ep.19-1 再びサンドラの宿屋にて
サンドラの町にある宿屋の食堂。
その机にはワインのようなボトルが2~3本程度と豪華な食事が机の上に並んでいた。
ご飯の準備が終わっていて、大将、すずね、アクア、ルトが席に座っていた。
ヨルとラドはみんなの前に立っていた。
そして頭を下げながら話す。
「みんな……今回は本当にありがとう。みんなのおかげでこいつを無事助けることができた」
「俺からも。正直食料や水も尽きてたから、もう数日遅かったら俺はこの世にはいなかったからな」
それを見ていたアクアが口を開いた。
「ヨル、ラド。お前たちについては魔王様のところでかくまってもらう。それでいいか?」
「あぁ、もちろん。ただ、一つだけ頼みが……」
「なんだ?」
アクアは眉を上げながらヨルに尋ねる。
ヨルは頭を上げて、申し訳なさそうにしながら口を開いた。
「その……子供たちを……」
「はぁ、そんなことか。もちろんだ。魔王城に行く前によってからみんなで行くぞ」
「ありがとう……」
ヨルは再び頭を下げる。
その様子をアクアの横で見ていたすずねがニコリとして話す。
「よかったね!!」
「あぁ、お前のおかげだ。ありがとうな」
「そしてすまんかったな……あんなひどい目合わせたのに」
「つぎはぜったいにだめだよ」
頭を上げたヨルとラドはすずねに謝る。
その言葉に少し怒ったような顔をしてすずねが言った。
それに対してヨルもラドも真面目な顔で答えた。
「もちろん。お前との約束は絶対に守る」
「俺も。もうこりごりだ!」
「うん!ならゆるす!!」
すずねは再び笑顔に戻った。
それを黙ってみていた大将は咳ばらいをしてみんなに話す。
「コホン。さて、アクア、ヨル、ラドは子供たちを拾って魔王城に行くとして……俺たちは元々の予定だった台座の修理のためにエルフの森に行こうと思う」
「ガハハ!そうだな。元々の予定からだいぶ横にそれちまったな」
「ルト、ここからどうやって行くんだ?」
大将は横に座っていたルトに話す。
ルトは何かを思い出しながら答える。
「えーっと……ここからなら馬車が一番早いだろうな。馬車でエルフの森の近くまで行ってそこからは森の中を歩くしかない」
「なら、それでいこう。すずねちゃんもいいか?」
「うん!わたしもがんばってあるくよ!!」
すずねは両手出してグッというポーズをした。
それを見た大将は手を叩いて声を張り上げる。
「さ、これ明日以降の話は一旦終わりにしよう。今回の旅の目標の一つが達成できた!!みんなで乾杯するぞ!!!」
ヨルとラドも自身の席に戻る。
そしてすずねとアクア以外の4人はワインのようなボトルを各々が持ち、自分とは異なるグラスに互いに液体を注いだ。
すずねとアクアは横に合ったオレンジジュースのようなものを互いのコップに注ぐ。
全員のグラスやコップに液体が入っているのを確認した大将は自身のグラスを持って立ち上がる。
それを見た他の5人も自然と大将と同じように自身の飲み物を持って立ち上がった。
「みんな……お疲れ様!!!乾杯!!!!」
「「「「「乾杯!!!!!!」」」」」
チン!!
持っていたコップやグラスを互いに当てる。
そして中に入っていたものを各々飲んだ。
「ぷはー!仕事の後の酒は最高だな、ガハハ!!!!」
「ルト、俺とお前は今回ほぼ何もしてないぞ」
「それもそうだな!!でもそんな細かいことはいいじゃねぇか、ガハハ!!」
大将とルトは笑顔でゲラゲラと笑い始めた。
その周りにいた4人も二人の笑い声につられて笑う。
そして6人は目の前にある豪華な食べ物を食べそして、色々飲んで夜深くまで笑い、話していた。




