最凶魔王?
「えーっと。大丈夫ですか、ミナ様?」
地面が裂けるという意味不明な現象がおこった。
意味不明、理解不能。
故に、きっと、絶対、床の老朽化が進んでいたに違いない。
そうなれば主の心配をせねば!
と言う思考プロセスを経て、、今の現象に少女は関係ないという結論に無理やりこじつけたジンである。
「ころんじゃった。てへ。」
一方、当の本人は気にした様子もなく照れたような笑みを浮かべている。
人前で転んでしまったことが恥ずかしがるところは子供といえやはりレディなのだろう。
こんなに可愛い笑顔を向ける少女がさっきみたいなとんでもない力を有しているわけないか。
先ほどまで無理やりなりゆう理由の気がしていたが少女の笑顔を見た後だと間違っていないと思えた。
「気になさらないで下さい。どうぞこちらへ。食事の席に案内させていただきますね。」
「うん。魔族の食べ物ってふつうの食べ物?」
ジンが扉を開けて少女が通り過ぎるのを待っているとそんなことを聞いてきた。
「何を基準に普通と言うのかはわかりませんが、、、、」
そこまで言って言葉を詰まらせてしまう。
少女の方を向くとなぜか上着がはだけ、その幼い双丘を晒していた。
まさか露出壁でもあるのか⁉
だがあいにくジンには幼女趣味はない。
冷静にあたりを見渡してみるとなるほど、状況が理解できた。
おそらく扉に上着をひっかけてしまい服が脱げてしまったのだろう。
だが、さすがに気づくだろ、、、、。
もしかして、この子は天然、なのだろうか?
狙ってやっているのか天然なのか判断が難しいがこのまま城内を連れまわすわけにもいかない。
「あの、ミナ様。その、さすがにそのお姿で行かれるのはよろしくないかと。できれば上着を羽織っていただけませんか?」
そういって落ちていた上着を少女に渡す。
「なにを言ってるの?・・・・・・・・。きゃーーー!!」
はじめはジンが何を言っているのかわからなかった少女だったがジンが持っている上着を見て視線を下げる。
そしてあらわになってしまっている己の双丘をみて理解したみたいだ。
悲鳴を上げてしゃがみこんでしまう。
「すいません。私がもう少し早く気が付ければよかったのですが。」
今回の件は自分には全く非はないと思うが主の機嫌を損ねるわけにはいかないのでとりあえず謝罪しておく。
だが少女はしゃがみこみ顔を伏せたまま、耳まで赤くなってしまっている。
「大丈夫ですよ、ミナ様。私は何も見ていませんから。」
実際はばっちりと見てしまったのだがそれを正直に話す必要はないだろう。
それに妹くらいの年齢の裸を見たところで何も思わない。
もっと年上のグラマーな女性なら別だが。
「ほんとうに?」
真っ赤な顔で泣きそうな表情をしながらこちらに訪ねてくる。
「ええ、ほんとうですよ。それよりも冷たい床に座ったままだと風邪をひいてしまいます。お立ちください。」
そういってしゃがみ込んだままの少女に手を差し伸べる。
ちなみに、少女はまだ手渡された上着を着ておらず上着にくるまっている状態だ。
「ありがと。」
そういって手を取る少女。
一歩踏み出そうとし、
、、、、こけた。
どうやら立ち上がった時に上着で足を滑らせてしまったらしい。
そして再び上着がはだけ、その状態で今度は一番近くにあったものにしがみついてしまった。
もちろん一番近くにあったものとはジンである。
あろうことか少女は上半身に何も纏わない状態でジンの胸元に抱き着いてしまったのである。
「きゃ、きゃーーーー!」
少女の悲鳴。
そしてそれと同時に周り壁に亀裂が走る。
そして一番近くにいたジンはと言うと鼓膜が破れ、肋骨が数本骨折し、内臓がいくつか破損していた。
そんな状態で意識を失わなかったのはさすが七つの大罪と呼ばれる名家の当主なだけある。
少女が何をしてしまったか気づく前に自己修復の魔法をかける。
「ミナ様、落ち着いてください。私のことは兄とでも思って下さい。家族であれば何も恥ずかしいことなどないではありませんか。どうかお気になさらず。」
少女を腕の中に抱えたままそんなことを囁く。
そしてようやく少女が落ち着いてきたのでその場で上着を着せてあげる。
いくら自己修復の魔法が使えるとは言え、痛いものは痛い。
「ごめんなさい。わざとじゃないの。それはほんとよ。」
落ち着きを取り戻した少女がうつむいたままそんなことをいう。
「もちろん。私はあなたを信じていますよ。もし不安なのであれば食堂まで手をつないでいきますか?」
これ以上被害を出さない前にジンがそんな提案をする。
このままだと共存の前に魔王の手によって魔族が滅んでしまうかもしれない、そんな不安が頭をよぎった。
「うん。」
そういって少女は少し恥ずかしそうにしながらも片手を出してきた。
ジンは差し出された手をやさしく取り、ゆっくりと歩きだす。
脳内はフル稼働で思考し、魔王の力について考える。
ミナ様のこの力はなんだ?
物理的影響、振動波のようにも感じたが、魔法を使ったような形跡はなかった。
発動条件はなんだ?
転ぶこと?
いや、そんなものが発動条件になるわけがない。
もっと根本的な原因、きっともっと明確なものがあるはずだ。
なにもない所で転ぶ、上着をひっかける、上着に足を取られる、か。
それしてもずいぶん天然と言うか、ドジな子だな。
ん?
まさか、ソレか?
ドジな言動をする、それが力の発動条件か?
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次回も更新は未定です。




