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状態異常回復しか使えないヒーラー  作者: びび びび蔵
3.ホーム
18/18

18. 旧市街地

簡単である。


異世界では行動が全てであり、それを実行した者が英雄視されるにである。


「ルティ殿、ルティ殿」


あれから幾日か経ち、ルティの拠点(ホーム)の引っ越しが完了していた。


ミゼッタの町の南の賃貸から、中央通りに面した場所に引っ越しとなり、隣に冒険者ギルドがある場所だ。


言うなればステラ市長に、この場所を紹介されたのだ。


「そうですか? ではこれからの事もありますので私から場所の提案をして差し上げます」


そんな事があった次の日には、この場所を紹介されと言う訳だった。


3階建てで1階は店舗と言った作りの建物で、人気のある場所だが口添えもあり、安く借りる事が出来ていた。


「ルティ殿」


先ほどから声を掛けられるのは、冒険者ギルドの確認者であり、以前にカナデたちと経験値稼ぎに行った事が原因であった。


「ですから、そんなにお逃げにならなくとも、かの2名様は主人であるルティ様に権限があるとされ、お引きにならないので有りますので..」


ルティも負けじと言い張る。


「だからその件は、何度も言っているでしょう?他の冒険者を雇って下さいと..」


あの時、カナデが受けた依頼である冒険者クエストの「C級の称号」は、駆け出しやDランクなどの者達が早く上のランクを目指すクエストだった。


僕のランクですか? お恥ずかしながらCランクになってしましました。


その理由はクエストだけではないんですが..


「また来ますので、その時はメイリン様とリヒト様をどうか冒険者ギルドへの許可をお願いします」


嵐が静まった店の奥からメイリンが、お茶を入れルティが座るテーブルに置いた。


「ルティ様、私達は引っ越さなくても前の拠点で良かったのですが」


メイリンは困った様にルティに話しかける。


ルティはメイリンの顔を見て微笑み返す。


「前の所は狭すぎたんだよ、こんな広い店舗を借りる事が出来たんだ。良しとしようじゃないか..」


ルティの言葉にホッと胸を撫で下ろすメイリンは、ニコニコしながら店の奥に消える。


どれだけ安かろうと店舗の掃除を、あっと言う間にしてくれたメイリンには頭が上がらない。


それにリヒトの能力も、これからの店舗経営の柱となる存在だった。


リヒトの能力ショッピングは、ドロップ品で得たポイントで購入が出来る。そのアイテムはこれと言って大した物ではなかったが..


回復アイテムであるポーションが買え、それを販売する事も可能なのである。


(夢は広がる..)


ニタニタと悪巧みをする45歳のオッサンが居る様であった。


ルティは頭を左右に頬に平手を打ち気合を入れる。


「じゃあ行ってくるよ」


玄関を出た先にカナデがルティを待っていた。


「えっ? もう僕がCクラスにランクアップですか?」


ギルド奥の応接間、ステラさんが座る横で担当のアリアさんがルティに説明をする。


「今までの功績を兼ねてルティ様には、それなりのランクに上がって貰いました」


アリアさんは満更でもない様な顔をする。


「では此方の物件のご説明をさせて貰います」


待っていた様にステラさんが話し始めた。


「ルティ君にはこれからの事も有りますし、ギルド横の物件に入って貰う事にしました。これはお互いに取っていい選択だと思いますわ」


この物件は中庭から冒険者ギルドに行け、用事ごとが有れば人目を気にしないで行ける。


ミゼッタの町の市長でもあるステラさんとしては、ルティを押さえておきたかったのかも知れない。


丸め込まれた気がしたルティだった。


そんな事を思い出しながら、ギルドで依頼を受けた場所に向かっていた。


その場所はミゼッタの町から東に行った先にある旧市街地で、この場所の先には港があり地元の漁師の船着場となっていた。


「ルティ様、この場所は?」


カナデはルティの言葉を待つ。


「今回はね。ギルドの専用依頼」


ルティはカナデに振り返ると、街並みに手を差し向け話し出した。


「ステラさんは、この旧市街地を観光都市になればと言って来たんだよ。これだけ人の往来がある町だからね」


今回はこの場所の調査である。


ルティは古い地図を取り出し街並みを見た。

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