表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ポスドクは異世界イングランドで無双する  作者: 橋平 礼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/65

大洋の書類王 ――無敵艦隊の出撃と宣戦の狼煙

 スペイン国王フェリペ2世は、マドリード近郊のエル・エスコリアル宮殿の奥深くに籠もっていた。彼は「書類王」の名の通り、広大な植民地から届く報告書の隅々にまで目を通し、羽ペン一つで世界の運命を操る。しかし、その敬虔すぎるカトリック信仰は、イングランドが進める宗教改革と、エースが主導する「魔導産業革命」を、断じて許容し得ぬ異端の業と見なしていた。


 決定的な亀裂は、スペイン領ネーデルランド(オランダ)への秘密援助だった。エースが送り込んだ新型の「自動織機」と、クロムウェルが密かに支援する新教徒の独立運動。これがフェリペ2世の逆鱗に触れた。


「イングランドの『魔導の異端者』に、神の鉄槌を下せ」


 慎重王が下した決断は、130隻、砲2500門を誇る人類史上最大の艦隊――「無敵艦隊アルマダ」の派遣であった。


 この夏、水平線を埋め尽くすスペインの巨大戦艦がドーヴァー海峡に現れた。対するイギリス海軍はわずか28隻。数だけを見れば、イングランドの滅亡は確定したかに見えた。


 だが、旗艦に座すエース・ランカスターの瞳には、勝利への数式が完成していた。


「船の数は、単なる定数に過ぎない。重要なのは、兵器の質と効率的な配置だ」


 スペイン軍の戦術は中世的だった。巨大な船体をぶつけ、兵士が乗り移る「接舷白兵戦」。対してエースが改造を施したイギリス艦隊は、蒸気機関と帆をハイブリッドさせた「高機動型(スクリュー併用)」である。


 距離を保ち、スペイン軍の射程外から、ワットが鍛え上げた長射程の「魔導ライフル砲」が火を噴く。無敵艦隊は鈍重な巨体を振り回すばかりで、蝶のように舞うイギリス艦を捉えることすらできなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ