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残響のプレリュード  作者: erg
番外編

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77/82

番外編2

 デルタ結成直後

 

 玄関に足を踏み入れた瞬間、ルナはぱっと顔を明るくした。

 

「わーい。拓海先輩の家、初めてです」

 一拍置いて、少しだけ声を落とす。

「……前から、一度来てみたかったんです!」

 

 キッチンから顔を出した冴子が、にこやかに微笑む。

 

「あら、新しいお友達?」

 

(また女の子。拓海ってば案外……)

 そんな感想が、声に出ることはない。

 

「ルナです!」

 元気よく名乗るルナ。

 

 その横で——

 

「……」

 

 のぞみは、あからさまに険しい目を向けていた。

 警戒、というよりは敵意に近い。

 

「……?」

 

 ルナは一瞬きょとんとする。

 

 そのとき。

 

 ピンポーン。

 

「いらっしゃい」

 

 ドアを開けた拓海の後ろから、聞き慣れた声。

 

「お邪魔しま~す」

 

「あら、結月ちゃん、いらっしゃい」

 

 冴子の言葉に、ルナの動きが止まる。

 

(……なんで、結月先輩のこと知ってるの?)

 

 説明が追いつく前に、のぞみが口を開いた。

 

「結月ちゃん、この人だれ?」

 

 一拍の沈黙。

 

「……バンド仲間だよ?」

 

 結月は、少しだけ言葉を選ぶように答えた。

 

「ほんとにお兄ちゃんの部屋にいれるの?」

 

 遠慮も何もない直球だった。

 

「どういう意味だよ」

 拓海がすぐに言い返す。

「ただの曲の打ち合わせだよ」

 

 そのとき、リビングの奥から声がした。

 

「きてるよ~」

 

 顔を出したのはモモだった。

 

「なんで?」

 

 拓海が呆れたように言う。

 

「なんかさ」

 モモは肩をすくめる。

「のぞみちゃんに、『いやな予感がして怖いから、一緒にいて』って言われてさ」

 

 視線が交錯する。

 

 ルナは状況を飲み込めず、

 結月は苦笑し、

 拓海は頭をかき、

 のぞみは腕を組む。

 

 ——騒がしい。

 でも、どこか賑やかで。

 

 デルタは、こうして

 音楽以外のものまで巻き込みながら、

 少しずつ形になっていくのだった。

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