始動
少したって、刑事2人の汚職事件は新聞の一角に乗った。龍信はその記事を、ダムの上でタバコを吸いながら読んでいた。大きく一息で吸いきると、浩が迎えに来た。
浩「兄貴、行くぞ。」
龍信「ああ。」
龍信たちは、拠点を神奈川に移し、活動し始めた。
最初の行動は、とある件で刑務所に収容された男を、仲間に入れることだった。
10年ほど前、中東に従軍していた自衛隊員、宮崎蒼太は難民誘導中に、テロ組織の襲撃を受ける。テントな、上官から受けた支持は、信じがたいものだった。「人名より、自己の命を優先せよ。」その言葉を受け入れられなかった蒼太は、上官と口論になってしまう。その際、もみ合いとなり、上官の所持していた銃器が暴発、上官はその場で即死した。蒼太はその場にいた同僚に、上官の遺体を任せ、自らは難民の避難誘導を行った。
帰国後、この件で蒼太は裁判にかけられる。しかし、同僚の証言や、現場検証から、情状酌量の余地ありとし減刑され、禁固9年の判決が下る。
そして、刑が科されてから8年、蒼太に言い渡されたのは、釈放の2言だった。驚いた蒼太は、刑務官になぜだと問い詰めた。しかし、刑務官はそれは言えないと、突っぱねた。
8年ぶりに壁の外に出た蒼太の前には、黒いスーツに身を包んだ男が立っており、背後には黒塗りのセダンと、いかにもな雰囲気を醸し出していた。
蒼太「あんたらか、俺を外に出したのは?」
男「乗れ。」
蒼太は疑問に思いつつ、言われるがまま後部座席に乗る。すると隣には、龍信が座っており、左手でタバコを吸っていた。
龍信「よお、久しぶりの娑婆の空気はどうだ?」
蒼太「あんたら誰なんだ?なぜ俺を連れだした?」
龍信「別に連れ出したわけじゃねぇよ、お前は自分の足で外に出たじゃねぇか。」
蒼太「見るからに、表の人間じゃないな。俺をどこに連れて行くんだ。」
龍信「安心しろ、俺は気に入ったやつを兄弟として家族に迎え入れる。お前も、そういうこった。」
蒼太「理解できん。俺は元自衛隊員で、殺人を犯したんだ。そんな危険人物を家族に?ありえん。」
龍信「俺が何も知らねぇで、お前を迎えようなんて思うか?お前がみたとおり、俺たちは裏の人間だ。お前よりも、もっと危険な人間の集まりだ。そして、お前のように身寄りのない人間の集まりでもある。」
そうこう言っているうちに、車は事務所の前に着いた。
全員車から降りると、蒼太を事務所内へ連れて行った。
組長室基、龍信の部屋。
龍信「さてみんな、今日は新たな兄弟が内に入った。歓迎会と行こうぜ。」
そういうと、蒼太と浩以外は外へ出て行った。
浩「兄貴は、勢いだけでどうにかする性格なんでな。悪いが今日は付き合ってもらうぞ。」
というと、蒼太の肩に手をまわし、外へ連れ出した。




