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第七夜
ひとえに互いを二人は思う。
ずっとこの幸福が続けばいい。
そう祈りながら。
抱きしめた温もりはひたすらに温かく愛しかった。
何時までこの幸福は続くのだろう?何時終わるのだろう?
其れを美桜は恐れていた。僅かにその体は震えた。
其れに気づいた黒月はかそけき声音で囁いた。
「恐れないで」
「貴女から私が離れることはないのですから」
「貴女がそう望まぬ限り……」
切ないただ切ない声音で囁かれた言の葉に美桜は頷き返した。
零れ落ちた滴を黒月は舐めとった。濡れた唇が艶めかしかった。
そして零れ落ちそうになる滴をその唇で受けた。
愛しい好き。お願いずっとこの幸福が続けばいいのに……。
泣きたいほどに幸福で失うのが怖かった。
ただひたすらに貴方が愛しい。
気づいた想いはあまりにも大切でただ温かかった。