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第41話 第二章【獣人族 獣霊山編】2


俺は、後ろを振り向きメロを探したが、メロはそこにはいなかった。

「何?」

今度は背中にゾクリと危険を感じ。旋回しながら大きくよけた。・・・・・・いた!メロが・・・。

そこには、空中を駆け回る様に不規則に動くメロの姿があった。

俺は、思わず微笑んでしまった。・・・・・面白い!



「ウフフ♪喜んでくれた?この技は時間が短いから一気に行くよ! はぁぁぁぁぁぁ~レオ・ディザスター!!」

そして、一瞬にして目の前から消えると俺の背後に回り込み強烈な一撃を叩き込まれた。

「何? この威力で・・・・・・れ・連撃か・・・!グッ・・・!!」



俺は全身に力を込めメロの攻撃を躱し防いだが、秒間に何発もの拳と蹴りを叩き込まれ何発かの直撃を許してしまった。

今はウェイト装備を纏っているため俺の動きが制限されてしまっているが、ウェイトをしていなかったとしても凄まじい連撃により全てを躱す事は難しいかもしれない。



不思議な事にメロは空中に浮いているように見えたが、両腕で頭をガードしながら地面を見ると本当に一瞬だけ砂が舞い上がって見えた。これは・・・凄いな!着地していたのか!

上下左右からメロの声が聞こえてきた。

「こ・れ・が、最・後・! 紅・蓮・旋・風・脚!」



高速横回転をしながら一瞬で俺の前にきた。紅に染まった足から繰り出される遠心力も利用した一撃。

さすがに、このままでは、無理だな!そこで、俺は、新たに開発した技を発動したのだった。

「一式解放!鋼!」俺が技を発動した瞬間に凄まじい威力の攻撃が俺を襲った。

「ドン!ガガガガガ!ゴン!ギィン!シュゥゥゥ~~~ゼェゼェゼェ、はぁ~もう動けな~い」

メロはそのままバタンと地面に倒れこんだのだった。



「グヌヌヌヌ・・・身体中が痛い!なんちゅう技だ!まさか一式迄使わされるとは思わなかった・・・・・。

マロンも凄まじかったけどメロの今の必殺技は何なんだ?かなり驚いたよ!」

普通に話しかけてはいるが、俺の頭、腕、背中、胸、太もも、至る所に痣や裂傷があり、血がボタボタと垂れていてウェイト装備のあちこちが損傷していたのだった。



「ハァハァハァ・・・ウフフ♪ビックリした?」

「うん!本当に凄かった!メロも文句なしの合格だ!約束通りメロの望みを何でも一つだけ叶えるよ♪」

俺の言葉にメロは、頬を染めて本当に嬉しそうに微笑み何故か右腕でガッツポーズを決めていた。

本当に顔は美人なのにオチャメな一面がある子だな~。まぁ~そんな一面も可愛いけどね。



「やったね~♪でも、無理し過ぎて身体が限界かな・・・体中の筋肉と骨がギシギシ言ってる・・・。」

相当身体を酷使する技なのだろう。実際メロがここ迄の動きを見せるとは予想だにしていなかった。そんな思いで、メロを見つめていたらマロンが唐突に語り始めた。

「メ・メロ・・・。今の技は・・・まさか!先代の・・・ヒョードル様の技じゃないのか?」

マロンの表情は驚愕に彩られ、声を振り絞るように話していた。



その後、温泉で回復した後、夕食を取りながらさっきのマロンの質問にメロが口を開いたのだった。

その内容は、以下の通りだった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


獣王国の長い歴史の中でも最強と言われていた先代獣王ヒョードル・レ・オパール。

話によると、その戦歴は15歳でバトルオリンピアに出場してから亡くなる前年までの22年間、無敵無敗を誇り

圧倒的なカリスマで獣王国を纏め上げていた。



人でありながら自然災害にも匹敵する武の力と、他者を寄せ付けぬ戦いぶりから他国からは【災厄(ディザスター)】との通り名がついていたそうだ。

そのヒョードルが、得意とした技が、先程メロが披露した技だったらしい。



父は私とは違って純粋な肉体だけでこの技を完全に自分のものにしていたから私のは、まだまだだよ。っとメロは言っていたが、先代獣王とは、どれ程凄まじい戦闘力だったのだろうか?

興味があったので、どの様な人だったのかを教えて貰ったら、本当にとんでもない獣王だった。



人柄は、豪快だが優しい人だが、竜人族や鬼人族と言った他種族との戦いにおいても、自らが先頭に立ち民を守ったらしい。

一度戦になると凄まじいい武の力をもって戦場を駆け巡る姿は、敵味方に恐れられる存在だった。

先代獣王ヒョードルと戦闘力は凄まじく、戦場を駆け巡るだけで衝撃波が発生し、強大な拳を振るえば空気が爆ぜた。驚愕の蹴りを放てば大地が割けた。

耐久力も凄まじく大地に穴が開く程の相手の一撃を受けても立ち上がり、反撃していたという。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「す・凄まじい人だったんだね・・・。」

「うん・・・・父は、魔力がなかったから常に自分の限界を超え続けていたんだと思う。今の私たちみたいに。」

「僕も小さい事から憧れてたな~♪偶にソロを見ているとヒョードル様を思い出すよ・・・。」

「いやいや、そんな人と比べられてもね・・・。」

「ううん、私もちょっと似ていると思うよ。お父様は、自分が普通だと思ってた節があるから・・・。」

メロさん・・・? どういう事でしょうか? 俺は至って普通ですが?



「フフフフフ♪ だよね~♪白鋼鉄を使ってのトレーニングとかヒョードル様もやってたし、この獣霊山に籠っての修行だって・・・・。あれ?思い出したら本当にそっくりだわ!」

「クスクスクス♪本当ね!お父様も白鋼鉄で色々な物を作ってたし、身の丈程の白鋼鉄を担いでの特訓とか良くやっていたもの♪そう言えば、王宮の庭で1.5m位の白鋼鉄を担いで、地面に大穴を空けた時なんかマロンのお父上ギラン・ノービレ・パンテーラ様に物凄く怒られていたのが、つい最近の様だわ♪」



「あ~あったね♪そんな事!グラグラ揺れて地震かと思ったらヒョードル様がやった事だって後で教えて貰ったけど、あのお方は、本当に人外だったね♪」

「アハハハハ♪そうそうあの時だってお父様の周りの人が、そんな大きな白鋼鉄など持ち上げる訳がないから無理はお止めくださいって言われてムキになって良く下敷きになっていたな~♪」

2m四方の白鋼鉄って・・・たしか1mの白鋼鉄が35トン位だったから3.4倍位だから・・・・・120トン?アホだな!そりゃー下敷きになるよね・・・・。って良く生きてるな・・・・。ん?その前に何か引っ掛かる何だろうか?



「クスクスクス♪本当に豪快なお方だよ♪1mでも凄いって言うのにね。でもヒョードル様は、出来るって言ったら本当出来ちゃうんだから、もう笑うしかないよね♪」

「うんうん♪1.5mの白鋼鉄も最初の頃は、持ち上げては下敷きになって、を何回も繰り返して、ある日突然白鋼鉄を担いで、ドヤ顔でみんなを見てたもんね♪で結局、庭に大穴空けて怒られて・・・・・・アハハハハ♪王族で土下座するの何てお父様位だわ・・・あれ?思い出したら・・・・・本当にソロ君とソックリね♪クスクスクス♪」



思い出しながら楽しそうに昔を語る2人の幸せそうな笑顔を見て俺の胸がドキドキした。

なんだろう・・・この気持ち・・・確かに俺は2人とも大好きだけど・・・前世でお付き合いした女の子たちだって可愛い子も綺麗な子もいたけど・・・・・新世界だからなのか、現実感のない可愛さなんだよね・・・。

これで、さっきからメロのお父さんに俺が似てるって言われていなければ、冷静さを失って襲ってしまいそうだよ・・・。



「でも、そんな父が悪意を持った者達により姦計を計られ、私やマロンの幸せの時を奪われてしまったの・・・・・。あの時は、自分の人生が壊れるなんてこれっぽっちも考えていなかった」

そう語るメロの顔から先程までの明るさが消え、悲しみの表情を浮かべながら事の経緯を教えてくれた。



先代が殺されたショックで、記憶を呼び起こさないように封印していたが、俺達と修行していく内に自分が乗り越えなければならない壁だと悟り、封印を解くことを決心したとの事だった。

全ての事を思い出す中、この技を極める事で、父ヒョードルが自分の心の中で生き続けると思ったメロは、幼少期から父ヒョードルより教わってきた事を思い出し、この技を完成させる事に成功したとの事だった。



しかし、この技は、凄まじい速度で移動を繰り返し、空気を蹴る事で、空中での移動を可能にする奥義なので、メロには、この技の発動条件である筋力量が不足していた。そして、考えた末、その力を引き出すために魔力アイテムによる身体強化とトランスによる身体強化を同時に発動させ、技に必要な腕と足に集中する事で、自分の速度を一瞬だけ8倍に引き上げる事に成功したらしい。その結果、技の完成を実現させたとの事だった。



メロは俺に認められたいが為に、全力で奥義を使った。それを防がれた事にはショックだったようだが、それと同時に父ヒョードルの凄さを改めて実感した様だった。

今見た通りメロの能力では、持って10数秒。メロの全生命力を傾けた現時点での最強の技であった。

「なるほど・・・。そいつは凄い話だな・・・。正直さっきの技はビックリしたよ!残り14日間をどれだけ濃密に過ごすかによっては、父親に追いつく事も可能かもしれないね♪」



こうして第三段階の修行の夜が過ぎていったのであった。


バトルオリンピア予選開始まで残り15日!


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――







―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「良し!今日から第四段階の修行を開始する!」

メロとマロンがワーっと何故か拍手をしている。

「本日43日目から56日目まで、筋力アップ、体力アップ+魔物との戦闘+限界を見極める特訓だ!言い換えれば生き残る特訓を二人にはしてもらう!」

「先生!質問があります。その生き残る特訓とは、どういったものでしょうか?」



「はい!マロン君、とっても良い質問です♪昨日までの42日間は、二人に万が一の事があってはならないと思い徹底的に俺がフォローしていた事は、分かっていると思う。

「うん・・・確かに。ソロ君がいなかったら私達何度死んでいたか分かったもんじゃないよね・・・。」

メロとマロンが互いに頷いていた。



「その通り!ですが、実際は二人が不安にならないように黙っていましたが、今の二人なら話しても乗り越えられると信じて全てをお話しします!」

メロとマロンがどういう事?と言うような小首を傾けている。

・・・・・その仕草・・・・・・メチャ可愛いやんけ~! はぁ~二人の頭をナデナデしたい!

「なんか・・・ソロ(君)の目が怖い・・・。」



「コホン!何が言いたいかと申しますと昨日までのメロとマロンが実際に死んでいた可能性がある回数についてです!昨日までの42日間で最低でも200回は死んでいました。逆に言いますと、それだけレベル10の特訓が、尋常ならざるものだったと言えます。」

そこまで伝えて二人を見ると理解が追い付いていないのかポケ~っとした表情で俺を見つめていた。



「はい!そこの二人!ポケ~ッとしてるんじゃありません!直に真実を見つめ直してください!」

メロが手を挙げて俺を見つめている。

「はい!メロ君何かありますか!」

「先生・・・私達・・・200回も命の危険があったって本当ですか?確かに気が付くと温泉だったような気がしますが、先生は大丈夫だったんでしょうか?」



「うん!メロ君も中々に良い質問です♪ メロ君とマロン君は初日の筋力トレーニングの時から命の危険がありました。と言うよりも1時間おきに死の危機に瀕していたっと言った方が正しいでしょう!それと俺自身も100回ほど死の危機に瀕したと思います。」



2人を見ると肩を自分で抱いてブルブル、ガクガクとしながら青い顔をしていた。

「おいおい!今の君達だったらまず問題なんかないでしょうが・・・もっと自信を持ちなさい。」

それにしても・・・・・人間の顔ってそこまで青くなるもんなんだね・・・。

ん?自分で思った言葉だけど・・・・・・前世で誰かに言われた記憶が・・・・・・・まっ!そんな事どうでも良いか。



「コホン!では、話を続けます!今日から55日目までは以下の日程で修行します」

~13:00 個人特訓

13:00~~17:00昼食+短時間過密筋トレ+温泉+集中力の強化

17:00~18:00 夕食+集中力の強化

18:00~22:30まで登頂と戦闘訓練+夜間訓練

23:00 就寝



「となります。何か質問はありますか?」

「はい!メロ君!」

「13時までの個人特訓とスタートの時間がない事についてお願いします。」

「ウム!良い質問です♪ スタート時間は自分で決めます。なので、朝食は各自自分で用意してもらいます。この時間帯の個人特訓はあくまでも一人で行ってください。なので、無理と無謀を見極めなければなりません。」



「はい!先生質問があります!」

「何かね?マロン君」

「無理と無謀を見極めるとは、どの様な事を指すのでしょうか?」

「またまた、良い質問です♪ 特に二人とも今までは限界を超えて特訓していましたので、これが、いざ戦いだったら? 一人で修行して動けなくなったら? どうなると思いますか?」



「動けなくなった状況と場所にもよると思いますが、ダメージを負いすぎたり、修練場以外の場所で動けなくなってしまうと命の危険があります。」

「はい正解です!流石はメロ君♪ 今日も綺麗な顔と妖艶なスタイルですね♪」

「先生!セクハラです!」

グッ!余計な前世の情報を教え過ぎた。 ちょっと調子に乗り過ぎたな。



「コホン!と・兎も角!自分の限界を見極める特訓っと言う事です。戦いの中で、限界を超えてしまえば、場合によっては死ぬ場合があります。特にメロ君の技は、非常に危険です!なので、今日から13日間は、自己と向き合い己の限界を見定める事!言い換えれば生き残る力を身に着ける事を一つの目標とします。」

「「分かりました!」」

清々しい笑顔が眩しい!



「他にも何か質問はありますか?」

「はい!マロン君!」

「夜間訓練とは、何でしょうか?」

「ほほぉ~そこに気が付きましたか! 宜しい! 夜間訓練とは、この獣霊山は、夜間帯にしか現れないXランクの魔物が存在します!日が沈めば危険極まりない時間帯だったので、今までは避けていましたが、俺の見立てでは、メロ君とマロン君はSランクの上位種と同等の力を身に着けたと思っています。」



またしてもメロとマロンが互いに目を合わせて驚いていた。

「「うっそだ~!そんな訳ないじゃん!」」

「はい!静かに!俺は嘘はつきません!」

ホントにホント?って小首を傾けて上目遣いで聞くんじゃありません!惚れてまうやろ~って既に惚れてました。はい!認めます!



「まさか、私達で、そのXランクの魔物を倒すって事でしょうか?」

「正解です!今の2人であれば、ギリギリ勝てる魔物だと思います。もし、足場が悪いので厳しいでしょうが、もし、2人の内どちらかの必殺技が決まれば、そんなに時間を掛ける事無く倒せると思います。」



「はい!先生質問があります!」

「何かね?マロン君」

「その魔物は、何て言う魔物なんだしょうか?」

「当然の質問ですね! 分かりました! 心して聞くように! その魔物の名前は【サイクロプス】です!

俺の言葉を聞いた二人は白い目を俺に向け始めた。



「先生!流石に【サイクロプス】は強すぎると思います!」

「僕も!メロの意見に賛成です!都市の崩壊レベルの魔物ではないでしょうか?」

「ふむふむ。 2人の言いたい事も尤もですが、今この山にいるXランクの魔物は、言葉を変えればXランクの魔物の中でも最弱の分類になると思います。二人がかりで、これ位を倒せない様であれば、とてもじゃありませんが、バトルオリンピアの本選出場に間に合いません!」



2人は、グッと唇を噛みしめながらも決断したようだ。

「「分かりました・・・・・・。」」

「2人の心配も良く分かるので、2人がやる気になる事を一つ教えておきます!」

モチベーションが下がったままでは、倒せるものも倒せなくなってしまう。2人がやる気になる情報を教えてあげようと言葉を続けた。



「試しに、このサイクロプスは、前回の修行を終えた直後にティーグルと戦った時の俺よりも少し強い程度の魔物です。なので、2人で倒す事が出来たのであれば、それは、メロとマロンの強さが、俺の足元まで追いついてきた証拠となります。」

この言葉にメロとマロンはお互いに見つめ合うと強い意志の籠った目を俺に向けていた。



「少しは、やる気が出たでしょうか!」

答えは聞くまでもないな・・・・・。

「「当然!」」

それでも、強い魔物である事は、間違いないし獣霊山の環境的な問題もあるので、その後も話を続けた。




「夜間帯は目でものを見る事が出来ないので、凄まじい集中力を持続させないと一瞬で命を落とすかもしれません。なので、午前中の個人特訓には、必ずトランスを長時間使えるように修行に励んでください!」

「「はい!分かりました!」」

「フム!良い返事ですね♪」

俺・・・先生になりきる! ドヤ~



「他にはありませんか?」

「はい!メロ君!」

「短時間過密筋トレについてご指導をお願いします♪」

「おぉ~!これは、大変!良い質問です! 今までは、全身をくまなく鍛錬していましたが、自分の鍛えたい箇所を徹底的に鍛えては温泉で回復、これを繰り返し行って頂きます。例えば、腕力だけを鍛えるのであれば、ものの20分としない内に限界を迎える事でしょう。しかし一部分だけの回復であれば、温泉による回復時間もかなり短縮される事が分かっています。」



「有難うございます先生!」

「なるほど~・・・。と言う事は、今までの一時間、限界ギリギリに全身強化トレーニングではなく、例えば僕だったら握力だけを3回や4回に分けて筋力トレーニングを行うと言う事で宜しいでしょうか!」

「そう言う事です♪さすがはマロン君の見込みが早い!今日も美人ですね~♪後で、ハグしてあげます♪」

「先生~またセクハラです!止めて下さい!」



「調子に乗りました。コホン!今二人が理解した事で間違いありません。メロ君もマロン君も全身の筋力は、俺が予想していた以上に強化されたので、最終段階は、自分の戦闘にあった筋肉を強化していただきます。ただし、3対7の割合で全身の筋トレも忘れないようにしてください。宜しいですか?」

「流石は先生です!分かりました~♪」

「はい!大変宜しい! 他にも何かありますか?」



「先生は、午前中の個人特訓は、どうなさるんでしょうか?」

「ほほぉ~これまた鋭い質問ですね!俺は、恐らく3時前から山頂に籠って特訓をすると思います。否、間違いなく行います。自分の必殺技の開発なので、二人を巻き込まないように山頂がベストだと判断しました。後とちょっと気になる事があるので、修行の合間にそれらを探索する予定です。」



「僕達はついて行ってはダメなんでしょうか?」

「付いて来たかったらかまいませんが、その時間はあくまでも個人特訓になります。なので、俺はあくまでも一人のつもりで修行をするので、付いてくる場合は、命がけでお願いしますね・・・。」

そこまで伝えるとメロとマロンがブルブルっと震えて俺を見つめていた。

「分かりました。私達も自分の限界を見付けなければいけないので、修練場をベースに特訓しようと思います。」



「素晴らしい♪素晴らしい答えですねメロ君! 他にはもう質問はありませんか?」

もう質問なんかないとは思うけど・・・っと思った俺の思惑が外れ2人とも手を挙げていた。

「素晴らしい好奇心です!二人とも♪では二人ともどうぞ!」

俺がそう言うと何故かメロとマロンがせぇ~の~っと声を掛け合って

「「いつまで先生プレイを続けるんでしょうか?」

俺・・・撃沈!




そして、最終段階の特訓が幕を開けたのだった。

「この13日間で、ソロ君をビックリさせてあげるんだからね!後・・・私と付き・・・付き合ってもらう・・・じゃなくて付き合って上げても良いんだからね♪」

個人特訓中に何やらメロが呟いているが、その声は誰の耳にも届くことはなかった。気が弱いと思った美少女は、恥ずかしがり屋な一面が邪魔をして、どうやらツンデレに変化していったようだ。



「僕もソロの気持ちを捕まえられるくらい・・・捕まえたら離さない握力を身に着けるんだ!僕の事をこんな気持ちにさせたんだから責任取ってもらわなきゃ・・・・・絶対に離さないんだから♪」

激しい修行の最中、ソロの言った事を忠実に守るマロンがいる。



小さな声で呟く恋心が届く日が来るのだろうか?最初の頃は男勝りだと思っていた美少女が随分としおらしくなった。ここにいるのは恋する乙女の顔をした女性であった。

実は、獣人族にとっての性格の変化が如実に表れ始めていたのだが、過酷な修行中だった為、誰もその事に気が付く事はなかったのであった・・・・・・・。



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