第288話武器を新調したい
「うわぁ~改めて見ると、ひどいことになってるなぁ……」
そして今回の本題。
メインウェポンの修理なのだが、改めて確認するとダメージがかなりひどい。
こいつは中々難航しそうだというのは、東雲さんも同意見のようだった。
「……まず、このハンマー? やばいですよね……初めて見ますし……魔力的にもとんでもないのはわかります。それがどうやったら、こんなぐにゃぐにゃになるんです?」
「ちょっとすごいのと戦って……」
すごいのってどんなのだよ?っと東雲さん顔に書いてあったが咄嗟に言及するのは諦めたようだ。
「……でも武器がないのは辛いですよね? 代わりの武器はあるんですか?」
「錬金釜で作ったスレッジハンマーはある。元はホームセンター購入」
「おっふ……大量生産の極み」
次点がそれかと、正気を疑うような顔をされてしまったけれど、長く付き合った相棒だった。
「まぁそうなんだけど、大量生産だからって悪いもんじゃないんだよ?」
それどころかすんごいよ現代技術?
ちょっと錬金釜でエンチャントするだけで、深層でも戦えるすごいことになるんだ。
言ってしまえば、このトールハンマーよりも物はいい。
しかしこいつに込められている神秘は、錬金釜で付与されるものとは桁違いだということである。
なにせダンジョン攻略報酬の超レアアイテムだ。
ダンジョン産のアイテムの中には、スキルを使っても再現不能なレベルのものが存在するが、間違いなくこのハンマーはそれに分類される人知を超えたアイテムだ。
「極端な話、ホームセンターのハンマーに、こいつの力を移すことができたらそれだけで、性能が跳ね上がる。ここの設備を使えばそれができるはずなんだけど……」
前振りとして僕は言うが、僕の意図は正確に東雲さんにも伝わっていた。
「……もちろん、そんなのじゃ納得できるわけありませんよねぇ?」
「だよねぇ……。もし最高のハンマーにこいつの中身を移植することが出来れば……そりゃあ最高の武器になると思わないか?」
「……それ、最高ですねぇ」
クックックッと僕らがねっちょりとした笑みを浮かべ、非常に楽しんでいる時だった。
いつの間にか僕らとは違う笑い声が混じっていることに、僕らはようやく気が付いた。
「「!」」
「クックックッ……話は聞かせてもらったでござる……」
僕らは慌てて振り返る。
するとそこには怪しさ満載の赤いパーカーのガスマスクが腕を組んで仲間になりたそうにこちらを見ていた。




