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聖壁ヒーロー・ロリリオン(更新ストップ中)  作者: 灰色の人参
俺は性癖でヒーローになれるらしい
10/10

変身しろと言われても④

今回は、一区切りさせたい。

辺りが静かになる。

さっきまでのカエルと少女の戦いが嘘だったように。

しかし、驚いていてもおかしくは無い。

現れた一人の少女によって、一撃でカエルを消し飛ばしてしまったのだから。

その光景に、辺りの者、そして倒した少女(おれ)ですら、言葉を失っていた。

その沈黙を破るように、1匹の小動物が目を輝かせ、


「予想外だ……予想外ですよ!素晴らしいよ!ロリリオン!」


小動物が俺に飛びついてくる。


「うわっ……何?何が起きたの?」

「確かに突然君が強くなったら驚きますよね。いいでしょう!私がいま説明して差し上げます!君は内に秘めたる強力な〖性癖〗を持っているということ、です!」


グイグイ来て意味のわからないことを言う小動物に俺が戸惑っていると、後ろから先程戦っていた少女が小動物を叩き落とした。


「こら。新人はんを困らせちゃいかんどす」

「あっだぁ!?ちょ、椿ちゃん力強いですよぉ!」


勢いよく地面に叩きつけられ土まみれになりながらプンプン怒っている。かわいい。


「助けてくれてありがと。ウチは拭伊椿(ぬぐい つばき)。あんたと同じ、性癖の戦士どす」


黒髪の素敵な少女の微笑みを受ける。普通の人なら喜んでいるだろうが俺は正直気持ちはありがたいが大人っぽい女性は苦手なのだ。


俺が何も言えないまま、少し沈黙が続く。


「やはり戸惑っておるね。今の自分がどういう状況か、分からないんどすね」


あ、いえ、違います。女性苦手なので。

………とは言えない。

相手は可愛い。

コミュ障が発動する。

結果、何も言えない。


「では、場所を変えましょ」


椿さんは空気を読んで移動を提案してくれた。

俺にさっきの英雄の面影はなく、ただの弱気なロリと化していた。






「着いたよ〜」


と、連れられて来たのは、聖壁院学園………俺が今日入学した学校だった。


「え、ここって………」

「詳しいことはとりあえず後」

「あ、うん…」


そのまま連れられ、俺らは校長室の前に来ていた。


「え、校長室……!?」

「失礼します、マスター」

「うむ、入れ」


意外だった。入学式の時のおじさんの声ではなく、比較的高い、女の子の声がしたのだから。

椿が部屋に入っていく。俺も後に続き中に入った。

そこに居たのは、今朝、校長と呼ばれたおじさん………ではなく、金髪ツインテの幼女だった。


「えっ」


声が漏れた。


「なんだ。我の容姿に問題でもあるのか」

「あ、えっと、いえ」

「はっきり言わんかい。まあ、ここの生徒なら恐らく十中八九、我が幼き容姿であることだろう。我は外では威厳を持つために姿を変えておるのだ」

「これはウチらと同じ力でなくて、高度な光学迷彩の応用版どす」

「え、そんなことできるんですか」


今日は驚かされるばかりだ。


「まあいい。お主が新たな聖壁戦士で間違いないな」

「ええ。あの逃げ足の早い人喰いガエルを一撃で仕留めた強者どす」

「ほう、それはなかなか。お主、今の状況について、何も知らんのよな?」

「はい…突然カエルに襲われ、力を手に入れて、戦って…何もわからないです」

「なら、我が教えてやろう」


と、マスターが話し始める。


実は今、この世界に度々現れている謎の怪物たち。奴らは俺たち人間を捕まえ、あるものは喰い、あるものは監禁し、またあるものは……とまあそんな感じで人間の行方不明事件を多発させているのだ。謎の怪物が現れたとか言えない政府は隠し通しているが、暴かれるのも時間の問題である。そんなところに発見されたのが、「愛と欲望を具現化し、力を与えるもの」通称「ハート」である。「ハート」は大きな愛や欲望を持つ者を探し、その者を「鍵」とする。そして、鍵に任命された人間は、自分の思い描く姿になるのだ。


「それ故に俺はロリになったということか」

「しかし、今まで性別が変化したなどという現象は全くない。お主は他の者とは少し違うのかもしれんな」


そして、その「ハート」は、戦士となるまでに、怪物に狙われるのである。これについてはまだわかっておらず、ただあのカエルの発言を振り返ると、向こうも変身前の「鍵」がわかるのだろう。

変身後も鍵を放ってはおけないので、ヒーロー協会のようなものを市の東西南北にひとつずつ設置したのだ。


「と、言うことで、お前にはこれから、この怪物対策の聖壁基地南支部に加入してもらう。拒否権はないぞ」

「………わかりました。」

「うむ。では、南支部のメンバー四人を紹介してやろう。」

マスターが合図を送ると、三人の女の子が扉から現れた。


「え、そんなにすぐに呼べるんですか!?」


「家にワープできるようにしてるからの。よし、改めて紹介しよう。総員、名乗れ」


マスターの声に反応し、まず最初に藍色の髪をポニーテールでまとめた、これまた大人っぽい少女が名乗り出る。

「コードネーム〖ツンディレイ〗照島香織(てれしま かおり)だ。お前の先輩になる。宜しく頼むぞ」

「はい、よろしく……お願いします」

お硬そうな人だ。割と苦手である。


次に名乗り出たのは、ボーイッシュな中に可愛らしさがある、話しやすそうな赤髪の女の子。

「コードネーム〖ラピュア〗清瀬純歌(きよせ よしか)です。ボクの性癖は『純粋(ピュア)』。よろしくね」

話しが通じる人そうだな。


次に名乗り出たのが、無表情で眠そうな女の子。パジャマ姿のまま来ている。

「コードネーム〖テンタクロス〗触良詩子(さわら うたこ)………………」

と、そこまで行って眠りこけた。不思議な人だ。


「そして、コードネーム〖ダツィード〗拭伊椿どす。改めてウチのこともよろしくね」


「はい、コードネーム〖ロリリオン〗小山内優希です。よろしくお願いします…」

これから、この人たちと俺の、ヒーロー生活が始まる。

不安と期待を前に、俺は歩きだす…わけじゃないけど、始まりを噛みしめて戦う決意をする…わけじゃないけど………って早く言えよ俺!












「え?私は?」

小動物は雰囲気に取り残されていた。

メイン登場人物を埋める回でした。

これからも頑張りますよ、僕は。

皆さんは新キャラの性癖、今の情報だけで理解出来ますか?

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