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2.冷たい少女との廻合

 うだるような暑さの中、僕はなぜ家の手伝いなどをしているのだろう。

しかも高3の、大事な時期に。僕が進学する予定だということを家族はわかっているのだろうか。まだ僕にしかできない作業だというのならばわかる。だが、今僕が行っていることは掃除、物の運搬、茶菓子の用意など誰でもできるようなことばかりだ。こんなことをさせても意味のないということにそろそろ気が付いてはくれないだろうか?家を継ぐ気はないことをわかってはくれないだろうか?こんなど田舎の、閉鎖的で意味の分からない伝説が根付いている町になんて残る気はないのだ。ここにあるのはただ一つ、僕の家系が代々継いでいる馬鹿でかい神社だけなのだから。


僕は遠山(とおやま)(よう)。ここ「陽光神社(ようこうじんじゃ)」の跡取り息子だ。この神社は世界一有名といっても過言ではない神社で、日本といえばここを思い浮かべる人が殆ど……と父は言っていた。が、ここより有名な神社なんてもっとあるだろ、と思う。

だが、先ほど少し話した“伝説”とやらのおかげで、何もないさびれた町ではなくまあまあ活気のある町となっている。ここを継ぐ者は皆、この神社に代々伝わる「太陽神伝説」を一言一句叩き込まれる。かという僕も例外ではない。そして、月に1回ほど外部の人、つまり観光客向けにお話会を開くのだ。しかも有料。語り継ぐことに意味があるだの偉そうなことを言ってはいるが実際のところいい金儲けである。このお話会が成功すると我が家の食卓に彩りがでるので、しょうがなく手伝っているところである。

「おーい陽、こっちの座布団会場に運んでくれー」

奥のほうから父の声が聞こえる。くそ、重いから運びたくないんだな。最悪だ。しぶしぶと移動を始めると、ここら辺では見かけない少女がいた。白いワンピースにさらさらとしたロングヘア。おそらく観光客であろう。しかしここは一応一般の方も入れるが、特に何もない場所である。お手洗いにでも行こうとして迷ってしまったのだろうか?などと考えていると、少女はこちらに向かってきた。どうやら僕に気が付いたらしい。だいぶ距離が近づいてきたころ、少女は口を開いた。

「…あの、中庭にはどうやって出ればいいですか。」

感情なんて一切乗っていない冷たい声。瞳は凛としているがひどく冷たさを感じるような、何もかも見透かされてしまいそうな、そんな瞳であった。

ーおっといけない、つい思考にふけってしまった。答えなければ。

「中庭ですか?ここを出て右に行くと、小さな橋が見えてきます。そこを渡るとつきますよ。」

「ありがとうございます。では、急いでいるので。」

間髪入れずにそういった少女は、言い切る前に僕の横を通り過ぎて行った。すれ違いざまに吹いた風は、彼女の心のような、細かな棘のある冷気だった。


読んでいただきありがとうございました。誤字脱字などのミスの指摘等々ありましたらコメントで教えていただけると助かります。また、感想を気軽にコメントしていってもらえると私が大変喜びます。モチベになるので。


どうもこんにちは、オパルスです。投稿が遅れてすみません。少しモチベが低下していました。

さて、そんな話は後にして、今回のお話はついに本編です。何があって1話のようになってしまったのか、そんなようなことを考えながら読んでいくと楽しいかもしれません。では、また次のお話でお会いしましょう。

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