第40話 第二章【獣人族 獣霊山編】1
そして、1段階目の最終14日目
メロもマロンも順調に筋肉がついていた。
ビッグハートとの追いかけっこは、何とか躱せるようになっていた。しかし飛び越えるまでに至っていないので、今後も要筋トレが必要!
握力も中々強化されたようで岩棚の天井部分に氷柱の様に突き出ている部分を手で掴んでぶら下がっても数十秒程度なら落ちなくなっていた。
気付いているのか分からないけど、初日とは比べ物にならない程、パワーアップしていた。
これだけ動けるようになったので、予定通り第二段階に進むことにした。
そして15日目から28日目までが、筋力アップ+体力アップ+魔物との戦闘だ!
5:00起床~6:00 朝食終了。
6:00~10:00まで、筋力トレーニング+温泉
10:00~12:00 山登り+魔物との戦闘+温泉
12:00~13:00 昼食+集中力の強化
13:00~15:00 山登り+魔物との戦闘+温泉
15:00~19:00まで、筋力トレーニング+温泉
19:00~20:00 夕食+集中力の強化
20:00~22:30まで筋力トレーニング+温泉+集中力の強化
23:00 就寝
要するに10時間の筋トレに4時間の魔物探しって感じだね♪
ちなみにメロとマロンの装備と重量は・・・
頭全体を覆う
ヘッドガード・・・・・・・・60㎏
肩から胸、腹にかけての
ボディアーマー上・・・・420㎏
腰から太もも迄を覆う
ボディアーマー下・・・・250㎏
拳と掌用の
ナックルガード・・・・・40㎏(片手10㎏)
手首から肱手前までの
アームガード・・・・・・・・260㎏(片手80㎏)
足首から膝下までの
レッグガード・・・・・・・320㎏(片足110㎏)
最大重量の1350㎏になっていた。
そして俺の装備と重量は・・・
頭全体を覆う
ヘッドガード・・・・・・・・100㎏
肩から胸、腹にかけての
ボディアーマー上・・・・720㎏
腰から太もも迄を覆う
ボディアーマー下・・・・460㎏
拳と掌用の
ナックルガード・・・・・・60㎏(片手20㎏)
手首から肱手前までの
アームガード・・・・・・520㎏(片手200㎏)
足首から膝下までの
レッグガード・・・・・・・640㎏(片足260㎏)
最大重量の2500㎏になっている。
第二段階に入りメロもマロンも実戦での動きを自然に学びとり、自分に合った強化を無意識に行うようになっていた。
最初の頃はマロンの方が脚力に優れているのかと思っていたら、実はメロの方が優れていた。どうやら父であった先代獣王が大層足技に優れた人だったらしく、メロもその血を強く引いていたらしい。
マロンは、均等に力を付けるものの唯一握力だけには、拘りがあるようで、話を聞いたらメロと同じ様にお父さんの血を強く引いているらしく得意技が爪と握力による襲爪だとの事だった。
本当は、今まで気になっていたので、聞きたい事があったのだけど、止めておいた。
2人が俺に話したくなったらいずれ教えてくれる時が来ると思って母親の事は効かない事にした。
2人とも、さすがに、これだけの重量を身に待っとっていては山頂どころか手前までも行く事が出来なかった。
魔物を探る為に気配を察知する様に集中力を高める特訓が功を奏し、魔法ではなく気配のみで魔物の居場所を把握出来るようになっていた。
これが、獣人族の力の一端なのだろうか?こう言った本能が強く関係する技術だと吸収する速度がメチャクチャ2人とも早かった。
第二段階目の目標の一つである山頂踏破を行う事24日目にして、登頂に成功。
しかし、登頂で限界を迎えてしまった二人を両腕で抱えて魔物達からの攻撃をかわしながら温泉に戻る作業には、本当に骨が折れた。って言うか本当に骨が折れた疲労骨折ってやつだな!
二人とも回復してはパワーアップするから登頂トライを繰り返すごとに、距離が延びるので、限界まで全てを使い切った二人を抱える俺は限界の限界を超える事となった。
当初、俺は二人の修行の合間に自分の特訓を考えていたのだが、二人の修行のフォローをした方が、ハッキリ言って地獄だった。
俺の怪我の事は、当然二人には内緒にしてあるので、気付かれる事はないが、正直何度、諦めかけたか分からない。実際一人だったら動けなくなっていたと思うと自分だけで特訓するよりメチャクチャ効果的だった。
当然と言えば当然かもしれない。この時の俺にかかっている総重量は5350㎏以上なんだから・・・。
時期が7月に入り暖かくなってきた。とは言え、この場所は標高4000m以上なので、気温は、氷点下だし空気は薄いし、雪で足元が沈むは滑るは、場所によっては、二人を頑丈なギーガの皮を庵で作ったロープで俺にくくり付けながらロッククライミング・・・今の俺の握力がどれ位なのかは分からないけど・・・。
指の皮や爪は捲れ、場合によっては折れる事もしばしば。
指が痛すぎて、逆に捥げて欲しい程の激痛だった。それに・・・
このウェイトの負荷でも何とか動ける程の筋肉を身に付けたとはいえ、全力疾走でのストップ&ゴーや魔物をジャンプして躱したり、高所から着地したり・・・。そんな動きを数十分も続けていれば、温泉に辿り着く前には骨がギシギシ言っていてメチャクチャ痛かったのを覚えている。
正直、二人を救出する度に毎回、死の危機に瀕していた。その度に温泉パワーで、戦闘力アップ
まるで、どこかの戦闘民族みたいだ・・・。
身体の30%近くの複雑骨折でさえ温泉の効果で完全に回復した時は、本当にビックリした。
こんな事が何度もあったけど、身体の筋肉は当然として全身の骨も相当に鍛える事が出来たお陰で、第二段階の修行25日目には、二人を抱えて修練場まで戻っても体に激痛が起こる事がなくなっていた。
正直、自分のパワーアップを実感する事が多くて驚くばかりだった。
ちなみに、メロとマロンはウェイト装備に振り回されてしまい。Cランクのビッグハート相手に26日目までは、一人で勝つのは厳しく本当に苦労していた。
修練場の中とは違って自由な空間での戦闘は、相手の行動予測が読めなかった事とまだ、動きに付いていけなかったので、二人がかりでやっとこそ倒したのだった。
それでも、温泉パワーは、やはり凄まじく、最終日までには、ギリギリではあったが一人でビッグハートを討伐できるまで、パワーアップしていた。
何にしても、これだけ動けて、戦えるまでにパワーアップしたので、予定通り第三段階に進むことにした。
そして29日目から42日目までが、筋力アップ+体力アップ+魔物との戦闘+俺との戦闘訓練だ。
5:00起床~6:00 朝食終了。
6:00~8:00まで、筋力トレーニング+温泉
8:00~10:00まで 俺と戦闘訓練
10:00~12:00 山登り+魔物との戦闘+温泉
12:00~13:00 昼食+集中力の強化
13:00~15:00まで 俺と戦闘訓練
15:00~17:00 山登り+魔物との戦闘+温泉
17 :00~19:00まで、筋力トレーニング+温泉
19:00~20:00 夕食+集中力の強化
20:00~22:30まで筋力トレーニング+温泉+集中力の強化
23:00 就寝
これは、6時間の筋トレ!4時間の戦闘訓練!4時間の魔物との戦闘だね♪
そう言えば、以前も話したけど、白鋼鉄は、本当に重いんだよね・・・比重は鉄の約4.5倍位で正四角形での大きさでザックリ教えるのであれば・・・
30㎝ 953㎏
35㎝ 1514㎏
40㎝ 2260㎏
45㎝ 3218㎏
50㎝ 4415㎏
60㎝ 7630㎏
70㎝ 12116㎏
80㎝ 18086㎏
90㎝ 25751㎏
100㎝ 35325㎏
ね♪どれだけ重いのかが、分かって頂けたと思う。
だからこそ自分たちのウェイト装備を上手い事用意する事が出来たって訳なんだけどね・・・。
2人の装備に使用した大きさならば33㎝四方程度で、俺の装備ならば41㎝程度で、これだけの重量になった。
なので、絵的には随分と小さいダンベルやバーベルを持っていると思われるかも知れないんだけど・・・筋力トレーニングをやっている側から言わせてもらうと、冗談ではない!
20㎝四方のダンベルでも200㎏以上あるし、30㎝四方のバーベルに至っては、1000㎏程の重量がある。
メロやマロンが、身体をプルプルさせて「腕が捥げる~」とか言っていた理由が分かって頂けたと思う。
てな訳で、パワーアップを繰り返し、集中力を高める修行も順調に進み、魔物との戦闘も及第点だったので、さらなる強さを身に着けさせようと、に対人戦闘を経験させる為に俺との戦闘訓練が開始された。
2人には内緒にしているけど今の俺のウェイト装備は、二人に内緒で加工し直した事で、約4000㎏にまで増えていた。ある意味二人のお陰で、予想以上に鍛える事に成功したらしい。
予想以上のウェイト装備を身に着けている俺に強烈な一撃を入れられないようでは、本戦上位に立つ事さえかなわないと思い。俺は二人に対して全力で戦闘訓練の相手をする事を誓ったのだった。
そんな事を経て第三段階の修行を開始したのだが・・・。今度も予想外の事があった。
俺は日に日に手加減してあげているのだが・・・否、最初は全力で相手をしていたんだけどね。
第三段階の修行開始から6日目。昨日の話の事だった。
この修行を始めてから徐々にメロとマロンの戦闘力が日に日に落ちていくようになった。
この異常事態に俺は二人の身体が心配になり声を掛けた
「二人とも、温泉の効果がなくなって来たのか?それとも・・・・・どこか温泉効果でも回復しないことがあるんじゃないのか?正直に教えてくれないか?二人には悪いけどバトルオリンピアの事より俺は二人の身体の方がしんぱいなんだよ・・。」
俺は、心の底から襲い来る不安を胸に二人に聞くことにした。
そして、俺が予想しない答えを聞くことになるのだった。
「はぁ~ はいはい・・・ソロ君だもんね・・・。」
どうしたんだよ?なんで、そんなに目が虚ろになっているんだよ・・・メロ・・・。
「ハハハハハ・・・そうだよね・・・。異常だとは分かっては、いたんだけどね・・・。」
今度は、マロン迄・・・何で・・・そんなに乾いた笑いを浮かべているんだ・・・。」
「や・やっぱり・・・・・身体に何か異常があるんだな!だったら・・・」
だったら・・・修行を注視して下山しようという前にメロとマロンに口を挟まれてしまった。
「あ~うん・・・今、マロンが言った異常ってソロ君の事だからね!」
ん・・・? あれ?・・・・・どういうことだ?
「ハッキリ言って、自分でも分かる位、強くなっているんだけど・・・やっぱり・・・気付いていなかったのか・・・。」
ん?どう言う事だ・・・・・。メロもマロンも・・・・・・ 強くなっているって勘違いしているのか?
「何を言っているんだ!現に最初の頃より動きが悪くなっているんだよ? 俺に心配かけまいと気を使ってくれるのは、嬉しいが、ハッキリと教えて欲しいんだ!」
彼女達はお互いの目を見つめあって意を決したように口を開いた。
「分かったわ!この際、ハッキリ言わせてもらいますけどね~ 私達も凄まじい成長してるわよ! ソロ君の成長速度が異常なだけだからね!いくら何でも非常識すぎるでしょうが~~~!!! 」
胡散気な目をしたメロが、声を荒げて言い放った。
・・・・・あれ? 俺の考えていた答えと全然違う答えが返って来たんだけど・・・・・どういう事だ?
「それに・・・僕達が気付かないと思っているのかも知れないけど・・・どう見てもウェイトが増してるでしょうが~~!!! ソロが強くなりすぎなんだよ! 分かったか~~!!」
俺の前で二人ともハァハァと息を切らせて思いの丈を込めて言葉に出したのだった。
「あれ?・・・もしかして、二人が弱くなったんじゃないの・・・・・か?
「「当たり前でしょうが~~!!! この非常識男が~~!!」」
グッ・・・・・かない!・・・うぅ・・・な・・・かないぞ~・・・・・うっ・・・・・うぅ・・・・・・ウェ~ン・・・俺・・・・・心の中で号泣。ひ・・・・・非常識男って言われた~。 知らないやい!この新世界がおかしんだやい!
「けど・・・これで、ハッキリしたわね!マロンと話してた事が当たったね・・・。」
「うん。この頃、ソロの戦い方が、どう見ても手を抜いているように見えたもんね・・・。」
「不甲斐ないけど、これだとソロ君の修行の邪魔をする事になってるよね・・・?」
「僕もそう思った。ソロは、自分の修行に専念した方が、良いんじゃないのか?」
「聞いているの?ソロ君!貴方の事が心配なの・・。」
「僕達が、ソロの足を引っ張っているんだよね?」
ん・・・・・?俺の事が心配? 俺の事を心配してくれているのか?
フハハハハ! 俺!・・・・・復~活!!
「まぁ~なんにしても・・・そうだったんだ・・・・・・。全然気が付かなかった。でも、俺の事は置いといても、2人の計画に支障をきたしてしまうな・・・・・・・どうすれば二人にとって最善なんだろうか・・・・・・。
ピ~ン!閃いた!これならばいける! これから、メロとマロンに新しい技を伝授するから覚えて貰う!」
そんな事を言われても技を覚えた程度で、どうこう出来るような物ではない事を二人は実感していた。
「う~ん?そんな不思議そうな顔をしないでよ!恐らく、二人なら直ぐに覚えるから!って言うかメロは、ある程度、出来るんだから♪」
俺の言葉を聞いたメロがあぁ~とポンと手を叩いてマロンの方に向き直った。
「え?どういう事だ?僕にも教えてくれよ!」
なので、マロンにこの技の顛末を簡単に説明したのだった。
「このイヤリングにそんな効果があるなんて・・・全然知らなかった。」
唖然とした表情を受けべてマロンが驚いている。
「そう言う事!だから食事中の時に集中力の特訓も混ぜていたんだよね!じゃー早速、特訓開始だ!」
それからメロはあっさりと修得し、マロンもメロに遅れる事1時間で、修得する事が出来た。
「よじ!これで2人共、意識的にゾーンに入れる様になったね♪」
俺が、この技を修得するのにどれ程、時間がかかったと思っているんだろうか・・・君達も異常者だからね!そう心で思ったけど、平和を愛する俺は、決して口に出す事はしなかった。
「ソロ先生!これで完璧でしょうか?」
何故か、マロンが、俺の事を先生と呼ぶようになっていた。理由を聞いたら物を教わる立場だから、その辺はキッチリ立て訳をしないと嫌だったらしい。
「よし!流石だ!マロン。出来る女は一味違うな!」
本当に修得が早くて素で褒めたら、マロンが耳を真っ赤にして俯いていた。
「ソロ君♪この必殺技は、この状態からこんな感じで使えば良いのかな~?」
メロは相変わらずの話し方だったが、以前よりも俺の近くで話してくれるようになっていた。って言うか!メロのたわわに実った果実が当たっていますって!
俺の心拍数が上がり過ぎても温泉では治んないんだからな~~!・・・俺!役得♪
「メロは何をやっても凄いや♪ 顔も可愛いし、強いし、スタイルも良いし、声も可愛いし、何をやっても器用だし、メロみたいな奥さんがいたら幸せだろうね♪」
プシューっと煙を上げて茹でダコ状態のメロがそこにいた。
「さてと、この第三段階の修行に入る時にも行ったと思うが、念の為にもう一度伝えておく!最終日までに必殺技を開発する事が必須だという事!そして、段階を別けての必殺技をそれぞれのスタイルで見つけ出す事。」
強者との戦いの際は、いくつもの技が必要になる。
手数が必要な技や最速の技、さらに、いつでも使用可能な技や遠距離攻撃など。
「で、今教えた技は、全身の筋力を2倍に強化する技だ!極めればさらに戦闘力を上げる事も可能だし、ゾーンの状態から発生するオーラを身体のあらゆる場所に集中させる事でさらに威力を上げる事も可能だ。
出来れば、気配察知と情報処理速度が速くなるトランス(ゾーン)が完璧になれば、さらに戦闘の幅が広がる!
この技を完全にマスターして、自分に合った技へと昇華する事!」
ってなことが、あり現在に至る。
「ハイハイ!二人とも回復タイム終了だ!次は登頂修行に入るぞ!」
「「了解♪」」
その後、自由自在に技を使えるようになった事で、第三段階の修行中にメロもマロンもBランクのオーガ相手にギリギリ勝てるまでに成長したのだった。
あれ?これって、ウェイト装備を外したら・・・・・以前の俺よりも強いんじゃないのか?と頭に過ったが、強くなりたいと二人が思いを口にしたのだから俺は期待に応えるだけだ!
そして、さらに6日が過ぎた。ウェイト装備の重さにも慣れ始めた俺たちは、実戦的な戦闘訓練にも自分の技を取り入れ、さらに激しさを増していたのだった。
戦闘訓練は、本格戦闘訓練の時だけ俺が、500㎏程度のウェイト装備を纏いメロとマロンの2人は、ウェイト装備を全て外し、通常の攻撃が出来るようにしていた。
「フゥー♪ 二人とも随分と強くなったよ!」
俺の言葉には嘘はない!今では、二人との戦いは、俺に取っても全力戦闘が出来るまでに成長していた。
「へへへ♪ 今日で、第三段階の修行が終わるんだか、今日中にソロ先生に強烈な一撃を入れてみせるよ!」
思わずドキッとする程、眩しい笑顔で思いを口にしていたマロンは、肉体強化を発展した必殺技の開発に成功していた。
「その意気や良し!掛かってきなさい!」
「私の事を忘れてるんじゃないでしょうね~! ハッ!」
「危なっ! ふぅ~♪ 今のはちょっと危なかったよ♪ 日に日に鋭さが増してくるね!」
「ウフフフフ♪ この辺りで、お世話になったソロ君に私の全てを見て貰いたいからね♪」
ハゥ!何でこんなに可愛い生き物が存在するんだ!ポォ~っとした瞬間を狙ってマロンが必殺技を放ってきた。
「また!メロに見とれてる!今度は僕の番だからね!僕だけを見てないと知らないぞ!」
何やらムスッとした表情を浮かべていたが、その直後、マロンの全身を覆っていた光の衣が、さらに勢いを増し、上半身、特に両手の掌に何倍もの光が集まっていた。
「げっ!あれは不味い!」
俺も負けずに全身強化を行い上半身に集中し最大限の光の衣を纏い始めた。
第三段階の修行でマロンは身体強化の部分強化の発動や全体強化からの一点集中強化までの発動が物凄く上達していた。
マロンは、一瞬にして足に一点集中の部分強化を発動し修練場の天井まで飛び上がると天井をを蹴って加速し、さらに! 自分の身体ごと弾丸の様に回転を始めた。
「早い!躱す方が、楽だけど・・・・・受けてやる!さぁ~来い!」
回転しながら足の一点集中強化から全体強化に移行させると、今度は自分の左手で右手首を掴んだ瞬間!右手だけの光の(ー)衣が、今までとは比較にならない程、凄まじいオーラを放ち始めた。
タラ~っと俺の頬に冷や汗がつたった。
「あれ・・・・・? マロン・・・・・さん? 何そのヤバそうな必殺技・・・・・・いつの間に・・・・・!」
回転しているマロンが不敵に笑っている気がした。
そして、マロンの放つ技の凄まじさに思わず、素直に俺は「凄い♪」と感嘆した。
「この一撃で、僕の事が忘れられないようにしてあげる!行くよ~♪ 豹爪螺旋撃!!!
目の前に一目でわかる威力を纏った少女の渾身の一撃。現在のマロンの最大の威力であろう事は、見て取れた。どれだけの威力があるのかを知りたかったので、俺は全力で両腕に身体強化を集中し受けたのだった。
「ギュルルルル~! ギィィィ~ン ミシミシミシ! バキッ! ギュルル・・ルル・・ル・・・」
「よし!耐えきったぞ! うぉっ!」
弾丸の様に高速で回転しながら俺の装備を砕いたものの全力で防御した俺のガードに阻まれマロンの技を止めたと思った瞬間! マロンがニヤッと笑った。
「まだまだ~ここから!」
ハッ!としてマロンの右腕を見ると先程までの凄まじいオーラが消えていた。回転力の失われた右腕で俺の手首を掴んだ瞬間!今度は、左膝に凄まじいオーラを集中していたのだった。
ヤバい!間に合うか・・・・・? 俺はガードの為に腕を覆っていたオーラを全身強化に戻した瞬間凄まじい衝撃が、俺の脇腹を襲った。
「ハァハァハァ・・・どうだったソロ先生!僕の渾身の一撃だよ♪」
本当に渾身の一撃だったのだろう。必殺技を放った彼女の指からも血が出ていた。
「グッ・・・・・・痛てててて・・・。凄い技だ・・・・・・いや~驚いた♪・・・。ふぅ~、右手の装備が粉々だ! 骨は折れてないけど・・・・・ポタ・・・ポタ・・・それにしても・・・凄い威力だったよ♪ まさか、この装備がここまで壊されるとは思わなかったな。 マロン合格だ!約束通りマロンの望みを一つだけ叶えるよ♪」
その言葉を俺が口にした瞬間のマロンの表情が忘れられない。辺り一面に花畑が見えたような気がした。それにしてもマロンは、本当に美人だな~嬉しそうに微笑むマロンを見ているだけで、胸がトキメイてしまう。
「あ~~!!!ズルい~!私が先に決めたかったのに~~! ソロ君も!いつまでも鼻の下を伸ばしてないの!もぉ~私の気持ちも知らないで~頭にきた~! マロンだけじゃなくて私の思いも受け止めてよね!はぁぁぁぁぁぁ~オーラブースト!!」
何やらプンプンと怒った表情をしていたが、その直後、メロが、魔力を身体に込め始めた。元から全身を覆っていた淡い光の衣が、ハッキリと光を放ち始めると、さらに勢いを増し、全身を覆い尽くした。
「メ・・・メロさん・・・? な・何ですか・・・その技は?」
全身にゾーっと悪寒が走った。何かヤバそうな気がする。マロンは、掌だったから分かり易かったけど、メロはどこを狙ってくるのか・・・・!
「やっと、私の方を見てくれたね♪だったらもっとビックリさせてあげるね♪」
ニコッと笑った顔はメチャクチャ可愛いが、ちょっと怖いかも・・・。
そして、メロが纏っていたオーラが、腕と足に集中し始めると光の輝きが赤く輝き始めた。
「何かがヤバイ!オーラ全力解放!」
どこを攻撃されても良いように全身にオーラを最大限に纏った。
「凄いよ♪メロ・・・。全力で来い!受け止めてやる!」
さっき迄の速度の何倍だ?本当に俺の速度を超えたか? そう思えるほどに加速したメロは、俺にぶつかる瞬間にフェイントを入れ一瞬にして俺の背後に回った。
「オォッ!ヤバイ!」
とっさの判断で頭を下げながら回避すると俺の頭上を凄まじい音を上げながら何かが通過した。
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