表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
続・命を継ぐ者(ラシル)の旅  作者: みのりっち
9/71

お母様の葛藤

こちら、舞台はアルマー村、双子のお母様が営む宿屋です・・・。

(ミサトとタマキは元気にしているかしら・・・?)

お母様、もう何十回となく、胸の内で同じ思いを繰り返します。


「ふぉふぉふぉ、ベーターや、寂しいのかね?」

「習慣になっているみたい・・・ここにいないとわかっていても、ついつい子供達のこと考えているわ」

ガウリアさんに問われ、思わず母心が顔を覗かせます。


去年の紅葉の頃だったかしら? ラシルさんが戻る前に猿王がやってきて、トゥルクの様子が分かったのは良かったのだけれど・・・。


お母様は、子供達のトゥルクに行きに反対したあの日を思い返します・・・。


・・・・・・・・・


「学校行く! 龍巫女姉様と一緒に勉強するの~!」

「ダメよ!タマキ、いい加減にしなさい!」

「嫌だ~! 絶対の絶対に、嫌~!」

タマキちゃん、今度ばかりはお母様のいうことを聞かず、自己主張します。


「ダメったら、ダメ!」

「嫌―!」

タマキちゃん、表に飛び出していきます・・・。


「もう、本当にあの子は!」

「ベーター様、お子様方のご意見も聞かれてはどうでしょう? 何故学びたいのか、とか・・・」


(貴方が、余計な話を持ってきたくせに!)

お母様は、職業訓練校の話を子供達に伝えた、猿王を(にら)みつけます・・・。


ガウリアさんは、我関せず、とお茶を飲みます。すると、玄関から声が聞こえます・・・。


「占いはいらんか~?」

「・・・?」

「くわっくわっ!」


聖仙様、スーリアさんを伴って登場です・・・。


「ベーターさんや、あんたが心配するのもわかる。じゃが、もう10歳になれば、親元を離れ暮らす子だっておる。いつまででも、自分の庇護下に置く訳にもいくまい?」


お母様、それは分かっていても、自分の感情がそれを許しません。

「どうして、皆、私の大事なものを取り上げようとするの!」

「・・・」


「ベーターさんや、子供達は、あんたがお腹を痛めて生み、大切に育ててきた自分の分身。何ものにも代え難い、かけがえのないものじゃ。じゃが、あなたの持ち物ではないぞ。」


「どうして、皆、そうやって私の邪魔ばかりするの!」

お母様、まだ納得できません。激しい感情が胸の内に渦巻きます・・・。


「自らを、犠牲にすればするほど、苦しいものじゃ・・・。子供達の為に、生きようとすればするほど、つらいものじゃ・・・」

ガウリアさんが、そっとつぶやきます・・・。


結局、最後はお母様が折れました。

(占い? 私が自分で引いたわよ。何が出たかは、ご想像におまかせだわ。あの、インチキ聖仙!)

子供達のトゥルク訓練校行について、占いで何が出たか? 前作「命を継ぐ者 (ラシル) の旅」73部、面接の章、最後をご覧ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ