き直って新しい話題を切り出した。
「しっかし、参ったぜ。その辺の魔物が街に近付くことはたまにあるが、あんな化け物みてえな奴が襲って来るなんてな。あのやたら強え兄ちゃんがいなけりゃ、今頃どうなっていたやら」
「それって、もしかしてクラウディオって人のことか?」
「ああ、そうだ。情けねえ話だが、あのグリフォンとかいう魔物、凶暴過ぎて俺たち獣人でも手がつけられなくてな。だけど、そいつは槍の一振りで追い払っちまったんだ。もっとも、本人は倒し損ねたって悔やんでたみてえだが」
クラウディオとはまだ直接顔を合わせたことはなく、どのような人物であるかはほとんど分かっていない。そのため、ハルヴァンの口から語られたクラウディオに関する情報に、ケントは興味を示した。
「へえ、槍を使うのか。他に何か、その人について知ってることは無いか?」
「いやあ、特にはねえな。俺もそいつとはギルドで少し喋ったくらいで、経歴とかそういうのは何も知らねえんだ。ただまあ、俺たち街の住民のことは案じてたし、今回の件でも解決に向けて率先して動いてくれてるしで、良い奴だとは思うけどな」
「そうなのか。まあ、一人で山に向かったってくらいだから、よほど仕留めきれなかったことに責任を感じてるんだろうな。俺たちも明日になったら、急いで応援に向かうべきか」
ケントの言葉に、仲間たちは同意するように首を縦に振る。その様子を見ていたハルヴァンは、今までの軽快さからは程遠い神妙な面持ちになり、そしてこう言った。
「今更何だが、本当に大丈夫なのか? さっさとあの兄ちゃんに合流出来ればそれで良いが、万が一お前らだけでグリフォンとやり合うことになったとしたら、勝算はあんのか?」
「正直なところ、どっちに転ぶかは分からないな。だけど、危険だからなんて理由で、出来ることもしないで目の前の問題を見過ごしたら、冒険者の名折れだ。それに、俺たちもあれから経験を積んで強くなってるからな。相手がグリフォンだろうと、臆したりはしないさ。なあ、ソニア?」
「その通りですよ! この街や皆さんを傷付けた魔物を、野放しになんて出来ません。ワタシが直々に成敗してやります!」
「……そうか」
ハルヴァンは思い出していた。かつて彼らと共に異変が起きた鉱山の調査を行った際、思いもよらぬ強力な魔物の襲撃にあった時のことを。その時にもケントたちは、自分を助けるため危険を顧みずにその魔物に立ち向かった。かつての勇気と正義感は変わることなく、その上で今は強さも持ち合わせている。ならば自分がすべきは心配ではなく、応援だと。それに気付いたハルヴァンは、元の気さくな表情に戻してこう言った。
「ははっ。ったく、我ながら馬鹿なことを聞いちまったな。やっぱり、お前らは相変わらずだ。昔と同じで、頼りがいのある奴らだよ」
そこでハルヴァンは席を立つと、後ろにある厨房の方へと顔を向ける。
「そんじゃ、そろそろ飯にすっかな。気合い入れて作ってやるから、明日に向けてしっかり食っとけよ?」
それからケントたちは、ハルヴァンが作った料理に舌鼓を打ちつつ、これまでの旅の話などで大いに盛り上がる。その後は街の温泉で入浴を済ませてから家に戻ると、来る明日に備えてゆっくりと眠りについた。
そして翌朝、まだ空が白み始めたばかりの時間帯のことだった。ケントたちは目を覚ますとすぐに調査依頼の準備に取り掛かり、それから家の外に出た。
「それじゃあ、行ってくる」
「おう。気を付けてな」
ハルヴァンに見送られながら、ケントたちは目的地である南西の山を目指して出発する。
道中は至って平穏だった。周囲に魔物の姿はなく、生き物といえば時折虫やトカゲといった小さな動物を見かける程度である。元からこんなものなのか、あるいはグリフォンを恐れて身を潜めているのか。そのようなことを考えながら、ケントたちはさしたる障害もなく順調に進んでいく。そうして殺風景な道のりを歩くこと三時間、彼らは遂に目的地の山のふもとまでたどり着いた。
「地図を見る限り、この山で間違いなさそうだな」
ケントたちは眼前にそびえ立つ山を見上げる。標高はそれほど高くはないものの、緑一つ無い荒廃した地面とゴツゴツとした岩肌からは、山頂までの道のりが険しいものになることが窺えた。
「まずはクラウディオさんを探すところからね。すぐに会えればいいのだけど」
「グリフォンの討伐が目的であれば、そう深入りはしていないはずだ。我々も慎重に行こう」
とはいえ、いつまでもこの場に立ち止まっているわけにもいかない。ケントたちはいつものように陣形を組むと、第一の目的であるクラウディオとの合流を果たすべく山へと入っていった。
それからおよそ十五分が経過したところである。山道はやはり険しく、ところどころに大小様々な石ころが転がっており、足場は非常に悪い。その上、ノトス特有の乾燥した空気によって喉が渇き、彼らはじわじわと体力を消耗させられていた。
「ふう。やっぱりこの辺りは暑いな。歩いてるだけでも、体力が奪われてる気分だ。皆は大丈夫か?」
「ええ、今のところは平気よ。だけど、この辺りには水場もほとんどなさそうだし、あまり長くはいられそうにないわね」
「……む?」
すると、リューテが何かを発見したようでその場に立ち止まる。
「リューテ、何かあったのか?」
「ああ。皆、あれを見てくれ」
ケントたちは言われるがまま、リューテが指差した方向に視線を向ける。そこには大きな黒翼を持つ、竜とおぼしき魔物の死骸が横たわっていた。
「これは、この山に住んでる魔物か?」
「そのようですね。死体の状態からして、死んでからそこまでの時間は経っていなさそうですが」
「見た目は少し小さいけど、竜に見えるわね。グリフォンがやったのかしら?」
「いや、そうではなさそうだ」
エルナの疑問に、リューテが答える。そして何故そう思ったのか、その理由を続けてこう話した。
「グリフォンであれば、もっと激しく戦いの形跡が残るはず。それにこの魔物、損壊しているのは首筋と左胸の二ヶ所だけだ。あれに、このような綺麗な殺し方が出来るとは思えない」
「となると、これをやったのは人間……というより、クラウディオさんってことになるな」
死体に付けられた傷痕は、あらゆる生物にとって急所となるこの二ヶ所のみである。容赦のない、しかし効率的に絶命を狙ったかのような正確無比な傷痕からは、どこか魔物には無い知性のようなものを感じられた。
「まだ近くにいるかもしれないな。皆、少し急ごう」
クラウディオがこの近くにいる可能性があるとなれば、合流を急がなければならない。リューテは死骸の調査を止めて立ち上がり、仲間に呼び掛ける。
――その時だった。
「ピイイイイイイィィィッ!」
離れた場所から、大気を引き裂くかのようなけたたましい鳥の鳴き声が響き渡る。それを聞いて、ケントとリューテは真っ先に反応した。
「……っ! この鳴き声は!」
例え月日が経とうとも忘れられない、聞いた者の本能的な恐怖と戦慄を呼び起こす声。それはまさしく、グリフォンのものだった。しかし姿は見えず、ソニアは声の聞こえた方角を指差す。
「今の声、あっちの方から聞こえましたよ!」
「よし、行こう。皆、すぐに戦闘に入れるよう準備を!」
リューテは素早く仲間に指示を出す。そして、全員で声のした方角へと駆け出した。
「ピイイイイイイィィィッ!」
「……はあっ!」
三十秒ほど走り、途中にあった脇道に入ると、周囲を岩壁に囲われた開けた場所に出る。そしてそこには、一人の男性がグリフォンと対峙している姿があった。
「どうやら、既に交戦中のようだな」
「みたいだな。それにあの人が持ってる武器、槍だよな? もしかすると、クラウディオさんなのか?」
ケントたちは近くの岩陰に隠れると、クラウディオらしき人物とグリフォンの戦いの様子を窺う。
「どうしよう。私たちも加勢した方が良いのかな?」
「行きましょう! あの人、ずっと防戦一方ですよ! このままじゃやられてしまいます!」
「いや、待つんだソニア」
戦いに加わるために飛び出そうとしたソニアを、ケントは手で行く手を遮るようにして制止する。
「あれは防戦一方なんかじゃない。その証拠に、あの人の足元を見てみろ」
ケントの言葉を聞いて、全員が男の足元に注目する。よく見ると、男は足をほとんど動かすことなくグリフォンの攻撃を捌いていた。
グリフォンの攻撃は主に爪による引っ掻きと巨体を生かした突進。そして口から吐き出す火炎である。どれもが必殺の威力を持っており、まともに喰らえば人間などひとたまりもない。だが、男はそれら全てを最小限の動きだけで回避し、時には槍で受け流して凌いでいた。
「あの場所から、ほとんど動かずにグリフォンの攻撃をいなしていますね」
「ああ。あれは追い詰められてる人間の動きじゃない。きっと狙ってるんだ。反撃の隙を。致命的な一撃を与える瞬間を」
やがて、グリフォンの動きに疲れが見え始め、攻撃が単調になり始める。そして、グリフォンが空中から前脚を振り下ろしながら飛び掛かった、その瞬間だった。男は槍の先端をグリフォンの爪に横から押し当て、滑らせるようにして軌道を逸らすと、流れるような動きで懐に入り込んだ。
「ギッ……!?」
「終わりだ」
そう呟くと、男は右手を槍の先端近くに、左手を石突に添えて構える。そして――
「一の槍にて空を絶つ」
直後、グリフォンの片翼が血飛沫を上げて宙を舞う。そして男は身を翻し、グリフォンの正面に立つ。
「二の槍にて歩みを止める」
次の刹那、グリフォンの両前脚が二振りで切り払われる。切られた脚からは鮮血が流れ出し、グリフォンは身体を支えられずに前のめりに倒れ込む。男は槍を懐に構え直し、次の攻撃の体勢を取る。
「三の槍にて光を閉ざす」
そして、目にも止まらぬ二連の突きで、グリフォンの両目を潰す。視界を失い、前脚も動かせなくなったことで、もはやグリフォンに為す術はなかった。
「四の槍にて命を穿つ」
最後に、男はグリフォンの左側に立ち、心臓に近い部分を刺し貫く。
「ギ、イィィ……」
確かな手応えと共に、男は槍をグリフォンの身体から引き抜く。するとグリフォンは絞り出すかのような呻き声を上げたかと思うと、そのままゆっくりと血溜まりの中に倒れ伏し、静かに絶命した。
その一部始終を見ていたケントたちは、誰もが一様に息を止めて驚嘆する。
「あのグリフォンを一人で、それも無傷で討伐するとは。これが、Aランクの冒険者の実力か……」
「まるで、流水のようだったわね。動きに何一つ無駄がなかったわ」
「エルナの父親の時も思ったけど、Aランクっていうのはやっぱり別格だな。一体どれだけの経験を積めば、あそこまで強くなれるんだ……?」
静流の如く受け流し、激流の如く押し流す。その所作は攻防共に極限にまで洗練されており、ただただ圧巻の一言に尽きた。
「っと、ぼーっと見てる場合じゃなかったな」
当面の危機が去ったところで、ケントは本来の目的を思い出して男の元へ駆け寄る。
「やはり、これは違うか。そうなると、まだ――」
「あー、少しいいか?」
ケントはグリフォンの亡骸を見つめながら独り言を呟く男の背中に声をかける。その声に反応して、男は振り返った。
「君たちは?」
「俺はケント。クラウディオという名前の冒険者を探しているんだけど、あんたのことで間違いないか?」
「いかにも。私がクラウディオだ」
目の前にいる男は、やはりクラウディオだった。年の程は三十前後といったところで、深い青色の髪を短く整えており、精鍛な顔立ちをしている。
クラウディオは手にしていた槍を背中に担ぐと、ケントたちに逆に尋ね返した。
「そういう君たちも、どうやら冒険者のようだな。何をしにここまで来た?」
「俺たちはギルドから調査依頼を受けて、ここまで来たんだ。ルルティエさんからは、あんたの補佐をしてほしいって頼まれてる」
「ほう」
ケントの言葉を聞くと、クラウディオは彼らの顔を軽く見回す。それから、次にこう尋ねた。
「見たところ、皆随分と若いな。ランクを聞いても構わないか?」
「ああ。こっちの女の子がBランクで、後は皆Cランクだ」
「そうか……」
それを聞いた途端、クラウディオは落胆したような表情を浮かべる。そして、淡々とした口調でケントたちにこう告げた。
「ならば悪いことは言わない。すぐに来た道を引き返して、街まで戻るんだ」
「なっ!?」
予想だにしない言葉を聞かされたことで、ケントたちの間に驚愕が走る。
「ま、待ってくれ! 何だってそんなこと……」
「ここがどこかは聞いているだろう? 半端な実力では、ここの魔物には到底太刀打ち出来ない。私も、君たちを守りながら戦う余裕は無いのでな」
「危険な場所なのは百も承知だ。それにランクだけで俺たちを半端な実力だって決めつけるのは、いくら何でも早計なんじゃないのか?」
ケントは一歩前に出ると、クラウディオの言葉に反論して食い下がろうとする。
「と、言うと?」
「俺たちは過去にBランクの魔物を討伐した実績がある。だからグリフォンだろうと、一方的にやられるなんてことはないはずだ。確かにAランクのあんたからすれば俺たちはまだまだ未熟なのかもしれないけど、それでもあんたの足を引っ張ることはないんじゃないか?」
ケントの主張に、クラウディオは少しばかり興味を示す素振りを見せる。
「ほう、Bランクの魔物を」
「それにだ。今回の調査、もしかするとグリフォン以上に強力な魔物がいるかもしれないって話だろ? その場合、万が一あんたがやられたら、誰もギルドにその情報を伝えられなくなる。だけど俺たちも同行すれば、全滅でもしない限り確実にギルドに情報を持ち帰れる。最悪の事態を想定するなら、なおのことここにいる全員で協力するべきなんじゃないのか?」
ケントは毅然とした態度で、自分たちを依頼に同行させることの合理性をクラウディオに説く。そしてケントが話し終えたところで、リューテがケントの隣に進み出て口を開いた。
「私も、彼と同意見だ。あなたの懸念も理解出来るが、ここは私たちを信じて、どうか背中を任せてもらえないか?」
「…………」
ここまで必死に説得されては、とりつく島もなく無下にするのも忍びない。どうするべきかと、クラウディオは腕を組んで沈黙する。すると――
「ピイイイイイイィィィッ!」
少し前に聞いたばかりのけたたましい鳴き声が、辺りに響き渡る。それを聞いて全員が一斉に空を見上げると、そこにはやはりグリフォンの姿があった。
「そんなっ、二匹目のグリフォン!?」
「嘘だろ!? まだ山に入ったばかりだってのに、二匹も襲ってくるのか!?」
あまりにも想定外な状況の到来に、クラウディオを除く全員が目を見開いて当惑する。皆、先入観を持っていたのだ。いかに『凶鳥の巣』と呼ばれている山であろうと、グリフォン程の凶悪な魔物が山のふもとに近い場所で二匹も襲ってくるわけがないという、ある種の防衛機制のような先入観を。いかにケントたちが経験を積んできたとは言っても、それを打ち砕かれたとなれば動揺せずにはいられなかった。
しかし、グリフォンが地上に下り立ち臨戦態勢に入ったのを見て、ケントたちはすぐに我に返る。それと同時に、クラウディオが口を開いた。
「先程は伝える暇が無かったが、私は街を襲ったグリフォンを追い払った時、そいつの左羽を少し切り落とした。だが、そこのグリフォンの左羽には何の損傷も無くてな。もしやと思ったが、やはり別個体だったか」
「そう言われるとあのグリフォン、左羽が少し短いように見えるな。ということは……」
「ああ。奴こそが、ノトスの街を襲ったグリフォンで間違いない」
「あいつが、街と皆さんを……!」
目の前のグリフォンこそが、街や住民を襲撃した宿敵である。そのことを伝えられたソニアは、拳を固く握り締めて前に出る。それに合わせて、他の全員も武器を構えた。
「クラウディオさん。さっきの話の続きになるけど、もし良かったらここは俺たちに任せてくれないか?」
そこで、ケントはグリフォンから目を離さずにクラウディオに話し掛ける。そしてその言葉の意図を、彼は即座に理解した。
「……なるほど。あれを倒すことで、君たちがこの依頼を受けるのに十分な実力を持っていることを証明すると。そういうことだな?」
「ああ。俺たちの言葉じゃ判断出来なくても、あんたの目なら判断出来るはずだからな」
クラウディオがケントたちの協力を拒んだのは、つまるところ彼らでは実力不足だと考えているからである。であれば、目の前のグリフォンを討伐することによってその考えを覆してしまえばいい。信用してもらうのではなく、信用させる。それがケントの目的だった。
「いいだろう。ただし、旗色が悪いと判断したらすぐに加勢する。私も徒に死人を増やしたくはないのでな。そしてその時は自らの実力不足を受け入れ、大人しく街に帰ってもらうぞ?」
「分かった。皆もそれでいいか?」
ケントの問いに、全員が頷く。
「よし。じゃあ、行くぞ!」
こうしてケントたち六人と、グリフォンとの戦いの火蓋が落とされた。
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