《これは、ラリ◯では無い。ラ◯ホーマだ‼︎》
「さてと、彼らは一体何処まで行け...えぇ?まだそこ??ちょっと、遅すぎやしませんかね??蛞蝓かな?」
僕は、そんな独り言を呟きながら足をぶらぶらさせる。
勿論、こんな所に椅子などある筈が無いから代わりに部下を椅子にしている。しょうがないね。うん。
「うーん...この後どうしようかなぁ?そのまま、普通に合流しても面白く無いし。かといって、彼らがこのままあそこに行くのもなぁ...てか、行かなきゃ風花に今度こそ殺られそうだしなぁ(それも面白いなぁ)」
腕を組みながら、この後について考える始める。そもそも、全てが急過るのだ。
森の監視をしてたら、久しぶりに風花の方から連絡が来て...
「あの噂の子、あんたの家にいるから。もし、逃げ出そうとしてたらなんとかしておいて。後、いつかは決まってないけどこの森から脱出するから宜しくね。それじゃあね」
おいおい、随分僕の扱い雑じゃ無いかい?まぁ、それに関してはいつもの事なんだけどさ!!でもさ...もうちょっと...こう他にも何かあっただろ。
いや、確かに僕自身も会議の時に、「興味がある」とか、「会って見たい」とか言ってたよ?
でもさ、あんな雰囲気出しといて実は我が家に居ましたとか...流石の僕もこれには苦笑いだよ。
まぁ、分かるよ?今この状態では、通信は短い方が良いのも、創君を匿うならうちが最適だというのも。でも、だからといってこれは......ねぇ?
ここだけの話、本当に風花って知脳Bなの?実は、脳みその代わりに筋肉でも入ってるんじゃ無いのってぐらい脳筋じゃん。だから、部下がついて来な...おっと、悪寒が...風邪かな?
「それにしても...どうしよっかなぁ???」
空を見上げると、まだまだ太陽は天高く昇っており、まだ黒狐である彼女も本調子では無い筈だ。
「彼を、手助けした方が面白いけどなぁ...でも、そしたらなぁ...」
何故か、僕はこの時悩んでいた。一体、何を迷う必要があるというのだろう。彼らを、逃したとなれば僕の裏切りは森中に伝わる。それは、別にどうでも良い。もう、あの森には飽きていたし。
けどなぁ...あの森には僕達の家もあるからなぁ。森から逃げるとなると、あの家ともお別れかぁ。
僕達の家...と、いってもあそこは本当に偶然見つけただけの誰の家かすら知らない家。初めは、まぁ別に家主が帰って来た所でて感じはしたんだけど住んでいるうちに愛着とか湧いてきたりしてね?
いや〜、やっぱり長年使った物?家?って無くなる時は寂しくなるねぇ...。
「まぁ、別に今はそんなのどうでも良いか‼︎思い出は思い出のまま、記憶の片隅にでも残ってくれれば!!」
僕は、そんな事を口にして立ち上がる。そういえば、この椅子とモブ達どうしようか。このまま、帰られてチクられるのも怠いし、殺すにしては面倒だし。
よし!!眠らせておくか!!
「呪いに、眠りが聞くかは知らんけど食らえ‼︎寝ろ‼︎さぁ、寝るのだ!!」
僕は、自身のスキルである【羊達の誘い】を唱える。
よしよし、どうやら効果はあるみたいだ。え?スキルのルビが可笑しいって?ハハッ、気の所為だよ。
「それじゃあ、さっさと僕の気の変わらぬ内に迷えるヒーローを手助けに行くとしますか!!」
あっ、やべ。そう言えば、この森にあいつも来てた事言って無かった様な...?まぁ、大丈夫でしょ‼︎
まさか、ばったり鉢合わせるなんてそんな訳...無いよね?
「今、誰かが盛大にフラグを立てた様な気が...」
俺の直感が、何かの予感を感じ取る。この先で、また何かが起こるとでもいうのか。
まぁ、そうはいっても100%当たる訳でも無いし...きっと、何かの勘違いに決まっている。
「ご主人様、フラグって何ですか?」
「あれ?フラグって知らない?」
正直、意外だった。異世界とはいえ、由良は「兄弟モノ」とか、「主従モノ」とか知っていたからこっちの世界にもそう言うのはあるんだなぁ...って思ってたんだけど流石にフラグという文化は無いのか。
待てよ、もしかして...俺の大好きな「ハーレム」は?
「な、なぁ...由良。ハーレムってなんだか勿論分かるよな?」
「すみません。私は、あまり学業などには優れなくて...そのハーレム?っていうのは以前ご主人様が、夢で語っていた物ですよね。きっと、私が想像出来ない程素晴らしい物ですよね‼︎」
「そうだよ。ハーレムとは、素晴らしい物だよ」
遠い目をした俺は、由良にそう答える。
そんな...この世界には、この世の宝であるハーレムが無いなんて...。じゃあ、一体何がこの俺の渇いた心の隙間を埋めてくれるんだ‼︎
てか、なんで「兄弟モノ」とか「主従モノ」とかというのはあるのに健全で完璧な「ハーレムモノ」が無いんだよ!!どうなっているんだ!!責任者出てこい‼︎
「あ、あの...差し支え無ければその...ハーレムとは、何なのか私に教えて頂いても...」
心の嘆きが、伝わってしまったのかおずおずとした態度で由良が俺に問いかけてきた。
「ハーレムとは、男が......」
俺が、雄弁にハーレムについて説明しようとしたその時、脳裏にとある考えが過った。
(あれ?ハーレムが好きと由良に伝えてあるこの状態で、ハーレムについての説明をしたら...由良に襲われるんじゃ)
考えても見て欲しい。今は、緊急事態という事もありギリギリ理性で本能を抑えてられている状態だが、もし俺が仮にハーレム志望だなんて口走ったら...。
「へぇ...ご主人様ってそんなのが好きなんですね。でも、大丈夫ですよ‼︎他の女なんか必要無くなる程に私が愛すればきっとご主人様もハーレムなんて考え無くなりますよ!!(ハイライトオフ)」
なんて事が、起こってしまうのでは無いか⁉︎前の俺だったら、そんなのある訳無いと鼻で笑っていたけど今の俺なら...おっと、考えただけでやばいな。
「あ〜と、ハーレムとは...男が...女にそう愛させる‼︎それも、深く強く‼︎そ、それに、前も言っただろ?その愛も無性でそそがれるもので...。て...」
せつこ!!それ、ハーレムちゃう‼︎ヤンデレや!!
やっべ、どうしよう。つい、何か言わなきゃ‼︎と思って口に出したらなんか違うの出てきた!!これは、本格的にやらかした。
「ご主人様にだったら、無償な愛も強い愛も全て捧げられます。私、ご主人様になら何をされても構いません」
「私も、好きな男の為ならとことん尽くすタイプだヨ」
やばい、完全に誤解されてる。早くこの誤解を解かないと後々面倒なこ...ん?声が二人分?
片方は、聞き覚えのある由良の声。だが、もう片方は聞いた事が無い声だった。
「え?誰⁉︎」
俺の声で、全員が彼女の方へと視線を向ける。その彼女...いや、彼女というよりは少女?身長は、由良と同じくらいの小柄であり、見た目は、尖った耳に白い髪そして、褐色の肌をしていた。
「あ、あんた‼︎どうしてこの森に!!」
「煩いヨ‼︎このクソ女!!こんな、良い男といるなんテ‼︎」
「それは...色々な事情があって...て、そもそもあんたには関係無いでしょ‼︎このチビ!!」
「はぁ⁉︎年増の癖によく言うヨ!!180歳のババァ妖精は大人しく家に帰ってろヨ!!」
「あんただけは、此処で絶対に◯す。絶対にだ」
「やってみろヨ!!返り討ちにしてやんヨ!!」
やばい、二人からなんか虎と龍の様なオーラが見える気がする。それに、隣の由良がこれでもかってぐらい震えているし。
「オシマイダァ...ワタシタチハモウ...セメテゴシュジンサマダケハ...!!」
震えた足で、由良が俺の前に立つ。おいおい、由良。その心掛けは嬉しいけどそれは俺の心を傷つけるから辞めような。本当まじで。
「ガルルルルルルルルルルルルルルゥゥゥゥ‼︎」
「グルルルルルルルルルウヴァゥゥ‼︎」
獣の様な唸り声をあげながら、威嚇しあう二人。誰か、この状況...どうにかしてくれませんかね?




