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Overline ~落ちこぼれ魔法使いは、実は天才!?~  作者: 空野流星
後編 エピローグ
141/144

無名の英雄1

その後、黒翼さんによって俺達はセイントガルドの病院へと運ばれた。

どうやら銀華さんが、俺達の邪魔をしないように一服もっていたそうだ。

そのせいで到着が遅れたとかなり怒っていた。


俺は半年程ベッドでの生活を余儀なくされたが、無事退院することが出来た。

しかし、右腕はどうにもならなかった。

逆に魔源(マナ)の扱いが更に上手くなったようで、それほど生活には困らなかった。


そうそう、退院後は無事にレイと結婚した。

数少ない身内を集めただけのひっそりとした式だが、俺達は幸せだった。

その後、レイは現セイントガルド市長との会見を経て、リヴァイアス家の本来の役目へと戻った。

最初は少し騒ぎになったが、それはそれでいい思い出だ。


俺はセイントガルド魔法学校に、特別講師として働く事となった。

真面目な子から、健司みたいなやつまで、色々な生徒と触れ合う事ができた。

少しだけ、キャシー先生の事が分かった気がする。


それとだ、俺にも子供が出来たんだ。

名前はヨキ。

まだまだやんちゃ盛りの男の子だ。

最近は俺の魔銃(まがん)に興味津々のようで、よく触らせて欲しいとせがんでくる。

さすがに危険なので上手く誤魔化してはいるが。



こう振り返ると、俺はなんて幸せな人生を送っているのだろうと思う。

昔の俺では全く思い浮かばないような理想の未来だ。


だからこそ、たまにこう思うんだ。


”俺は、こんなに幸せになっていいのだろうか”


この生活は何人もの犠牲の上で成り立っている。

その屍を踏み越えて、俺だけ幸せになっていいのだろうかと。

あいつらは、俺を恨んではいないのだろうかと。

そんな不安がよぎるんだ。



”大丈夫だ、気にすんなよ”



ふと、誰かの声が聞こえた気がした。



「あぁ、そうか。」



きっと、”彼”だ。



”もう、充分か?”


「充分、夢を見させてもらったよ。」


”そうか、なら良かった。”



あぁ、俺はこんなにも、幸せだ……

多くの人に囲まれ、必要とされ、愛する家族を手に入れ――



”それはお前が勝ち取ったもんだよ。”


「そうかな?」


”そうさ、そのために戦ってきたんだろ?”


「そうだな。」


”ならいいんだよ。 それがお前の物語だ。”



俺の、物語か。



”そろそろ、いくか。”


「ありがとう――」



俺は、そのまま、ゆっくりと瞼を閉じた――

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