境界移動(ラインズワープ)2
目の前に広がっていたのは、虹の道だった。
文献では読んだ事はあったが、これが本物の境界線か。
「綺麗……」
「レイは一度通った事があるんじゃないか?」
「コホン――実は覚えていないんだ。 気づいたらこっちの世界にいたからな。」
「そうなのか。」
「それに、まだ記憶が完全に戻ったわけでもない。」
そうだった。 昔の調子に戻っているから勘違いしていた。
あくまでも戻った記憶は、こっちの世界に来てからのもので、元の世界での記憶は曖昧らしい。
しかし、その状態でレイの家を探す事なんて出来るのだろうか?
手がかりはレイ・リヴァイアスという名前だけか――先が思いやられる。
「悪かったな。」
「そんなに気にするな葉助、そのうち戻るだろう。」
銀華さんは黙ったまま境界線を飛び続けている。
そういえば、境界線は色々な世界と繋がっているんだっけか。
ロキアまでの道は把握しているのだろうか?
「銀華さん、ロキアまでの道は大丈夫ですよね?」
「当たり前だ、久々の境界線飛行とはいえそこまでボケていないぞ?」
「す、すみません。」
なんだかいつもより気が立っているのは気のせいだろうか?
それとも、それだけ神経を使っているのだろうか。
実際に自分が飛んでいるわけではないから、その真相は本人のみが知ると言った所か。
景色は相変わらず、虹の道が続いているだけである。
「他の世界って、ここからじゃ見えないのか。」
「もうすぐトンネルを抜ける、その後に見えるぞ。」
確かに虹の道の切れ目が見えて来た。
「この虹の道は、それぞれの世界の入口を安定させるために用意されいているんだ。
――さぁ、抜けるぞ。」
虹の道を抜けた先には、漆黒の空が待ち構えていた。
漆黒の中に数多くの小さな点が光を放っている。
おそらく、俺達が夜空で見ることが出来る星と呼んでいる物と同じであろう事は想像がつく。
「あの光1つ1つに世界があるのだ。 お前達の世界のようなものがな。」
「すごいな……」
「そして世界は全て境界線で繋がっている、とある場所を中心にな。」
何か考えるように銀華さんは語り始めた。




