19 モブ令嬢、勉強を教わる
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恐れ多いと思いつつもウィルヘルム様に勉強を教わることにした翌日。
ウィルヘルム様の休日の時間を頂きさっそく勉強開始です。
勉強の場所は何故か私の家で、疑問に思い尋ねれば教科書やノートを運ぶの大変だろうからと言うことでした。
うん。分からないことが多すぎて何をどう持っていけばいいのかすらおぼつかなかったから助かるけど。
そんなわけで家の中は慌ただしい。
ウィルヘルム様は気を使う必要はないとおっしゃるけれどそうもいかないし、昨日の夕方にそれを知らせてから精一杯のおもてなしをと、とにかくてんやわんやだ。
両親だけはおっとりとしていて、緊張とはかけ離れているけれど。
2人は娘に一目惚れしたウィルヘルム様は、私と一緒にいる時間が持てればそれで大丈夫だと呑気にしている。
まぁ、恋する若者の間に割って入る無粋な真似はできないって何も言われないのは助かるけどね。
だって下手につつかれるとボロを出しそうだし。この関係性が偽りのものだって。
アルト兄さんの声もあり私の部屋でやらず客間で勉強することになったので、とりあえず私は一番危なそうな教科の教科書とノートを取りに行こうとしてウィルヘルム様に引き止められました。
「これ、やってもらってもいい?」
「なんですか?」
ウィルヘルム様が机に置いた数枚の紙。
手に取って中身を見てみると、どうやらテストのようで私は顔を上げてウィルヘルム様の方をジッと見ます。
「何が出来て、出来ないのか知りたい」
「そう、ですね」
顔に感情がすぐ出てしまう私はきっとやりたくないと言う顔をしていることでしょう。隠しているつもりでもバレるくらいには隠すのは苦手すぎて。
ウィルヘルム様はニッコリとしていてやれと言外に言われているようです。
やりますよぅ。
教わる以上っていうよりも、ウィルヘルム様に対して逆らうなんて出来ないんだし。
なんとか全部解き終えるとウィルヘルム様が答え合わせをして、何やら頷いてます。
「今日はこの2教科に絞ろうか」
「2教科だけ……」
「うん。一気にやっても入りきるとは思わないし」
見抜かれてる⁈
確かに一度にいろんな教科を勉強しても頭に入る気はしないけど、悔しいというかなんと言うか。
とりあえず教科書とノートを持ってくるとウィルヘルム様に勉強を教わります。
途中、何回かの休憩をはさみながら夕飯の時間まで勉強会は続きました。
あ、ウィルヘルム様は夕飯を食べていかれましたよ。
誘ったのは父ですけど、私の普段の食事を知っておきたいとかなんとか言ってウィルヘルム様も一緒の食卓を囲みました。
翌日からは放課後の一、二時間程度ウィルヘルム様が学校で勉強を教えてくださることになって、赤点回避がいつもよりも余裕で出来そうな気がしてきました。
まぁ、勉強に費やす時間はあまり変わってないんですけどね。
ちなみに出てきた夕飯はレイの母の手料理です。
レイも手伝うことはありますが、基本的に母か唯一の使用人ローズマリーのどちらかが作ってます。
両親は割と不仲のウィルからすると、ちょっぴり眩しすぎる家庭でした。




