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ふぅーー

「おーい。君、なにをしてんだ?」

なにか見たことがあるな…。それにここは…。日本?夢を見ているのか?そういえばこの頃は…。


「警察の人ですか?」


「ああ。この辺うろついている男がいるって通報受けてね。来たってわけ。でなんでこんな夜中の2時にうろついているの?」

スーツで歩いている怪しい男がいるって聞いていたが…。なにかがありそうだ。


「・・・。もういいやってなったんです。だからこのニュージーランドに」

すごく疲れていた。


「なにを言っているんだ?ここは日本だぞ」

そういえばまだ日本だった。どうやら幻覚を見ていたようだ。


「そうでした」


「で君はどこから来たの?」


「横浜です。関内辺りの」


「は!?関内?ちょっと待て。ここは鎌倉だぞ。じゃあ電車で来たの?」


「鎌倉なんですか?じゃあ俺は歩いてきたってこと?」


「はぁ!?歩いてきた?ここまで4時間かかるぞ!」


「ごめんなさい。ボーっとしていて記憶が曖昧なんです」


「君、お酒は飲んでいるの?」


「いえ。下戸なんで」

薬物をやっているかもしれない…。


「ちょっと署で尿検査させてもらえる?」


「はい」


その後にやった尿検査では陰性だった。後日、私はこの男に病院を紹介した。



「・・・うつ病です」


「え?」


「職場でストレスとか受けていませんでした?」

俺は洗いざらい吐いた。昔からのことを…



昔から俺は人との関わりが苦手だった。親や友達、上司などに偽りの自分を演じていた。本当は好きではないものを好きと言ったり、人に嫌われるのが嫌で必死に演じていた。それがわかったのは中学生の時だった。


「伏見ー。先祖を知る方法興味ない?」


「めっちゃあるわ」

くだらないな。と思うが言わない。みんなにとっての理想になるために。


「苗字 先祖ってネットで調べると出てくるぞ」


「え?マジ?帰ったらやってみよう」


「おう。やってみろ」

こんな関係が続いていたが…実は裏では…



「あいつ、なんかうざくね?」


「だな。いっちょしめとく?」


「いいや。あいつには利用価値がある」


「そうだな。パシリやってくれるからなー」

裏では俺のことをボロクソ言っていたが俺はまだ嫌われていないんじゃないか?と思い、もっとみんなの理想の人になろうとした。



「じゃあ学級委員をやってくれる人居ないかな?」

シーンとし、誰も手を挙げない。


「俺、やります」

俺はこういうのに積極的に立候補し、理想であろうとした。


「お!流石、伏見ーー!!」


本当はやりたくなかった。でもやらないとという使命感があった。


「おう!」

そんな俺だが、みんなには隠していることがあった。それは…



「おえぇえ」

パニック障害だ。電車の中とか広い場所、他にも色々なところに行くと強い不安からか発作や嘔吐をしてしまう。だが家族には言っていなかった。言ったらきっと失望してしまう。家族にとっての理想の俺ではない。言えるはずがない。

「耐えろ耐えろ…」


働くようになってから発作や嘔吐する回数が増える。それでもみんなにとっての理想になろうとした。上司には頭を下げ、やらくなくていい仕事を引き受けた。でも正当に評価されることはなかった。そんな俺はいつしか仕事が嫌いになっていた。苦労に見合う報酬を受け取れず、正当に評価されない。クソだと思った。ストレスでしかなかった。


そうなると俺はすごくどうでもいいやと思ってしまった。もうなにもかもがどうでもよくなった。理想になろうだとか、クソ上司に頭を下げるとか…。もう全部いいや。



そう思っていたら1人で歩いていた。どこへ続くかわからない道を歩き、そばにいるのは俺の影だけ。孤独だった。ずっと俺は孤独だった。本当の友達はいない。本心を言える家族はいない。そんな俺の心は止まりかけていたのかもしれない。でも俺は生きていた。足は動き続けていた。


1人で歩く。歩き続ける。もういいんだ。仕事とか人間関係とか。でもやっぱり誰かに気付いてほしかったのかもしれない。このことを。


今の俺の景色には夢のニュージーランドが広がっていた。

「ああ…。嗚呼…。ニュージーランド」

でも屍のように歩き続けている。


「おーい。君、なにをしているんだ?」

そんな時1人の警察官が現れた。でもちょっとうれしかった。俺を見つけてくれて。



うつ病と診断されてからはカウンセリングを受けた。

「なにか好きなこととかありますか?」

カウンセリングは意外と他愛のない話をしていた。


「そう考えてみたら…。野球観戦しかないですね」

考えてみたら俺の趣味とかあまり作ってこなかった。やってきたのは他人に愛されるための趣味であり、本当の趣味ではなかった。でもできた唯一の趣味が野球観戦だった。


「ではゲームやってみませんか?このモンスターソウルっての知ってます?」


「知らないです」


「結構有名なハンティングゲームなんですよ。やってみましょうか」


「今やっていいんですか?」


「まあいいんじゃないんですか?」

しっかりしてない人だなー。


まず操作方法を教えてくれ、1つクエストに行った。

「なんかすげぇ。モンスターが出てきた」



このゲームで初めて味わったのは挫折だった。そして悔しいという感情が出てきた。

「めっちゃ悔しいです」


「その感情が大事なんです。伏見さんが負けて悔しいと思うことが大事なんです」


「どうやったら勝てます?」


「装備と武器を変えましょう。相手によって変えることが上達に近づきますよ」


「でもどれを基準にしたらいいですか?」


「装備は防御力を見てみましょう。今はとても低いですが…。この装備にしてみると…」


「上がった」


「そうです。さっきの防具だったら結構HPを削られていましたが今の防具だったらそれはなくなります」


「では武器はどうしたらいいですか?」


「さっきのモンスター、どんな特徴がありました?」


「めっちゃ素早かったです」


「ですよね。このロングソードは与えるダメージは大きいですが、素早い動きができません。なので…」


「素早い攻撃ができる武器にすると」


「その通りです。では試しにこの剣のやつを使ってみましょう」


「なんか盾と剣を持ってます。軽い動きができそうです」


「では行ってみましょう。レッツゴー!」



「できた!」

今の俺は達成感で溢れていた。苦労して達成する楽しさを感じていていた。仕事では味わえない楽しさ、そして何より達成感だった。


「やりましたね。どうですか?」


「めっちゃうれしいです」


「よかったです。では次のクエストに行きたいところですがもう時間になったようです」


「え?もうそんな経っていたのか」


「はい。では次いつにされますか?」

次は2週間後になった。


そして俺は帰りにゲーム機とモンスターソウルのソフトを買った。



目が覚める。

「ふぅーー。夢だったのか…。なんか懐かしいな」


「ぴぴぃ!」


「おお!ローズさん。よしよーし。あれ?もう朝か」


「さて今日も1日頑張ろーー!!」


まずはみんなに朝の挨拶をしよう。


ローズさんを抱えて行く。


「おはようございます。フィレンツェさん」


「おはようございます。よしよし。ローズさん」


「いつも早いんですか?」


「ええ。メイド長の朝は早いです」


「大変ですね。あ!そうだ。メフィとお嬢様はどこにいるかわかりますか?」


「メフィ様は存じないですがお嬢様は外でお花を見ていますよ」


「ありがとうございます」

俺は外に出た。



「おはようございます。お嬢」


「おはよう。ってお前か」

相変わらずツンツンしてんな。


「それになんだその生物は」


「俺の使い魔だよ」


「見たことないな…。でもかわいいじゃねぇか」


「よかったなー。ローズさん」


「ぴいー」


「なんでさんなんだよ」


「うーん。さんをつけるのは普通じゃないのか?」


「わからない奴だ」

こうして俺のこの世界の1日が始まるのだった。

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