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第92話 ダリス国境の関所にゃ(ミシワールの砦)

 ダリス国とミシワール国の国境には2メートル程の高さの壁が国境に沿うよう何十キロに渡ってに築かれていた。

 街道は石壁を越えてダリス国の中へ延びていた。

 丁度、街道と壁の交わる場所に関所となる砦がある。

 砦を越えるとダリス国内だ。

 ダリス側に入ると300メートル程、隔ててダリス側の砦が築かれている。

 以前はこの関所を通って交流があったがローマシアとミシワールが戦争状態になった時に閉ざされてしまった。

「凄いにゃ、万里の長城みたいにゃ。」

「これはずっと昔にミシワールとダリスが戦争をしたことがあって、その戦争の後にミシワールがダリスの侵攻を恐れて築いたものなの。」

 ミシワール側の砦で出迎えてくれたのはバンと言う若い兵士だった。

「私がこの砦で皆さんのお世話をします。バンです。来人さん、お会いできて光栄です。先日のモーリス軍との戦いに私も参加していたんですよ。来人さんの活躍を見ましたよ。」

「そうにゃ、照れるにゃ。」

「ダリス側には、明日、行くと連絡をしております。」

「ダリス側の様子はどうなの。」

「戦時中はダリス側もかなり緊張した状況でしたが、今はかなり穏やかになっております。しかし、今回、モーリスの者がダリスを経由してローマシアに入るのを許しています。関所の通る者に関しては以前にも増して厳しくなっていますね。ダリスは龍の住むアリストン山に接する唯一の国でありながら他の4つの人の国の全てに接する国ですから龍の守護者みたいな考え方が有るんですよ。」

「それなら金龍の情報や山に入る方法も分かりそうだにゃ。」

 こうして俺たちは翌日、ダリス入りすることにしミシワール側の関所で一夜を過ごした。

 翌朝、俺達はバンともにミシワールの砦からダリス側の砦に向けて出発した。

 バンはミシワール国の旗を掲げている。

「そこで、止まれ。」

 ダリス側の砦から声が掛けられた。

「ミシワール国カザン王の特使です。ダリス国の王城まで行くたい。」

「承知した。特使殿はこちらに参られたい。」

 ダリス側の砦の門が開き、胸に龍の紋章の輝く黒い甲冑を身につけた初老の男が現れた。

 男の顔には深いシワが刻まれ、髪はほとんど白く変わっていた。

「私の名はマキシス。この砦を任されている。特使殿はどなたかな?」

「俺にゃ。」

 来人が一歩前に足を踏み出す。

「あ、あなたが特使ですか?」

「そうですが何か御主人様マイマスターに何か問題でも。」

「いえ、失礼。ちょっと変わったお姿をしてましたから。」

「気にしなくていいにゃ。自分でも分かっているにゃ。俺は、にゃんこ騎士来人にゃ。」

「そうですか、先のモーリスとミシワールの戦いで活躍された来人殿とはあなたのことでしたか。異形の方とは伺っていましたが何とも可愛らしい姿とは……失礼。国王様のアーク王には使いを出しておりますので、しばし、この砦に滞在願いたい。」

 こうして、俺たちは今度はダリス側の砦に滞在することになった。

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