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この乙女ゲームは死亡フラグが多過ぎます。  作者: 天音 神珀
episode.1    この乙女ゲームは死亡フラグが多過ぎます。
22/167

21.chapter ◆

「えぇっと……」


 うわぁああどうしようどうしようどうしようどうしよう!?


 もうここはあれだよ元気に今日も押し切り作戦レッツゴーだよ!!


「うわぁお兄ちゃんなんていたんですか!? 知らなかった! 嬉しいなぁ!! お名前は? え? あぁ涼雅さんって言うんですね格好いいですね!!」


 あああああああああああああああああああああキャラ崩壊ぃいいいい何言ってるんだ私はぁああああああああああああああ!!


 これじゃあシナリオからぶっ飛ぶどころかドン引きじゃないかぁああああああ死亡フラグだァアア嫌ぁああ!!


 え、どうしよう、ほんとにどうしよう!


(元に戻して! シナリオどおりに動いてよ早く! このポンコツ!)


 私を壊れたラジオみたいに言わないで下さい!

 あんまり間違ってないから結構心に刺さります!


「あ、あの? あれ、温容な子……だよ、ね?」


 うわ引いてる引いてる!!


「そ、そうでしょうか?」

「……さっきとキャラ違う?」

「ご、ごめんなさい。びっくりして……」


 いやいやいやこのいい訳無理があるよね!


「そ、そうか。まぁびっくりするのも無理はないよ」


 お。

 攻略キャラはもしかして脳内に異変を元に戻そうとする機能でもあるのかな。

 大変すばらしい。


「俺もさ。妹がいるって一昨日(おととい)知って。父親から聞いたんだけど、それがどうやら同じ学校に通っているらしいって聞いたからさ」


 乙女ゲームってこういうところ無理があると私は思うんですよ。


 これ設定的には、あれな訳です。


 親は離婚したけど住んでるところは同じ市内。で、私達二人はどちらもこの学園――幼稚部・初等部・中等部・高等部・大学部まであるので、両親が離婚する前から二人とも通っている――にいたので、私の存在を知った兄が探しに来る。いわゆる感動の再会! なはずなんですけどね。


 一言言うなら飽きたし。


 とは口が裂けても言えないので私は吃驚(びっくり)したような顔で涼雅を見つめるのだった。

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