思いのままに3
「成程、クロトの玩具は予想以上の出来だ。」
「まだ、話せるくらいには元気のようだな。」
もう一度、2発の弾丸を撃ち出す。
これをまた掛け合わせ、複合魔法で攻める。
「無駄だよ。」
加速させる前に銃弾が空中で静止する。
違う、これは……
「魔法障壁か。」
距離にして30mといった所か。
通常の魔法障壁は、5m前後にしか展開出来ない。
それだけ相手が桁違いなのか、あるいは――
「お前が考えている以上に、私は化け物だよ。」
「そっか、やっぱり無理だよな。」
俺はフェンリルをホルスターに戻り、代わりにヘイムダルを取り出す。
ロングバレルと拡張マガジンを装着し、いつもとは仕様を変更してある。
勿論、この仕様変更には意味がある。
「少しでも余力を残して、レイとの時間を増やしたかったんだけどな。
そう上手くいくわけないよな。」
「ほう、まだ私に勝つ気でいると?」
ユニスは剣を構え直し、こちらの出方を伺っている。
「銀華さんは手出ししないでください、すぐに終わらせますから。」
今のヘイムダルは、マシンピストルのようなものだ。
引き金を引き、装填されてある弾丸を一気に吐き出す。
今の俺には、弾丸に込められた魔源の色が鮮明に見える。
「各属性で収束――目標ユニス!」
無数の弾丸は4つのグループに別れ、それぞれ機動を変えながらユニスに向けて飛んでいく。
奇術弾の自己流アレンジだ。
今の俺ならば、銀華さんのように弾丸を全て自由にコントロール出来る。
「ここまでとは、既に人間の枠を超えているわけだな。」
――強烈な魔源の流れだ。
おそらくは、強力な魔法で全ての弾丸を魔法発動前に消滅させるつもりらしい。
敵の魔法障壁を貫通するまでは、俺が魔法を発動しないと踏んでの行動だろう。
だが、俺の目的は違う。
”コールダークネスⅢ!”
”ユニオンエクストリーム!”
弾丸を接触させ、敵の魔法障壁付近で光と闇の魔法を発動させる。
その威力に、相手の魔法障壁に穴が出来た。
その穴を、幻影弾で消した銃弾を通過させる。
そしてあとは――
”ウィンドカッターⅢ!”
相手の肉を食い破り、その身体をミンチにするだけだ。
いくつもの弾丸が、ユニスの体内に飲み込まれては弾けた。




