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『冷めても美味しい絶品唐揚げ! 鍋に最適鳥つみれセール! 肉の通天閣』

なべ・・・たべる・・うま・・

 『肉の通天閣』より支援していただいたのは馬肉(1kg)である。


「普段売らないけど卸しの人がオマケで付けてくれたので店頭に出したがやはり売れ残った」とのことだ!


 本日は、怪人”犬公方ツナー”(イヌクボウツナー)が『スーパー億万』駐車場で待っているらしい。

 初めての1人でお留守番とあって「そこはかとなく不安なので早めに行こう」とヒーロー”ハチカヅキン”は歩を早めるのだ。


 馬は騎乗によし、馬車によし、農耕によしと、三面六臂の活躍を果たし人類の友として末永くその地位を高めてきた。


 だが近年馬に変わる力として内燃機関、いわゆる「エンジン」がその地位を奪い去り、今では馬といえばその名残をエンジン出力の「○○馬力」に留める程度となってしまっている。

諸行無常である。


 しかも最近の馬(品種改良でガタイがよい)が叩き出す馬力は4馬力ほどで、走ってるサラブレッドはエネルギー換算で数10馬力、もはや意味が分からない状態となっているのだ!


 そんな複雑怪奇な馬に思いを馳せていると、ステージ上のコタツに頭から突っ込んでいるゴン太くん(柴犬 5才 ♂)と、そのお尻を引っ張る怪人”犬公方ツナー”が見えてきた。


「”ハチカヅキン”さんおはようございます。あの、ゴン太くんが出てこないので一緒引っ張ってください」


 待つんだ!

 ヒーロー”ハチカヅキン”が馬肉を持って、こたつに入ってる怪人を背後から殴打するのがセオリーのはずなのだが。


「あ、すみません忘れてました。今後ろを向きますので……よろしくお願いします」


 全然よろしくお願いできないし、ゴン太くん(柴犬 5才 ♂)がコタツの中に入ってきた足に吠え猛っている。


 仕方なく『冷めても美味しい絶品唐揚げ! 鍋に最適鳥つみれセール! 肉の通天閣』のステッカーを太ももの裏に貼り付けたヒーロー”ハチカヅキン”は、カメラクルーにその美脚をみせびらかしながら怪人”犬公方ツナー”の背後に忍び寄ると、馬肉(1kg)に遠心力を篭め、優しさを半分だけ添えると、そのまま一気に振り下ろす。


バニクゥウウウウウウウ!


 新鮮な馬肉で怪人の肩口を殴打したような音がスピーカーから流れ出る。


「アイッタァアアアアアアア!? 予測してたよりかなり痛いです。ムチウチになってしまうかもしれません。鍋の季節に向けて、肉の通天閣では本日より三日間、鳥鍋用のお肉がアレです」


 アレではない、売り出し中だ。


「あ、売り出し中です。ゴン太くんおちついてねー。馬肉。えーと、昔から打撲・打ち身・捻挫には、馬肉スライスを貼り付けて湿布にするという方法があるんですが、その医療品のはずの馬肉で殴られて打撲とか対処のしようがない。しかたないから、これ以上追撃が来ない内に逃げるんだ-! 退却ー! 退却ー!」


 凄い棒読みだ。大丈夫かこの子は。


 セリフをなんとか言い終えた怪人”犬公方ツナー”は、脱兎のごとく逃げ出して行く、その背後からゴン太くん(柴犬 5才 ♂)が猛追しているのだが……しっかりリードを括っておくのだ…。


「冷めても美味しい絶品唐揚げ! 鍋に最適鳥つみれセール! 肉の通天閣ではネギとショウガと軟骨をミックスしたスペシャル鳥つみれを販売中! ヒーロー”ハチカヅキン”は我慢ができないのでこのあと買って帰って家で食べてしまうぞ! 「ヒーロー”ハチカヅキン”ショーを見た」と言えば、つみれ団子ひとつ分おまけしてくれるのだけど、これは皆と私だけの秘密だ! よい子の皆は秘密を守ろうね! ヒーロー”ハチカヅキン”とのお約束だ!!」

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