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序章

取敢ず序章。

少し内容が暗いのでお気をつけください。

 ドスッ


「……え?」


 突如、脇腹に衝撃を感じた熾条統利しじょうとうりは、自分の身に何が起こったか分からず、間抜けな声を上げた。


 脇腹が焼けるように熱い。


 統利は未だ混乱がおさまらぬままに、違和感を感じる脇腹に目を遣った。

 其処には、本来あるべきではないものがはえている。否、正しくは刺さっていると言うべきだろう。


 まず最初に見えたのは黒い柄。そして、ほぼ根本まで身体に刺さっている刃。


(出刃包丁!? 何でそんなものが……)


 理解できない。包丁というものは、台所にこそあれ、人体に刺さっていて良いものではない筈だ。


 頭が混乱する。まともに思考することが出来ない。

 思考に靄がかかった頭で、ようやく自分の状態を把握する 。


(刺されたのか、俺は)


 普段では考えられないほど思考が遅い。


(ぐっ!)


 自分が刺されたことを理解したためか、痛みが急激に統利を襲う。だが、その痛みを感じると同時に、全身の感覚が抜けていく。


 誰かが叫んでいるのが聞こえる。


 誰かが救急車を呼ぶ声が聞こえる。


 世界が傾き、地面に叩きつけられる。

 すべての感覚が消えていくなか、統利は自分の命が尽きようとしていることを自覚する。


(……嫌だ、死にたくない)

 

生への執着。それは、統利の性格の根幹を成しているもの。

 幼い頃、目の前で親兄弟を殺されて以来、同世代の子供たちはおろか、この国に住まう誰よりも強く、生への執着を抱き続けてきた。


 幼くして、間近で死を見せつけられたが故に。


 親兄弟がその犠牲となったが故に。


 そして何より、自分が生き残ったのは、その殺人鬼の只の気まぐれでしかないと理解したが故に。


 死への恐怖は、常人では到底理解し得ぬ程の生への執着となり、少年の心に刻まれた。


 だが、そんな異常なまでの執着すら、統利の死を覆すことは叶わない。


(嫌だ……、嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。死にたくない)


 何を思おうと、どれだけ生に執着しようと、もはや意味を成さない。 血溜まりが広がっていく。 暗転する視界の中、統利は最後の言葉を紡いだ。


「俺は……まだ……生きて――」



 16時13分、熾条統利死亡確認――

……ナニコレ。

いやいやいや、自分で書いておいて何ですが、今現在心の底からそう思っています。

う~む……、これ本当は、パロディの入ったちょっとコメディな異世界召喚ものになるはずだったんですけど、何をどう間違ったのやら……。

取敢ず序章がこんなのになってしまったため、一話以降を構成し直しているので、序章のみの投稿です。

一話以降はもう少し明るい話になる予定です。

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