フォーーー
今は朝で朝の挨拶をしている。
「いい天気だな」
「なんだか気持ち悪い」
「体調が悪いのか?」
「違う。急に天気のこと言ってきて変な気分になっただけだ。でお前はなんでここに来た?」
「体操するためだよ。ラ・ジ・オ・体操だよ」
「なんだそれ」
「お嬢もやるぞ。朝の体操だ!!」
「なんで私も…」
「というわけで始め!!まずは伸びをしていきましょー」
というわけで唐突に始まる体操をしていく。
「こ…こう?」
なんだかんだ乗ってくれるお嬢。
「YES!1・2・3!次は正拳突き!1・2・3・4…」
正拳突きなんてラジオ体操にはない。
「足を伸ばしていきましょう。せーの、1・2・3・4…」
お嬢はチラチラこっちを見ながら真似する。
「あ!メフィ様!アクセル様が探していましたよ」
「!?今、どこにいます?」
「お庭かと思いますが…」
ふと窓から庭を見る。
「!?」
驚いてしまった。外で健康的に体操をお嬢様とローズさんと一緒にやっているからである。
「なにかあるんです…か?ってあれは何してるんです?」
「多分体操かと…」
「なるほど。朝に体操をやることで脳を活性化させている…。あれが強さの秘密か…?」
「あまり深い意味はないかと思いますが…」
「あの使い魔…」
まだ嫉妬している様子だった。
「ローズさんが嫌いなんですか?」
「違います。なんか椅子を取られそうで嫌なだけです」
「椅子?」
「ええ。アクセル様の右腕っていう椅子です。それが取られそうなのが嫌なんです」
「なら多分、大丈夫ですよ」
「え?なんでですか?」
「なんかわかんないですけど、大丈夫かと思います」
「そうですか…」
「でも取られそうになったら力で証明すればいいと思います。その時は応援しますね。さて仕事に行きましょうか」
「フィレンツェさん!!!」
目を光らせる。
「せいや!せいや!!」
もう体操じゃなくてただの正拳突きになっていた。
「はい。終わり。どうよ。朝の運動は」
「気分が良くなった。ありがとう」
きまりが悪そうに言った。
「お。結構素直だったり…」
「空に吹き飛ばすぞ」
「怖!逃げろー」
「待て!吹き飛ばさないと気が済まん!」
と言っておきながら顔は晴れていた。
「ぴぴ!!」
訳:やめてーー!!
その声を聞いたお嬢は一度止まり、ローズさんを見る。
「なんて言ったんだ?」
カピバラ語を理解しようとしているのか!?あれは俺が10年かけて出来たものだぞ…。そんな簡単に出来るものじゃないぞ…。
「ぴーぴ」
訳:喧嘩は良くないよ!仲良くしよう。
「うーん。わかった。喧嘩しない」
「な…なにッ!習得しただと…。お…俺が10年かけて出来たものを簡単に…。ガハッ!」
アクセルに精神的ダメージが入る。
「どうだ!!ガハハハッ!私のじ・つ・りょ・くを」
「ぐぬぬぬ…」
ハンカチを防具の上から涙を拭くようにした。
悔しさである。口には出さない。
「どう?どう?どんな気持ち?」
少し間を開けてから言ったセリフは…
「悔しいです!!」
つい口に出てしまった。それは実質の敗北宣言だった。
「認めたな?はっはっは。気分のいいものだーなぁ」
上から見上げるように言う。
「お…お嬢。あ…朝ごはんの時間です…」
悔しまぎれの声だった。
「そうかそうか…。それにしても昨日の夜ごはん美味しかったなー」
「そんなに褒めていただけるとは光栄ですね」
「は!褒めてないからね」
やはりツンツンしているお嬢だった。
「お嬢…。今後ともごひいきに!ニヤッ!」
「なんでニヤニヤしているのよ」
「は!バレていただと!?」
「声に出てんだよ!!」
そういうことか!たしかメフィ達に煽られたが…。その時も声に出ていたってことか?だとしたらもっと恥ずかしい奴じゃないか!?やばいやばい…。
とテンパっている。
「対策を考えよう。ニヤッ!」
「だから声に出てんだよ!!」
「マジ?」
「自覚ないのか?」
「はい…」
「防具被っているのに表情がわかるのはこちらとしてありがたい。声に出すのは続けてくれ」
「?」
逆に推奨されてしまっただと…。
その後、俺は食堂で1人の人と食事をしていた。
「せんぱーい。悪い癖を直すのはどうすればいいですか?」
昨日できた先輩である。ちょっと眠そうな顔をしているのが特徴である。
「ふっふっふ…。よかろう!教えてやる」
「ありがとうございます先輩!」
「おいおい。お礼は話を聞いてからにしろ」
「こういうのは逆にいい癖をつければいいんだよ。そうしたら自然と悪い癖は出ないのではないだろうか?」
「おーー!!流石先輩!!世界一!」
「おいおい。そんなに褒めるのはやめてくれたまえ。はっはっは」
大げさに笑う。
「ありがとうございます!!」
「ちなみにその悪い癖ってのはなんなんだ?」
「表情が口から出てしまう癖です」
「お…おう。なかなかの癖だな」
「やっぱポーカーフェイスの方がかっこいいじゃないですか?」
「まあそうだな」
「なのでいい癖をつけてこの癖を直します」
「おう。頑張れよ」
「というか昨日も思ったんだが…。変な食べ方するよな」
「この防具は外したくないんですよ」
「まあ人それぞれだから否定しないが…。何か理由があるのか?」
「ええ。実は…」
ちょっと本当を混ぜて言うか。
「謎の秘密結社に追われていまして…。顔を隠さないといけないんですよ」
「秘密結社ッ!?なんだそれ。詳しく聞かせてくれ」
「いいですよ。その秘密結社はなんと…」
「世界転覆を狙っているんですよ。それを知っちゃって狙われているんです…」
「マジか。まあ強く生きろよ」
「助けてください。先輩!!」
「ごめんだが…。俺はお前のことを助けてやれない。なぜなら俺は弱いからだ。スマン!」
「そしてもしその秘密結社が来たら俺は真っ先に逃げる!」
「ちょ先輩!!こんなかわいい後輩を見捨てるんですか?」
「しょうがないじゃないか。俺は弱い。故に戦っても勝てない。ならば逃げるしかないじゃないか!?」
「先輩。逃げるが勝ちですね。じゃあ俺も真っ先に逃げます」
「そして逃げられなかったら先輩も道連れです」
「ひぃい。こうぇな!」
「冗談です。そんな訳ないじゃないですかー。やだなー」
「冗談でも怖いわ」
「まあそいつら来たら俺は返り討ちにしますよ」
「お前は強いからな」
「あれ?知ってました?」
「知ってるもなにもお前のこと、使用人の中で広まってるぞ」
「どういう感じで広まっているんですか?」
「雪男からメイド長を助けた怪しげの正体不明の男って」
スプーンを俺の方に向けて言った。
「そんな怪しいですか?俺」
「そりゃあ。頭防具しか被っていないからな。顔が見えないって結構怪しまれるものだぞ」
「そうですか…」
「Aランクを楽々に倒した実力者。そしてそれはメイド長の恋へとつながる」
「なんでそうなるんですか!?恋ってなんでですか!」
「だってメイド長、お前には楽しそうに話しているし…」
「そうですか?」
「そうだ。お前、どうなんだよ!」
「どうって…。悲鳴が聞こえて助けただけですから…」
「そうじゃない!メイド長のことどう思っているんだ?」
「素敵な方だなとは思いますが…」
「そうか。じゃあお前と一緒に来たメフィって子は?」
「メフィも?」
「だってラブラブじゃねぇーか」
「ラブラブじゃないですって」
「だったらなんだよ。あの距離感。近くないか?」
「たしかに考えてみれば…」
「アプローチは来てるのかよ?」
「アプローチ?」
「その様子だと気付いていないな…」
「なんですか。人を鈍感みたいに言いまして…」
「あの距離感ってことは…。ずっとアプローチしてるんだよ」
「・・・。先輩、俺、どうすればいいですか?」
「一旦様子見だ。どう動いてくるか見てみよう」
「はい」
とこのような恋バナをしていたのだった。
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