復讐者1
一方Bチームは、仕掛けに阻まれて迂回を余儀なくされていた。
Aチームは順調に進み、宗月の部屋の前へと辿り着いた。
銀華は扉を蹴破り、中へと入り込んだ。
「やぁ、待っていたよ。」
「……」
まるで来るのが分かっていたとばかりに宗月は余裕の笑みを浮かべた。
銀華はホルスターから魔銃を抜き放ち、銃口を宗月へと向けた。
「ほぅ?」
「覚えているか? わざわざこの銃を用意してやったんだ。」
彼女が構えた魔銃ロキは、初めて作った魔銃だ。
レミントン・デリンジャーという銃をベースに作ったものだが、それには意味があった。
かつて宗月が父を撃った魔銃も、 レミントン・デリンジャーをベースにしたものだったのだ。
だからこそ、彼女にとってこの魔銃で宗月を葬る事は重要なのである。
「復讐という事だろう? よく分かっているよ――ククッ。」
「お前のその顔も今日で見納めだ!」
彼女は指に力を入れて引き金を引く。
撃ち出された弾丸は、真っ直ぐ宗月の心臓に向けて飛んでいく。
その弾丸は確実に宗月の命を終わらせるだろう。
そう、銀華も確信していた。
しかし、宗月はニヤリと笑みを浮かべた。
「さぁ姫様、私と一曲踊って頂きましょうか!」
突如、宗月の身体が発光し始める。
銀華はこの現象を知っていた。
「貴様やはり!」
本来はリミッターにより封印された力。
それは時空龍本来の力を振るうための姿……
宗月の身体は、光と共に肥大化していく。
そして現れるのは――
「この姿も久方ぶりです。」
「やはり自らにはリミッターを施していなかったな。」
鋭い牙、大きな爪、大空を羽ばたく翼。
時空龍本来の姿に戻ったのだ。
こうなると、魔銃ですら奴の肉体は貫通出来ないであろう。
「死の輪舞を始めましょう、姫様。」
「宗月ぃぃ!」
銀華はロキをホルスターにしまい、別な2丁の魔銃を取り出した。
右手にはシルバーボディのリボルバータイプ、魔銃ヘル。
左手にはガンメタルブラックの短機関銃タイプ、魔銃ナルヴィ。
「いいか、さっさとアレの準備をしろ!」
「り、了解です!」
「ちっ、本当に出番が来てしまうとはな。」
二丁の銃を構え敵を見据える。
今は、準備の時間を稼ぐだけだ。
そう思いながら駆け出した。




