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ハーフエルフの父~エルフの里国編~  作者: タマツ 左衛門之介久


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トキヒコ観察記 鉛筆の芯作り オロォワクザミー

 グルビイ・レドセン・オロウェク(太い芯の鉛筆)作りをするにあたって、その芯となる材料オロォワクザミーの調達にカミエニオラム・コパルニィアへと向います。



「リーザ、せっかくだからお弁当を持って行こう」

 そう、何時も手ブラのオレとしては健全的な考え!

 鉛筆の芯の調達だけど、せっかく出掛けるのだから、ピクニック感覚で楽しみましょう。


「リーザ、ズィッチャでサンドウィッチだかハンバーガーを作るのはどう?」

 ズィッチャは、パンの様なエルフの里国での主食となる物のひとつ。

 お弁当の材料として、焼き上げてストックされているリーザ特製のズィッチャが幾つか有る。

 それを使ってズィッチャのサンドウィッチを作りましょう。


「良きですね。では、何を挟みましょう?」

 先ずは、ひとつ一つが(私では)大きなズィッチャを4つに切って、それらを三枚おろしにして並べた。

 そして順番に食材を挟んで行く。

 サンドウィッチに挟む食材は、干し肉と食用の葉を幾つか。

 そうだ、果物も輪切りにして挟んじゃおう。

「リーザ、ここら辺の食材を少し小さく切ってもらって、」

 切り出して並べたズィッチャに順番に乗せて行く。

 岩塩を振って、リーザ特製のタルタルソースをたっぷりと。


「良しと、」

 でも、自分の分だけであれば、今作った半分で十分だけど。

 リーザ、よく食べる。

 いや、エルフの食事量は一般的な人間の2〜3人前。

 エルフ達は体が大きい上に、“魔力”を秘めているから。

“魔力”の補充には『ルイラー』に加え食事も有効的だそうだから。

 同じ物をもう一組作ろう。


「いやですは、トキヒコさん。」

 あー、悪い意味じゃなくて。

「いや〜リーザ良く食べるから。沢山食べる女性って何か好きだから、リーザ気にしないで」


 干した魚も幾つか包んで。

 木製の水筒には、水をたっぷりと貯めて。

 良しよし、でも何人分だコレ?

 そして敷物も準備して、こんなモノか。

 あっ

「リーザ、これだけの荷物を持ったままでも大丈夫?」

 カミエニオラム・コパルニィアには、リーザの“魔力”での移動となる。

「トキヒコさん、問題無きですよ。」

 ふぅ~、良し流石リーザ!


「カミエニオラム・コパルニィアに着けば、横穴を進んで採掘をする事になりそうだけど、何か準備する物とか有る?服装とか持って行く物は?」

 そう準備。何時も手ブラな私としては事前準備して、前向きで成長した心構え!

「特にコレとは無きにてよろしいかと。現地にて道具も揃いましょう。新たに掘り進む場も無きと成りましょう。」



 二人揃って外へと出れば、『トキヒコハウス』の周囲に集まる生き物達が目に止まる。

「お前ら留守番頼むぞ」

 返事を返す者は居ない。

 彼らの中に人語を理解する者など居ない。居たら怖いよ。


 リーザは何やら移動の為の『術』を行い、私を目的地まで連れて行ってくれる。

 “魔力”の行使が何故行えるのかは分からない。まあそこは、私の常識が通じない世界だと納得するしかない。


「トキヒコさん、私にお掴まり下さい。」

 リーザは両手に荷物を抱えている。そんなリーザにしがみ付く格好だ。

「うん、お願いします」

 リーザ、柔らかい〜。



 程なく到着。

 目の前には、雲を突き抜けてしまうトンガリ山が幾つかあり、ゴツゴツとした周囲の情景は険しさを感じる。

「うん、ルストーロ(鏡)で映し出された景色と一緒だ」

 テレビ番組で観た場所に行った事はあるけど、何か不思議。

 何かを映し出せる『ロムブ・オコリカ・ルストーロ』は、誰かの意識を反映させる物(今回はリーザだけど)。

 だから、現実と言うよりは映画とかドラマなどの『創られた景色』をイメージして観てたけど、そのまんまだ。



「トキヒコさん、案内人に来て頂いております。」

「案内人〜?」

 現れたのは採掘場の案内人、呼称『黒き鉱床の者』って、そのまんまじゃんか! 

 持ち名は『ゴーニックトゥ』これなら何とか私でも呼べそう、、、ちょっとだけ、言いづらいけど。


「私はスルガトキヒコと言います。今日はお願いします」

 『黒き鉱床の者』ゴーニックトゥは、口がモゴつくも声が届いて来ない。何で?


 ゴーニックトゥは喋れない。それは喉を傷めてしまったからだそうだ。

 エルフ自身や“ハイ=エルフ”の持つ『癒しの術』でも治せなかった。

 そんな事があるんだ、、、ただエルフ、言葉無くとも意識でのやり取りが出来るので、実生活に支障は無いとか。

 でも「何で?」とか「どうして?」とかは聞けない。

 それぞれ理由が有るだろうし、変な興味を持ったとか、同情されてると思われるのも嫌だしなぁ。


 ハンデキャップを持つエルフって、初めてかも?

 、、、いや居たわ、自身を“忘れ去られし者”と表した『テン・ザポムニアニィ』。

 彼女は目が見えなかった。

 今はどうしているのだろう。

 あーゴーニックトゥごめん、相手の意識を読み取れない私では、彼の言い分や気持ちを知る事が出来ない。


 ゴーニックトゥは声を出して喋れない、意識の疎通が可能なエルフとしては問題無いのだけど、それを負い目に感じ、エルフ里離れた場所で穏やかに過ごしている、、、彼の意識を読み取ったリーザから教えてもらった。


 彼の任は周囲の山々とこの鉱床の管理、寂しくないのかなぁ。

 いや、日々忙しいらしい。

 山は変化する。

 木々も育つ。

 狩猟のワナを見に行ったり、果樹の実の取り込みや畑仕事。

 配達される食材を取りに山を降りたり、

 そして私みたいに、突然訪問する者もいる。


「『気にするな』ゴーニックトゥからですよ、トキヒコさん。」

「ん、ああ。そっか、そうだよな。改めて、今日はよろしく。それでお願いします」

 『気にするな』か、気にしちゃうよ。


 見た目は石切工である“カニエンプラッア”の雰囲気がある。

 やっぱりここは鉱山だから、石とか岩を掘削したりして、ゴッツイ体つきになったのかなぁ。

 鉛筆作りは私の都合だ。だから突然であり、彼の生活に踏み込んでしまった気分があり、わざわざ来て頂いたのは申し訳ない。

 ゴーニックトゥは頷いて答えてくれる。



 周囲が険しい場所と思っていたけど、ルストーロで観た採掘場となる横穴には難無く着いた。

 ちょっと想像していたモノよりかは、広く大きい。ダンプカーでも入れてしまいそうだ。

「リーザ、オロォワクザミーは使う者が少数にしては、採掘場所が大きいんですけど」

「トキヒコさん、この場は隆起に依る地形が形成されしと申しましたが、鉱床までの距離が残されましょう。尚も採掘に際する様々な確保の為の範囲としましての結果ですね。」

 そうか、採掘スペースに運び出す通路、空気を取り込んだり水抜きも有るとか言っていた。それは安全を確保するためだと。


 ただ、横穴、暗い。

 先と言うか、奥は暗くて見えない。

「トキヒコさん、ご心配無く。」


 暗闇の横穴。だけど光鉱石が配置されているとの事。

「スゥ〜〜〜、ハッ!」

 リーザの『術』にて横穴の天井部や側面に配置されている光鉱石に“魔力”が流し込められれば、配置されている光鉱石は一気に光を宿す。

 周囲は眩しい程の明かりに包まれる。


 光鉱石は、電源も持たなければ配線工事も不用。

 経済的で安全で、、、“魔力”を内に秘め、『術』が使えない私にとってはタダの石。ちぇっ。

 それと、エルフ達が『術』を行う時に、発声もポージングも必要無いのだけどね。

 リーザにやってもらっているのは、私の趣味です。


 ゴーニックトゥに案内された横穴は、光鉱石に照らされる。

 奥まで続く横穴は、洞窟かどこかで見た鉱山の坑道みたいだ。

「うわぁ〜」まるでいつの日にか西地方で光鉱石の採石に行った洞窟が思い出される。

 あの時は、壁一面が光輝いていた。

 以前、エルフの里国の西門の近く『左に立つ者』レウラーイに案内してもらった光鉱石の採掘をした場所に感じが似ている。

 エルフって、横穴を掘るのが得意なのかなぁ?


 ゴーニックトゥを先頭に、私達は縦に並んで坑道を進む。

 横穴の中は少しヒンヤリとして、そして何やら金属が擦れるような匂いが少しする。

 それは岩石などが持つ独特の匂いだと思う。これはオロォワクザミーの匂いなのだろうか。


 ただ、この横穴の坑道は奥深くはない。

 少し下に向かう傾斜を感じるが、直に突き当りへと到着となった。

 到着した場所、そこにはオロォワクザミーを採掘する為の道具が取り揃えられている。

 石と木それぞれで作られた大型の杭、それを打ち込む為の岩の頭を持つハンマー。

 大きなヘラの様な物、コロの付いた小型の台車、

 多くの道具達は、作業台と棚とに整然と揃えられ、仕舞われている。管理者であるゴーニックトゥの几帳面さが伝わって来る程だ。


 ゴーニックトゥに示された正面の壁面は確かに黒い。

「コレってオロォワクザミーの原石だかそのもの?」

 ゴーニックトゥは頷いてみせてくれた。


 何気なく手で押せば、粘土質を感じる柔らかさが有る気がする。

 ペタペタと手を当てれば、やっぱり冷たい岩なんだけど。


「良し、では採掘を!」どうやんの?

 ゴーニックトゥが道具を構える。

 オロォワクザミーの壁面はしっかりとした硬さを感じるが、石製の杭を当て、岩製の頭を持つハンマーで打ち込めば、杭はすんなりと沈んで行く。

 打ち込まれた杭によるヒビ割れに合わせて、今度はクサビとして大型の木製ヘラを打ち込む。

 杭で作られた穴をきっかけに、ヘラが食い込む様にヒビ割れは広がる。

 今度は縦に、次に再び横に。四角の切り込みが入れば、オロォワクザミーはひとつの塊となって採石出来た。

「へぇ~、上手いもんだ」


 約30cm四方の切り出して貰ったオロォワクザミーの塊を見れば、

「これが鉛筆の芯となるオロォワクザミーなんだ」

 真っ黒で重い。粘土質を感じるも、やはり石だか岩に近い。

「コレで、」鉛筆作りへと繋がる実感を強く感じた。

 だけど重い。持ち帰るには重過ぎる!


「ゴーニックトゥ、悪いけどコレ、半分にしてくれない?」

 持って帰るには重過ぎる。このまま抱えてたら、帰るリーザに掴まれない。

 ゴーニックトゥが再び杭と岩頭のハンマーを構えれば、切り出されたオロォワクザミーに杭が入る。

 木製のヘラに持ち替えれば、切り出されたオロォワクザミーは真っ二つになった。

「スゲェ〜プロっ!」

 

「もう、これだけで十分だろう」

 まあ、そんなに多くを持って帰る必要も無いでしょ。

「トキヒコさん、十分ですか?」

「うん」

 私はそう言うと、掘り出したオロォワクザミーを抱えた。

 粘り気を感じるが石だか岩には変わらず、それなりに重い。


 これだけあれば、一生分の鉛筆の芯の素を手に入れれただろう。簡単に手に入れられ過ぎたかなぁ。

 チョンチョンと、ゴーニックトゥからつつかれた。

「えっオレも?」

 どうやら私もやってみろと。

 そうだよなぁ、自分は何も労働とか実戦してない。体験にすらなっていない。

 よし、ちょっと挑戦。


 ゴーニックトゥに渡された採掘道具を構え、見様見真似で左手に石製の杭の持ち手を掴み、オロォワクザミーの壁面に当てれば、右手にしたハンマーを杭の頭に打ち下ろす!

 ん?

 オロォワクザミーの壁面は、杭の形にヘコんだだけ。壁面にはちっとも食い込まず逆に弾かれてしまった。

 ゴーニックトゥ、笑ってないか?


「ありゃ〜」見るとやるとは大違い。

 職人技は容易に真似れる程、容易たやすくは無い。


 とりあえず、私自身では採掘とはならなかったけど、案内もあったし道具を使った採掘を見る事も出来たし、オロォワクザミーを難無く入手出来たのは嬉しい。


「トキヒコさん」

 外まで歩き出ると、リーザが私を指差して来た。

「何、リーザ?」

 リーザの目線と指差す場所を目で追えば、、、あちゃ~、手も服も真っ黒だよ!

 オロワクザミーで真っ黒になっちゃったよ。

「トキヒコさん、手をお出し下さい。」

「うん」

 リーザに向い両手を差し出せば『術』にて手の汚れは粉となり落ちて行く。

 ゴーニックトゥは両手をブルブルと振り回せば、黒い粉が落ちて行く。

 エルフ、いいなぁ〜。オレにも“魔力”を!来ません。


 でも、これはコイツをエンピツの芯として使える事の証明だな、うんうん。

 いや、リーザごめん、服の洗濯よろしく。



「そうだ、」お弁当持って来てたのね。

 私は持って来た荷物をゴソゴソとあさり、敷物を広げた。

 その上にリーザと作ったお弁当、ズイッチャのサンドウィッチを並べた。

「ゴーニックトゥ、今日のお礼だ、一緒に食べよう」


 私に声を掛けられたゴーニックトゥは、少し戸惑いを見せた。何で?

「トキヒコさん、我らの間で行為に対し、特別な恩義や礼を改めて示す機会はございません。」

 あーエルフ、やり、やられっ放し。

「故にゴーニックトゥ成れは、迷いましょう。尚も自身が屋外にて食を摂る経験も無く。」

 はぁ、そうなのか。

 そうエルフの里国では、やってもらうもやるのも当たり前。

 でもそこには、相手を重んじる謙虚さと感謝が含まれる当たり前。

 当たり前が当たり前ではない。

 それと、屋外で何かを食べた経験が無いなんて、山の管理に出掛ける時、お弁当を持って行かないのか?


「ゴーニックトゥ、今日は私達のピクニックなんだ。それは出掛けて外で食事を採る事も含まれる」かな?

 ちょっとした小旅行。エルフ達は旅行の概念を持ちません。

「そして、そこで一緒になった者は外での食事に付き合わなくてはならない。それは決まりであり、必須事項だ」

 ゴーニックトゥの戸惑いは増す。

 だが、トキヒコから伝わる意識と気持ちを理解する。

 エルフ達は、ジョークや冗談を言い合う事が無い。


 リーザの何やら説明が加わって、少し諦め顔をしたゴーニックトゥは敷物に座った。

「あー、外履きは、、、まぁいいっか」


「あっ、」

 エルフ2人前だ。凄く多く持って来たと思っていたのに、足りないかも?

「トキヒコさん、私の分は、」

「そう、ちょっと我々は抑えようか」

 せっかくだもんな、ゴーニックトゥに外での食事を体験させなくちゃ。


「では、頂きまーす」

 ゴーニックトゥも釣られる形でズイッチャのサンドウィッチに手を伸ばす。

「どお?」リーザ特製のタルタルソースは?

 ズイッチャの生地にしたって、私の向けのリーザ特製だ。

「ウンウン」

 ゴーニックトゥは(多分)嬉しそうに頷いてくれた。


 やっぱエルフ、良く食べる!

 私とリーザは少し控えて、ゴーニックトゥに食べさせる。

 だってこんな形でしかお礼が出来ない。


「どお、ゴーニックトゥ?たまにはこういうのもいいでしょ」

 食事を外で食べる。たまにはいいでしょ?

 うんうんと、ゴーニックトゥは頷いてみせた。


「ゴーニックトゥ、今度はウチにも来てよ。バーベキューと言って外で食事をする道具が有るんだ。そこで皆んなで食材を焼いて食べるんだ。きっと気に入ってくれると思う」

 いつの日か、必ず来いよ!



 リーザの『術』にて、程なく帰宅となった。

「でも、肉体的なハンデキャップを持つエルフがいるなんて」

 見た目はゴッツイエルフ、だけど、、、ちょっとしたショックを受けた感じ。

 何か特別視しちゃったのは、私の悪い所かも。

「トキヒコさん、我らも万能ではございませんよ。」

 まあそうかも知れないけど。

 エルフって、人間と比べると肉体はスーパーマンで頭脳の構造は天才達。

 でも、生きる者は変わらない、生在る者として変わらない。

 そしてエルフの里国の者達は、誰も取り残さない。



「さぁトキヒコさん、鉛筆作りですよ。」

 そうだ、せっかくゴーニックトゥが切り出したオロォワクザミーを鉛筆の芯として仕上げなくっちゃ。

 アレどうなった?なんて聞かれた時には鉛筆としてしっかりとした物を見せなくちゃね。


 でも、この柔らかく感じる岩の塊から、どうやって鉛筆の芯を作るの?

 岩から適当な大きさに削り出してこすれば、手や服が黒くなったみたいに、黒い線が引けるだろうけど。


「『鉛筆の芯』、確かに今の状態であれど使用は可能と成りましょう。」

 うん、書くと少し粘り気と言うか、柔らかいやつ。

「ですがトキヒコさんが求め様物は違っております。」

 鉛筆の芯が出来るのであれば、鉛筆だって今まで使っていた様な細長いヤツを作りたい。


 そう太さ。エルフの里国てお借りした時の使いづらさ、太いからなんだ。


「鉛筆の芯としてはですね、先ずは粉状に砕きましょう。」

 わぁ、それだと周囲が真っ黒になりそうだ。

「そして、硬さを保ちます粘土質のモノと混ぜましょう事。」

 粘土質のモノが要る?準備してません。


「あれ?ロウ!」

 エルフの里国の王家の長男坊、ロウがやって来た。



「今日はどうしたの?」突然に?

「トキヒコ殿、ご機嫌よう。トキヒコ殿が求め様物、お届けに参った次第。」

 オレが『求めるモノ』何だっけ?


 ロウが抱えている包みを開けば、土?泥?

「トキヒコ殿、鉛筆の芯と成ります混ぜ様材料の粘土質です。」

 えっ、何で知ってた?

 それにタイミングが良過ぎだろ。


「トキヒコ殿、私もトキヒコ殿が『トキヒコ観察記』の準備を行いしを知る機会を得、尚も『越える者』より伝わりし事もございました故。」

 え〜、もしかして『トキヒコ観察記』を始めてなくて、その準備すら始めていない事を皆は知っていたの?

 いやいやいや、オレのグダクダ、グズグズしていた意識だか気持ちって、ダダ漏れ?!


「トキヒコ殿、私をお使い下さい。」

「いや、ロウを使えって、」それだとロウも『私のエルフ』になっちゃうじゃんか。あー、もしかして?

「もしかして、それってザーララさんかユーカナーサリーからの命令?」

「いえ、ザーララ成れ、ユーカナーサリーよりの命ではございません。」

「え〜、それだと増々、何で?」


「そうですね、恣意としましてと申しましょうか。私の意志としますトキヒコ殿の“友”として行のう事でありまする。」

「オレの友達として、」そこまでお節介を焼いてくれる友達って居るか?

 いや、友達だったらそうかも。オレだってそうするかも。

 だけどオレがやれる事って、知れてるけど。


「どうでしょうトキヒコ殿、改めて私をお使いして頂きたく。トキヒコ殿には恩義もございますし。」

「手伝ってもらえるのはありがたいけど、エルフって『特別な恩義』って要らないんじゃなかったっけ?」

 さっきリーザが言っていたけど。


「トキヒコ殿、私が持ちます恩義は特別では括れません。」

 そんな、何かしたかなぁ。

「トキヒコ殿、私がこの地に再び立つはトキヒコ殿在れば故、尚もトキヒコ殿より友としての位置付けを与えて下さっています。」

 エルフ、大袈裟だなぁ。


「ロウは恩義って言うけどさぁ、どちらかと言えばオレの方がロウに何時も何やら手伝ってもらったり、お願いしっ放しなんだけどなぁ」

 ロウは“ハイ・エルフ”と呼ばれる“力”を持っていて優秀で便利なんだけど。



「トキヒコさんは、他者に何やらでも頼むのが下手です。尚も対価を与えし事に逡巡を割きましょう。」

 いや〜だって、何かしてもらったら、やっぱりお礼したいし。


「それです。トキヒコさんは思うがままに、好きに過ごせは良き事。トキヒコさんの足らずを補うは私の任で有り、使命と成りましょう。」

 リーザも大袈裟。


「ロウ成れの申し入れ良き事で御座います。でもですね、トキヒコさんの手助けを行のう任は私の第一の務め。トキヒコさんの持ちましたるすべでありけんの全てを行おうは、伴侶と成る者の勤めであるとも私は学んでおりまする。」

 いや、リーザには食事に洗濯、掃除から夜のお相手、、、何から何まで、

「其はトキヒコさんの伴侶である私の使命。」

 何かリーザ、ロウと張り合い出してない?


「トキヒコ殿、」

「トキヒコさん、」

 エルフって、生真面目な上に頑固だからなぁ〜


「うーん、ダメだ。」

「「?」」


「『トキヒコ観察記』は、オレの都合で勝手にやる事だから、、、何時も誰かに頼ってばかりになっちゃうけど、、、だから、こう言った事はこちらからお願いしないと」


「改めて二人にお願いします。『トキヒコ観察記』の手伝いをして下さい」


 何とか二人共、納得してくれたみたいだけど、、、だけどこの空腹感は?

 そうか、お昼の半分をゴーニックトゥに食べてもらったから、何かお腹が空き出した。

 リーザもちょっと空腹かな?

「そうだ、せっかくだから決起式をやろう」

 ロウと一緒に調達しに行った、石焼きバーベキューを使って『トキヒコ観察記』の決起式をしよう。


 さあ、何焼こう!でも、そんで食材はどうする?

 あ〜、何をやるにも誰かに頼りっ放し。




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