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平穏の終わり2

目が覚める。

頭の中の整理も終わり、記憶もはっきりしている。

横を見ると兄さんと健司が何かを話している。



痛む身体を無理矢理起こす。

僕は。行かなければならない。



「おい葉助!」



驚いて健司が駆け寄る。



「――行かないと。」



そうだ、僕は知ったから……



「一人じゃ行かせないさ。」



兄さんも頷く。



「健司、兄さん……」


「その前に、これを見てくれ。」



そう言うと兄さんがテレビの電源を入れた。



映し出されたのは僕達の学園。

そして黒島市長の姿だった。



「今こそ時空龍の支配から脱する時なのです!」



黒島市長が演説している。



「そのための力を私は手に入れた! 全ての属性を操る最強の兵士!」



黒島市長の前に並ぶ仮面の兵士達。

おそらく量産タイプだ。

僕達実験タイプのデータを元に作られた完成型。



「何も恐れる事はありません。 私が皆さんを導きましょう。」



明らかなる反逆。

いや、これが黒島市長の本心。



「さあ、私たちだけの楽園を手に入れるために!」



自分の元々いた世界の支配。

そのための最強の兵士。


カメラの映像が都市の上空に変わる。

その配置はまるで魔法陣のようで――



”この都市の配列自体が境界移動(ラインズワープ)するための準備だったのだ”



つまり黒島市長はこの都市ごと境界移動(ラインズワープ)するつもりなのだ。

この都市が自らの要塞となるという事か……



「さっきからこの放送ばかりだ。」



そう言って健司がテレビの電源を切った。



「口ではああ言って、やってる事はなんだと思う?」



――わざわざ都市ごと移動するメリット。


1つは要塞としての運用。

もう一つは――



「徴兵という名の人間狩りさ。」



人間を集めて最強の兵士を製造する材料とするわけか……



「よく出来てるシステムだね……」


「お前、黒島のとこに行くんだろ?」



そうだ、おそらくレイもそこにいる。



「うん。」 


「だからさ、俺達も行くぜ。 あんな奴を野放しにはできない。」



あぁそうか、僕にはこんなにも心強い友がいたんだ。



「ありがとう……」


「なんだよ、照れるだろ!」



もう一度レイに会うために……



「――いこう!」

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