表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放先に悪役令嬢が。不法占拠を見逃す代わりに偽装結婚することにした。  作者: 椎名 富比路
第六章 最終決戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
59/63

第59話 魔王、真の目的

「ディートヘルム王子よ、なんと禍々しい。それが、魔物の血を受け継ぐ貴様の歪さか。しかし腕が増えたくらいで、この絶対的な差は埋められると思うなかれ。くらえ!」


 魔王が、僕を叩き潰そうと、魔法を詠唱する。配下の魔物を養分として、特大の火炎魔法を作り出す気だ。まだ、自分の優位は揺るがないと見える。


 愚かな。一人で戦い、目に入る者はすべて自分の糧であると思いこんでいるのか。


 大事なのは、隣人と手を取り合うことだ。相手から奪っていては、得られるモノはたかが知れている。奪われたモノたちから、裏切られるのだ。彼らが従っているのは、そのおこぼれをもらえるから。このバケモノに敬意を持っているからではない。


「その傲慢さが、お前の敗因だ!」


「ワシは、まだ負けておらん!」


「今から、負けるんだよ!」


 魔王の火球を、僕は真正面から受け止めた。


「バカな。自分から撃たれてに行くとは……なあ!?」


 魔王の炎を、僕はすべて吸収する。


「なぜだ!? ボニファティウスに、そんなスキルなど」


「たしかに、僕にはないよ。でもさ、僕が手に持っているものに着目すべきだったね」


 僕は、リユのカタナを魔王に見せる。


【魔改造】を施し、火の魔法を吸い取れるようにしていたのだ。


「この特大魔法、お前に返す! 自分の技で死ぬがいい!」


 カタナ状にした火炎魔法で、魔王の腹を突き刺す。


「ぬごおおおおお!」


「今だ!」


 僕は、魔王の腹の中へ。


 こんなデカブツの攻略法は、昔から「体内に入って内側から壊す」に限る。クジラ型キメラで学んだよ。


「やっぱ、本体はこっちか」


 魔王の体内に、カイムーン王がいた。王子に歳を取らせた感じの、老人である。こいつもまた、魔王に身体を乗っ取られた口だろう。


「おのれ。貴様のせいで、カイムーンの安泰は潰えた。責任をもって死ね」


「あいにく、僕は帰る場所があるからな」


「ならば、その帰る場所もろとも消えてなくなれ!」


 老人が、魔王の身体に剣を突き刺す。


「何をした?」


「アウゴエイデスごと、この地を吹き飛ばす! お前の先祖、ディートリンデがやろうとしていたことだ!」


 狂気的な笑い声を上げながら、老人は言い放つ。


 先祖が言っていた最終兵器とは、これだったのか。


「お前らに勝ち目など、最初からなかった」


 魔王領の地下でこのアウゴエイデスを発見したときには、カイムーンは魔王にとりつかれた。魔王の傀儡として、生きることを余儀なくされたのだ。


「魔王の目的は、シンクレーグの破壊。そこに眠る、ディートリンデのアウゴエイデスと対消滅すること。この爆発による毒は魔族以外の人種に作用し、人間族だけを滅ぼす。魔王が死んでも、魔族が世界を制覇するのである。今、その悲願が成就する!」


「だからディートリンデの一族は、人と交わったのか。人間に可能性を残すため」


「人間に可能性など、忌々しい! 人は魔族の家畜! ただの養分だ! 養分がしゃべるな!」


 なんつう、選民思想だ。


 世界が、魔族を嫌うわけだな。


「爆発なんて、させない!」


「ムダだ。もはやこの爆発は止められぬ! 今回の爆発は、竜族さえ耐えられまい!」


「……それは、言うべきじゃなかったな」


 なんとしても、止める理由を作ってしまうとはね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ