表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MATTO-A5 ~リトア編~  作者: 咲之美影
初恋は甘く切なく罪の味がする
24/25

★NO.dodici――成長した クッチョロッティ

 

 「へえ! 逢瀬って響きがいいわ! 俺もやってみっかな! grande figonaと逢瀬!」


 「ダメ! 僕たちが許さないよ!」


 「ふうん? ンじゃ、秘密でしちゃお」


 「相手は誰!? 殺す! 抹殺!」


 「もう……、キミたちは」


 三人の会話に苦笑する。本気な口調だから強くつっこめない。


 (兄さん大神さん、二人の子供はこんな感じで元気に育ってます。いま十七歳で名前はイチゴにブドウ、ヴーくんが名づけ親だよ。二人が命懸けで未来へ繋いだ命は、彼の元でキラキラ輝いてる。これからもずっと、見守っていてね)


 そう心中で亡き二人に語りかけると、風が吹き草花が空高く舞った。まるで二人が喜んでいるようだ。


 「おーいロトさんや、ちょっくら隠れんぼしよーぜ! 負けたら夕飯はお前のおごりな!」


 「総大将が負けたら『逢瀬』の相手教えてよね!」


 「じゃあ俺はそうだな、三人が負けたら今度アルカディアへ遊びに来てもらう!」


 ここからまた新しい物語は始まる。可能性は無限大だ、踏み出す一歩に迷いはない。


 「鬼は俺がやるよ!」


 「オッケーロト、こりゃお手並み拝見だな」


 「ミイラ男に見つかる僕たちじゃないよ」


 「俺も舐められたモノだね。絶対、三人をアルカディアに招待してやる!」


 俺の宣言に三人は顔を見合わせて笑い、凄まじい速さで一斉に散らばった。遠くなる三人の背中は希望で満ち溢れている。


 「……護ろう、紡ごう、俺の未来」


 狼族と血族、変えられない軋轢はない。一人は唯一無二の友達、二人は血の繋がる甥、失いたくない宝だ。


 「頑張るね、兄さん」


 俺は独りごち、青空を見上げたのだった。隠れんぼの結果は――言うまでもない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ